最近のエッセイ(87)

2022年8月9日         惜し見て余りある長崎原爆

 今日は長崎の原爆忌です。爆心地には大男の石像が両手を広げて天を仰いでいます。長崎市にはほとんど平地がありません。人家のほとんどは小山の斜面に建っています。毎日の上り下りは、さぞ、大変だろう、と察しますが、左程、苦にしていないようでした。10人余りの市内の所長さん達は商売熱心で元気者揃いでした。行くと、市内の中華街で宴会が始まります。それが、二次会、三次会と続きました。長崎には独特の美味しい物がありました。皿うどん、チャンポン、シュウマイ、小籠包などなど、中でも水雲亭の水餃子は圧巻で、いつも、行列が出来ていました。宴が果てて一人になると小さなピアノバーへ行きました。スタインウエイのグランドが鎮座していて、自由に弾くことが出来たからです。

 思えば、長崎は戦国時代に、外国に対して開かれていた日本で唯一の港町です。オランダの医学を始めとし、いわゆる蘭学は長崎から入り、難波、江戸に広がって行きました。それだけに貴重な文化財が長崎にありました。たまたま、造船所が長崎港にあったがために標的にされたのでしょうが、惜しみて余りある選択でした。

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2022年8月8日          日和見・韓国

 アメリカ下院議長ナンシーペロシさんが台湾を訪れ、最後の訪問国日本へ来る前に韓国に寄りました。しかし、5月に就任した韓国大統領ユン・ソンニョルは、自分の夏休みを理由に彼女と会わなかった、という重大事件がこのほど露呈しました。つまり、中国の顔色を伺うあまり、日和ったのであります。何と無礼な大統領でありましょうか!この態度には怒りを通り越して吐き気すら覚えます。

 かつての朝鮮戦争で、北に押されまくって南は釜山まで後退したのに、そこにアメリカ軍が加わって、38度線まで押し返すことが出来た、その恩を忘れたのでしょうか。北朝鮮の独裁政治と違って、曲がりなりにも民主国家の体裁を保っておられるのもアメリカあってこそ、という現実を何と心得ているのでしょうか。その恩人の国の女性代表が韓国を訪問したのに、出迎えもせず、会わない、とは何とも失礼であり、無礼千万であります。例え、周囲を見回して「招かれざる客」の御入来であったとしても、迎え出て、「お話を承る」のが人の道としたものです。ユンソンニョルという元検察上がりの大統領は既に、人間として落第です。そればかりか、韓国という国が「アメリカよ、さようなら、中国さん、こんにちは」と、世界に向かって公言したに等しい行為と受け取られても仕方がないでしょう。前任の文在寅大統領時代に反日運動は燎原の火のごとく韓国中に広がりました。しかし、戦前、韓国のインフラを整備したのは日本でありました。朝鮮戦争で韓国を救ったのはアメリカでありました。都合が悪くなると、さっさと踵を返す国、それが韓国の本質なのでしょうか?

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2022年8月7日         蕎麦の大食い 

 昨日、光が丘の「屯田」という北海道系レストランへ行きましたら、その日は、丁度、北海道産の蕎麦をいくら食べても値段は一緒、という日でした。一瞬、挑戦してみようか、と心が動きましたが、「歳を考えなさい」という声がして止めました。蕎麦の大食い競争では岩手県の「わんこそば」が有名です。

 遙か昔、盛岡の老舗の販売店に祝い事があって、東北6県担当の外勤社員とデスクの二人の8人が盛岡に集まったことがあります。興に乗って、全員で「椀子蕎麦」に挑戦しました。8人銘々の後ろにたすき掛けのお姉さんが身構えます。合図と共に椀の中の蕎麦を一息に飲み込むと、間髪を入れずお代わりの蕎麦を、手に持った新しい茶碗に投げ込んできます。蕎麦を噛んでその味を楽しむ、なんていう余裕など全くありません。目を白黒させながら、ただ、機械的に蕎麦を噛まずに胃の腑へ流し込むだけです。結局、年上の者は途中でギブアップし、若い順に勝ち名乗りを上げましたが、互いの結束だけは何故か強化されたように感じました。

 「屯田」というレストランの名前の謂われは、大昔、北海道の開拓に従事した「屯田兵」に由来するようです。正規の兵隊でないから世間からさげすまれたようですが、今の北海道があるのは、屯田兵の活躍によるものだ、ということを忘れてはならないでしょう。

 
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2022年8月6日           エノラゲイ

 今日は広島に原爆が落とされた日です。マリアナ諸島のテニアン島からB29・エノラゲイ号が4機のB29と共に広島に向けて飛び立ったのは、午前1時47分です。約7時間後、快晴の広島上空に達しました。目標は広島市の中央を流れる太田川にかけられた相生橋。8時15分17秒、エノラゲイ号から投下された原爆の「リトルボーイ」は、600メートル上空で核分裂爆発を起こしました。、、、、、、、、、

 テニアン島に帰還した4機のB29乗組員は盛大な拍手に迎えられ、12名には栄誉十字賞の勲章が授与され、盛大な祝賀パーティは深夜まで続きました。

 一方、核分裂爆弾を不意に落とされた広島市の方は、、、、、、、、

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2022年8月5日         線状降水帯

 連日の36~38度の高温で地上から吸い上げた水蒸気を、万遍なく地上に雨として降らせればいいのに、神様は一部地方にだけ偏って一時間に45センチにも達する猛烈な雨を降らせました。それも極く短時間に、集中的に、、、これを線状降水帯現象と呼び、予報は極めて困難で、予報士泣かせだそうです。昨日はこの現象が新潟北部、山形山間部、宮城の最上川流域で起きました。新潟では阿賀野川流域、村上市の鮭の遡上で有名な三面川が氾濫し、磐越西戦の鉄橋も、山形の米沢ー新潟の坂町間の米坂線の鉄橋も崩落し、現在普通です。おまけに、仙台ー山形を結ぶ仙山線も被害甚大とか。鳴子温泉は悲鳴を上げていることでしょう。線路上への土砂崩れならまだしも、鉄橋が崩壊しては、その復旧にどれだけの月日がかかるか計り知れません。これらの鉄道を利用しているサラリーマンや、高校生諸君の嘆きが聞こえてきます。この三つの鉄道には私はずいぶん乗っています。春は新緑の中を、秋には美事な紅葉の中を抜けました。長野にいた頃、山形市馬見ヶ崎に母の妹がいたので、長野から新潟へ出て坂町から米沢を経由して山形へ入りました。靖輝、国輝、和輝の三人の従弟が私を待ち構えていました。丁度、中学生になったとき、父親からシチズンの夜光時計をもらいました。自分でしていたのをお祝いだ、といって私の腕に嵌めてくれたのです。一緒にコンサイスの英和辞典も贈ってくれました。もうボロボロですが、いつも地下のピアノ室で私の演奏を聴いています。

 当時これらの鉄道を牽引していたのは蒸気機関車です。豪快な音を立ててホームに突入してきます。トンネルに入ると煙に咽せるので慌てて窓を閉めました。

 長じて東北信越担当の部長になってからも、仙山線、米坂線、磐越西線をよく使いました。新幹線のように速くないけれど、沿線の素朴な風景が四季を通じて楽しめたからです。その懐かしい三鉄道路線が昨日の類い希な大雨で、鉄橋が崩落して復旧のめどが立っていないとは、、、、

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2022年8月4日           母性本能           

 82歳の女性下院議長・ナンシーペロシさんの台湾訪問は、凄まじいまでの反響を呼んでいます。日本の新聞は、全紙、一面で報じています。恐らくニューヨークタイムズやワシントンポストなどもそうでしょう。全世界の新聞も、恐らく、そうでしよう。慌てて右往左往しているのは男どものの方です。台湾海峡で実弾射撃を行なったり、空母まで動員したり、戦闘機を殊更に識別圏内に飛ばしたり、大わらわの体です。

 考えてみるまでもなく、今回の訪台はアメリカの子持ちの女性と台湾の女性が会って「私たち、これからも仲良くしていきましょうね」と頷き合っただけなのです。ただ、それだけなのに、男どもは重大事件だとばかり、殊更にことを大きく捉え、重大視して、狼狽えているのです。母性同士という者は、本来、戦いを好みません。いつも平和でありたいと、願うのが母性の本来の姿です。ナンシーペロシさんは、ただ、それだけの思いで、周囲の反対を押し切って台湾へ行ったのではないでしょうか。男性にはない発想です。これを機会に中国は怒り狂い、台湾侵攻は、恐らく、早まるかもしれません。しかし、両陣営の新兵器による軍事力が日増しに肥大化している以上、軍事衝突は避けられないでしょう。何故なら、世界史の中で戦争のなかった時代はなく、これからもそう在り続けるのが歴史の必然だからです。

 つかの間の母性同士の心安まる話し合い。ナンシーペロシさん、あなたは歴史に残る人になりましたね。ご立派です。

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2022年8月3日           女性の底力

 ナンシー・ペロシという82歳の女性がいます。5人の子持ちながら、アメリカの下院議院の議長です。バイデン大統領にモシモのことがあると、副大統領の次に順位が回ってくる重鎮でもあります。この女性が、昨夜、台湾入りをしました。今頃は蔡英文総統と、女性同士、楽しく語り合っているでしょう。台湾には101と呼ばれる高層ビルがあります。その巨大な壁面に次の電光掲示がされました。「民主主義の友に感謝」、「米台友好は永遠」、、、、、この82歳の女性政治家は熱烈な中国共産党嫌いで知られています。天安門事件のあと、早速、北京へ行って批判演説をしています。それだけに、中国共産党政権は今回の彼女の訪台には痛烈な拒否反応を示し、場合によっては重大な結果を招くだろう、と脅していました。バイデン大統領でさえ、「軍はこのたびの訪台は適切でない、としているとして暗に中止を求めていました。それなのに、それなのに、82歳の彼女は万難を排して台湾入りを果たしたのです。恐れいりました、というほかありません。これが火種となって、中国対アメリカの台湾を巡る攻防は益々激しくなるでしょう。しかし、この暴挙というか快挙というかの出来事によって、3億6000万人のアメリカ人の心に、「台湾の民主主義は何としても守っていかなければ」との意識が再確認されたことも事実でしょう。女性の力には、なんとも計り知れないものがあるようです。

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2022年8月2日       コロナの兄ちゃんへ

 三年前に中国武漢で産声を上げたコロナの兄ちゃん、最近の活躍ぶりには、実に美事なものがあるね、敬服するよ。殊にBA4,BA5に変身してからの仕事ぶりはどうだ、いたいけな子供達まで巻き込んで、戦果を上げつつある。厳重に重装備している医療従事者まで巻き込んで、診療不能にまで追い込んでいる。お陰で重症者でさえ、診療が拒否され自宅待機を余儀なくされている。その結果、家族全員が感染に巻き込まれ、死ぬか生きるかの瀬戸際で苦しんでいる。

 コロナの兄ちゃんよ、あんたの活躍は大したものだが、一体、どこまでやれば気が済むのかね? ナニ、全日本人があんたの種を身体に宿すまで止めない、だと。ウヒャー、驚き桃の木、山椒の木、びっくり下谷の高徳寺だぜ。しかし、つらつら世間をオモン見るに、そうなる確率はこのところ高くなっているかもね。なぜなら、日本国の行政府は、あんたの活躍をありきたりのインフルエンザの一種として捉えようとしているからです。そうすれば金を出さないですむ。日本は金持ち大国なのに、世界の金のない国が行政介入を出来ないでいるのは、出す金がないからそうしているのに、財政豊かな日本がその真似をしようとしている。つまり「コロナの兄ちゃんとの戦いに日本は負けた」ということなのですね。良かったねえ兄ちゃん、これからも縦横無尽に戦が出来て。ただし、お願いが一つ。私の家と私の家族の家だけは見逃してやって下さい。

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2022年8月1日         流し素麺(そうめん)

 暑い、とにかく暑い。外の温度は36度。日当りの良い2階の仕事場も36度。なんとかクーラーを効かせて26度にしています。野暮用があって車で出かけましたが、しばらくして戻ってみると、車の室内はまるで蒸し風呂。ハンドルを持ったら火傷しそうになりました。こんな時、欲しくなるのが涼を呼ぶ食べ物。冷たい素麺ではないでしょうか? しかし、いま、日本蕎麦屋さんは激減しています。冷たい素麺にありつける確率はごく希です。冷やしラーメンでは味気ないではありませんか。

 現役で新潟県を担当していた頃の8月の猛暑日、東京各社の新聞関係者を新潟日報社が納涼の会へ招いてくれたことがありました。ところは、新潟一の料亭「鍋茶屋」の隠れ山荘。ひとしきり酒宴がたけなわになった後、庭に出るように即されました。見ると、築山の上から竹を二つに割った長い通路が作られていて、冷たい水が絶えず流れているではありませんか。銘々に由緒のありそうな茶碗が渡され、薬味とつゆを入れて待ち構えていると、上流から真っ白い素麺が清水と共に流れてくるではありませんか。酒に火照った身体に、冷たい、清らかな白い素麺がスルスルと入っていきました。なんとも粋な計らいでありました。ああ、素麺食べたい!

 
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2022年7月31日        昔の殺し合い 今の戦争

 一昔前までの日本での戦争は、刀や槍を使っての殺し合いでした。相手が朱に染まって倒れるのを見て満足していました。その内、爆弾や焼夷弾や原子爆弾まで使って大量虐殺にまで武器は進歩しました。今の戦争はどうでしょう。専ら、ドローンやミサイルが主役です。見えない相手同士との殺し合いです。

 いま、ウクライナ軍にアメリカ・ロッキード社が開発した新しいミサイル「ハイマースM142]が供与され、戦局はウクライナ軍に有利に展開し始めたようです。この新兵器は「フェニックスゴースト580」とも呼ばれ、射程は80キロから100キロ、100円玉の小さな目標にも狙い違わず命中して、大爆発し、相手を木っ端みじんにするそうです。しかも、宇宙衛星が相手の位置を正確にキャッチして電波を送り続けるため、狙われたら最後、逃げようにも逃げられないそうです。初めは4機ほどの供与でしたが、今は続々と海を渡り、ウクライナ兵は近くの国で、トリセツを受けているようです。昔の戦争と違うところは、このミサイルを発射してしまえば、80キロ、100キロ先の敵戦車や装甲車や作戦司令部に命中しても、こちらからは全くその結果を目で見て喜ぶことが出来ないことです。相手にしてみても、強力な火薬がどこからともなく飛んできて、気がついてみたら死んでいた、ということになるのです。これが今の戦争です。ドローンや、ハイマースを駆使して、見えない相手同士が殺し合いをする、そんなことをして何が面白いのでしょうか? 戦争とは大昔から不条理そのものの塊です。新兵器の出現により、近代の戦争は、益々、不条理だらけになってきました。両国の指導者に申し上げたい。見えない者同士が殺しあいをして、何が面白いのでしょうか? 覇権争いは両国にとって無益そのものではないでしょうか?いいかげんお互いに目を覚まして、手を握り合いなさい、と。 

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2022年7月30日         ポツダム宣言

 1945年8月26日、ドイツ・ポツダムに集まったアメリカのトルーマン、イギリスのチャーチル、中華民国の蒋介石、ソビエットのスターリンによって日本に対して無条件降伏を求める戦争終結勧告がなされました。もし、日本が即刻、受託していれば日本との不可侵条約を破ってのソ連の8月1日の参戦、8月6日の広島、9日の長崎の原爆投下はありませんでした。天皇も加わっての御前会議が何度も行なわれました。徹底抗戦を叫び、断固、反対したのは阿南陸将でした。

 もし、1945年の今日、ポツダム宣言を受託していれば、ソ連の参戦も、シベリア抑留も、原爆投下もなかったのです。歴史に「もしも」は禁物ですが、日清、日露戦争の勝利に酔いしれて、軍部の台頭を許しに、許してきた日本国民にも罪はあったと言うべきでしょう。重苦しい8月が明後日から始まります。数千万の日本国民の怨念が飛び交う8月です。ポツダム宣言の全文を改めて読み返しながら、深く、深く、頭を垂れましょう。

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日本の降伏のための定義および規約

1945年7月26日、ポツダムにおける宣言

  1. 我々合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣は、我々の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。
  2. 3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、日本国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。
  3. 世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合にドイツドイツ軍に完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。
  4. 日本が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた軍国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。
  5. 我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。
  6. 日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和安全正義の新秩序も現れ得ないからである。
  7. 第6条の新秩序が確立され、戦争能力が目的の達成を確保するため、日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。
  8. カイロ宣言の条項は履行されるべきであり、又日本国の主権は本州北海道九州及び四国ならびに我々の決定する諸小島に限られなければならない。
  9. 日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる。
  10. 我々の意志は日本人を民族として奴隷化し、また日本国民を滅亡させようとするものではないが、日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。日本政府は日本国国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである。
  11. 日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。
  12. 日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退するべきである。
  13. 我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。

2022年7月29日          ウナギ

 95歳まで長生きしている人たちの食生活を調査したところ、一番の好物で、よく食べられているのが「鰻」であることをユーチューブで知りました。ウナギには長生きに欠かせないビタミン・ミネラルなどの栄養素がギッシリ詰まっていて、その効果は上等の牛肉よりも高いそうです。しかし、スーパーで見かけるのは、ほとんど中国製であって、ニホンウナギはあっても値段がすこぶる高い。仕方なく中国製を買っては来るのですが、その場合、綺麗に洗って防腐剤を落とし、タジン鍋を使ってレンジで蒸かし直していただいます。

 遙か昔、江東6区を担当していたころ頃、会合はというと決まって柴又の料理屋「川甚」、「川千屋」でした。料理の止どめは食べきれないほどの大きさのウナギでした。朝日の社屋が築地に移ってからは、歩いて100メートルのところの料亭「吉兆」の隣に「ウナギの竹葉亭」がありました。客人があると、そこへご案内し、喜ばれました。私が贔屓にしていたうなぎ屋は築地の「大西」、神田の「中西」です。

 昔はそれほど高価ではではなかったウナギが、今は、なぜ、高嶺の花になっているのでしょうか? それは乱獲のせいだ、ともいわれています。彼らは交尾期になると河川を下り太平洋に出て産卵します。稚魚はシラスとよばれ古巣の川めがけて遡上します。その大群を日本はおろか、中国、台湾、韓国の漁船が先を争って大網にいれ、持ち帰り養殖します。その繰り返しのお陰で資源は次第に枯渇してゆきます。ウナギの値段が高騰する所以です。

 余談ですが、講談社が出した「日本の名随筆集」の中に、一介の主婦が書いた「うなぎ」という一文があります。一匹の生きたウナギをいただいた主婦が、バケツの中で七転八倒するウナギをまな板に乗せ、調理に至るまでの顛末を赤裸々に綴った文章です。これが実に、実に面白い。折に触れ読み返しているのですが、そのたびに、文章とはこう書くものか、と啓発されています。

 先週の土曜日が丑の日でした。久しぶりに近くのレストランでウナギをいただきました。痩せ細ったウナギでしたが「連日の猛暑、何するものぞ」に気分になれました。そうこうしているうちに、昨日は名古屋の知人からお中元のお返しにウナギが届きました。長生きの妙薬はウナギにあり、と知った以上、3日に一度は食べようと思います。たとえ中国品であろうと、綺麗に洗って、タジン鍋で蒸かし直して。  

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2022年7月28日         国威発揚の手段

 岸田総理が、なぜ、早々と国葬の決定をしたのだろう、と、つらつら考えてみると、彼が外務大臣をしていたことに関係しているでしょう?一国の国葬ともなれば、諸外国は放っておけません。世界各国の要人が日本に集まります。当然、アメリカのバイデンも来るでしょう。トランプも来たい、と言っているようです。フランスのマクロン、既に辞めているとはいえドイツのメルケル、G7で顔を合わせた首脳達のほとんどが日本に来るでしょう。ことによったら、ロシアのプーチンも参加するかもしれません。それにつれて、世界のマスコミは日本に集まるでしょう。「世界の目が日本に集中する」、 「日本国という極東の島国が国葬という形で世界の耳目を集める」、恐らく、9月の最終の週は日本が、世界の脚光を浴びる週間となるはずです。            岸田はそれを狙った、のではないでしょうか? 加えて、国葬の主催者となれば、その後の政治基盤は盤石となるかもしれません。安倍晋三の不慮の死を日本国を世界に再確認させる機会として捉える、こういう発想は彼が外務大臣経験者だったからでありましょう。だからといって、この考え方が日本国民のすべてに理解されるかどうか、となると、それはまた別問題であります。

 一方、各国の要人にとってみれば、極東の島国に行くのは迷惑な話ではないでしょうか? しかも、日本はいま感染拡大が急ピッチで進んでいます。感染者の数は毎日新記録を塗り替える状況です。医療崩壊も始まっています。会場の武道館は広く大きいとはいえ、集団感染がそこで起きない、という保証は全くありません。

 だから、だから私は声を大にして言いたい。日本として焦眉の急は、直ちに感染防止のための全国的な行動制限に舵を切ることであって、国葬云々ではないと言うことを。それが出来ないなら岸田総理に申し上げます。あんたには総理の資格がない、と。

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2022年7月27日          後遺症

 不幸にしてコロナに感染したとします。病院へ運ばれ、適切な治療を受け退院出来たとします。普段通りの生活に戻ることが出耒たでしょうか? いいえ、ほとんどの人は後遺症に苦しんでいるようです。余りの苦しさで、仕事に復帰したものの、離職を余儀なくされた人もかなりの数がいるようです。このところ、後遺症問題がマスコミにクローズアップされ始めました。これは、人ごとではありません。いつ、我が身がそうならないとも限らないからです。では、後遺症にはどんな症状があるのでしょうか? 列記してみます。

 発熱、咳、痰、呼吸困難、感覚過敏、倦怠感、脱毛、関節痛、筋肉痛、筋力低下、頭痛、咽喉痛、耳鳴り、意識障害、腹痛、下痢、皮膚湿疹、、、、

 このうち、最も多いのは筋力低下で50%の人がなります。続いて呼吸困難30%、倦怠感25%、味覚異常20%、睡眠異常20%、思考力の低下20%、筋肉痛18%、、、、いやはや、これははや、でありまする。

 普通の、働き盛りの健常者でさえ、一旦、感染してしまうとこれだけの後遺症に苦しむのですから、持病のある人や、高齢者は、一体どうなるのでしょう? ならば、死んだ方がマシ、と言えるのではないでしょうか?

 ごく最近、九州で列車の運転手が集団感染し、運転手不在のため列車の運休が続発しました。例え、回復したとしても、後遺症を抱えながらの運転では安心して乗っていられないではありませんか。これが、もし、パイロットの場合だと、、、、

 いま、感染拡大は日本中を覆い始めています。よしんば、感染から解放されたとしてもこれだけの後遺症と闘わねばならないことを、行政も、医学界も、そして私たち庶民の一人一人、安易に考えているのではないでしょうか。 

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2022年7月26日        行政の怠慢

 異常な早さでコロナの感染が拡大しています。ほぼ、すべての県で感染者の数は激増しています。感染者は病院には入院を拒否され、自宅待機を余儀なくされています。そのため、感染者の一家が治療も投薬もされず、入院の順番待ちを余儀なくされています。九州ではJRの運転手が集団感染したため、特急列車の運転が不如意になりました。医療従事者にも感染が拡大し、まともな治療が出来なくなっています。これらすべて、オミクロン株の変異BA5、BA4の変異種のせいです。

 ああ、それなのにそれなのに、行政は何ら手を打とうとしていません。いまこそ、全国民に対して行動制限を発令すべき時なのに、成り行きを見守っているいるだけです。私は怒りすら覚えます。今こそ、厳重な行動制限を国中に発令すべき時なのです。中国ですら、上海市に対して二ヶ月間の行動制限を発令し、感染拡大に一定の制御が出来たではありませんか。

 岸田首相よ、内閣の重鎮と目される大臣達よ、そして小池都知事と吉村大阪府知事よ、そして全国の知事や市町村の責任者達よ、君らの任務は経済の発展にあるのではありませんぞ、人の命を守ることにあるのですぞ。感染して医者にもかかれず、まして入院すら出来ず死んでゆく感染者を放置していて、何が行政の長ですか!私は、今こそ、戒厳令クラスの行政出動をすべきだ、と思います。

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2022年7月25日          検 疫

  タイ・チェンマイへ行けなくなって、既に3年が経っていますが、時々、「ああ、食べたいなあ」と思い出すのは、自分で揚げていたトンカツです。何故か、豚肉がとびきり旨い。こちらの豚肉と比較になりません。塊で買ってきて自分で裁くのですがそれもまた面白い。日本のスーパーで豚肉を塊で売っているところなどありません。ところが、彼の地では牛肉が全くダメなのです。品薄の上に値段は豚肉の3倍位もして、しかも、美味しくありません。インドが近いせいで、牛信仰があるからでしょうか? 魚もダメでした。海の魚はヨレヨレで、養殖魚が幅をきかせていました。近くにナマズ屋があって、こんがり焼けた一匹を薬草に包んで売ってくれました。薬草といえば強烈な匂いのするパクチー。一包み15円。慣れると病みつきになります。

 今朝のテレビの画面で、税関の職員が入国者のスーツケースを開けて、肉類を探し出す画面が写りました。食肉の入った製品は今は一切持ち込み禁止になっているとのこと。イスラム教徒のハラルでさえ肉が入っていれば没収だそうでした。つまらない時代になったものです。3年前までは、豚肉の大きな塊を冷凍してスーツケースの底に忍ばせて入国出来ていたのと何たる違いでしょうか。最も、違法と知りながらではあったのですが、、、、、

 
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2022年7月24日       夏の甲子園

 いま、夏の甲子園出場を目指して、県予選が盛んです。予選が行なわれている地方大会の球場には朝日の旗がはためき、高校球児たちの熱戦が行なわれています。旅ガラスであった私はどういうものか幸運に恵まれ、福島担当の時は磐城高校が、茨城担当の時は常総学院と取手二高が、北関東三県担当次長の時は、栃木県の作新学院が、営業局長として九州へ行っていたときは佐賀商業が勝ち、それぞれパレードに参加してきました。甲子園球場へは団体旅行で一度行っただけなので、もう一度行こうと張り切ってはいたのですが、コロナのお陰で果たせないでいます。ただ、心配なのは、今後の球児達のコロナ感染です。現状では、プロ野球選手や、相撲取りまでがコロナにやられています。日本ハムの新庄監督まで感染しました。晴れの県代表を勝ち取った球児達は、甲子園球場周辺の宿舎で団体生活を余儀なくされます。そのとき、感染が広がらないでしょうか?そうでなくても、阪神地区の感染者数は、このところ、うなぎ登りに増加しています。主催者としての朝日新聞社は何があっても大会を強行する積もりなのでしょうか? 中村新社長はどういう判断を下すでしょうか? 今からハラハラしています。私は心から祈ります。8月初旬の開会式から20日前後の閉会式まで、どうか、どうか、集団感染が起きないよう、高校球児達をお守り下さい、と。

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2022年7月23日         国葬決定

 昨日の閣議で、「安倍元総理の葬儀を国葬として9月27日に武道館で行なう」ことが決定された、との報道です。こうなった以上、この先、覆ることは、もはや、ないでしょう。誠に残念です。何度も言うようですが、この総理は国民のほとんどが、こぞってその死を悼む指導者ではありませんでした。長州出身の代々の家柄のお陰で祭り上げられ、ひいて言えば周囲のお陰で可もなく不可もなく、長期政権を、ただ、惰性で維持してきただけの、極く普通の政治家であっただけです。

 私の知る識者の多くは反対でありました。前川喜平さんなどは大反対でありました。不可解のは新聞論調です。疑問を投げかけることはしていましたが、積極的な反対の狼煙を上げた新聞社は見かけませんでした。一つだけ良かった、と思われるのは政界が思いのほか統一教会に侵蝕されている悍ましい実態が、明るみに出始めたことでしょうか。その点、犯人の山上元海上自衛隊員の暴挙と、一億円を統一教会に献金させられ彼の母親の惨めな姿は、日本中を覚醒させました。

 恐らく、この事件を契機にして日本における韓国統一教会の活動は下降線をたどるようになるでしょうが、「天網恢恢祖にして漏らさず」とはよく言ったものです。

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2022年7月22日          髭

 今朝のモーニングショウに昨年のショパンコンクール第二位の反田恭平がゲスト出演していました。相変わらず、鼻の下にちょび髭を生やしたままです。髪型も変わっていました。私は、どういうものか、髭を生やした男を好きになれません。功成り名遂げた俺を見よ、と言っているようでイヤなのです。ところが、中東のドバイへ行ったとき呆れました。男という男は、皆、髭を生やしていたからです。ユーチューブに時々、クルド人の踊りがのります。全員が一列に並んで手を組み、民族楽器に併せてステップを繰り返します。女性はすべて色白で、大柄で、肉感的かつ魅力的です。男性は、というと、きゃしゃな体つきですが、皆が皆、顔中を覆う髭を生やしています。男性の髭は女性の欲求から生まれたものに違いありません。だから、髭を生やしたピアニストの演奏には邪念が生じてしまうのでしょう。

 反田恭平は中学時代、題名のない音楽会にでて、指揮棒を振るったある意味での天才です。モスクワ音楽院で苦学し、ロシア女性と結婚し、ワルシャワでは既に音楽活動をしていました。審査員の多くは彼の影響を受けていましたから、ポット出の角野隼斗の演奏の方が優れていたにも拘わらず、第二位を獲得し、今頃になって日本でもて囃され始めました。しかし、日本のカワイのピアノで終始したことは、褒められていいでしょう。でも、私は、彼の演奏が好きになれません。強引で、繊細さに欠け、これ見よがしの演奏だからです。これ見よがしの演奏といえば、一昔前までは中国人の演奏家が世界的に幅をきかせていました。ランラン、カンカン、ユジャ・ワン、ギュウギュウ、などなど、、、、いま、彼らの軽業的演奏が全く世界から見放されつつあります。中国武漢に発したコロナの影響はこんなところにも及んでいます。

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2022年7月21日         感染拡大

 全国各地、コロナ感染者数は過去最大に達し、止まる気配が全くありません。原因の一つはオミクロン株がBA4、あるいはBA5に変異したためです。それに加えて人々の意識の低下があげられます。人々は、もう、耐えることに飽き飽きしているのです。加えて学校は夏休みを迎えました。観光地は大賑わいです。行政は何ら手を打とうとはしていません。しかも、医療現場は飽和状態に達しようとしています。

 私は3回目のワクチンを打ちましたが、4回目の通知があれば直ぐに行くつもりでいます。なかには、ワクチンは人殺しだという人もいますが、私の場合は全く副作用がありません。その上、可能な限り自己防衛に努めています。電車に乗ったのは囲碁の会で錦糸町まで行った、6月、7月の二回だけです。外へ出るのは買い物と外食の時だけ、それ以外は家の中に籠もりっきりです。寝る前には、何故か、クローブの実を三粒噛んで寝ます。殺菌作用があるからです。洗顔の時はイソジンで嗽をし、仏壇にお茶を差し上げながら、自分でも抹茶を一椀点てていただきます。お茶にも殺菌作用があるようです。朝食は納豆と目玉焼き、ゴーヤーの炒め物とご飯一膳。それにメイプルシロップとR1ヨーグルトが定番です。味噌汁、漬物はなしです。

 誠に変化のない、面白くもなんともない日常ですが、この生活態度によって、感染から守られてきた以上、今後もこれで押し通すしかありません。しかし、私が既に年金生活者だから出来るのであって、一家をなしている人々は、好むと好まざるに拘わらず人との接触を避けるわけにはいきません。世の中を回していかなければならないのです。感染を怖れて蟄居しているわけにはいかないのです。

 ということは、感染はこれからも拡大していくはずです。オミクロン株の変異は止まるところをしらないでしょう。当然、医療現場は飽和状態を迎え、やがては崩壊していくかもしれません。私には、第8波、第9波の惨状が見えて仕方がありません。

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2022年7月20日       中国の身勝手

 私の次男の娘「萌」、つまり私の孫の一人は、武蔵野美術大を卒後、京都の会社に就職しています。一時、折り合いが合わず、転職を考えたようですが、私は反対しました。京都に住めるなんてこの上ないチャンスであり、何なら、京大生と結婚してもらったらどんないいか、と思ったからです。その京都では、三年前に悲惨な事件が起きました。アニメの会社が埼玉県の男性により火を付けられ、36人が焼死しました。今もってその犯人は重傷を負い、三年目になるのに、裁判は行なわれず、いたずらに月日が経過しています。

 日本のアニメの技術は世界的にその名を轟かせています。それを良いことに偽物が世界的にはびこっています。その出所のほとんどは中国です。日本の作品を、あたかも自分が考えたように装って世界に流布し、巨万の富を得ています。中国共産党政府はそれを規制するするどころか、あたかも、当然のように認め、かつ、奨励すらしています。「鬼滅の刃」など、その際たるものでしょう。中国では著作権への尊重という概念が全くないのです。その論理的根拠は無いに等しいものです。ひいてあげれば、古に遡って、漢字や、仏教も、生活習慣も、日本は中国のそれを真似したではないか、というものでしょう。だったら、アニメの一つや二つ、ガタガタ言うな、と言いたいのでしょう。そうはいっても、現代には現代なりきの規範が存在しています。今の社会には著作権法という世界が認める法律があるのです。日本人が苦心して創り上げたアニメを、あたかも、自分が作ったように世界に流布して金儲けをしている現在の中国の風潮を憂います。

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2022年7月19日     平表(タイラッピョウ)山

 高校三年の夏、受験勉強そっちのけで谷川連峰縦走の登山に参加しました。長野を午後に出て上越線・月夜の駅前旅館に泊まり、一番のバスで四万温泉へ行き、そこから登り始めました。平表という2000メートル級の山ですが、結構、しんどかった記憶が鮮明です。山小屋の外は大荒れの天気です。寝静まったころ外に出て、遙か日本海側の街明かりや、関東平野の光の渦を見下ろしながら、「俺という人間は何者なのか」、「どこから来てどこへ行こうとしているのか」、「何をなすべきなのか」「何のため生まれてきたのか」、今、思うと、青春にありがちな疑問と向き合いました。仕舞いには月に向かって吠えた記憶が鮮明です。

 翌日は仙の倉(2021)、万太郎(1954)、大障子の頭を経て谷川岳(1963)小屋で一泊。そして、マチガ沢、一ノ倉沢を右に見て、残雪のある茂倉沢の雪渓をグリー制動で湯桧曽川まで降りてきました。緑が眩しい土合の駅で列車を待っていると、清水トンネルを抜けた列車が汽笛を鳴らして滑り込んで来ます。我々は反対側の列車に乗り込んで直江津周りで長野へ帰るのです。その時です。「俺は、どうしても東京へ行きたい、行かねばならぬ」という強烈な思いに襲われました。そして、そして、だから今日があるのです。

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2022年7月18日          ネオナチ

 その全体像を理解するのに困難な言葉に「ネオナチ」があります。第二次世界大戦後の政治活動の中で生まれてきた言葉です。この大戦で、ドイツに生まれ、極右民族主義を源流とする、行き過ぎた民族主義、超国家主義、極右過激思想だ、ということ位までは分ります。その動きがウクライナにもあったことも事実でしょう。しかし、それがロシアのプーチンを怒らせ、ウクライナ侵攻にまで及んでいる、大勢の民衆を苦境に貶めている、何故なのか? そこから解らなくなるのです。何故なら、極右過激思想は世界の至る所に存在するからです。フランスではマクロンと選挙で争った赤毛の女性候補もそうでした。中東のタリバンもそうです。イスラム至上主義を掲げています。ドイツでハーケン・クロイツを公共の場にもちだすことは厳禁されてはいますが、ヒットラー回帰の風潮は、意識の底流にあるようです。アメリカにもあるようなので恐れ入ったものです。

 ところで、原油、天然ガスなどを始め、物価の高騰をいいことに、世界の大富豪達が暗躍を始めています。戦争は彼らにとってビジネスチャンスでもあるからでしょう。見逃せない、面白いゲームでもあるからでしょう。GAFAの経営者やロシアの大富豪が、武器を提供してまで戦争を長引かせようとしています。神、いますならば鉄槌を下して欲しいものです   

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2022年7月17日      \11,550,000

 ピアノ一台の値段です。ヤマハでもカワイでもなく、ましてやスタインウエイでも、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインでもない、最近、世界に登場したイタリア製の「ファチオリ」というピアノです。このピアノが実に良い音で鳴るのです。優雅で、煌びやかで奥行きがある音で鳴るのです。このピアノを世に出したイタリアの製造会社は180年前から存在していたそうですが、最近、あることに気がつき、ピアノの心臓部に当たる共鳴板を変えました。イタリアのフィエンメ渓谷の高い緯度に生息する「赤トウヒト」にしたのです。この赤トウヒは、ヴァイオリンの名器ストラデバリウスに使われています。その結果、今までのピアノにはなかった芳醇で、明るくて、しかも、聴く人の心の琴線を揺さぶる音が出るようになった、というのです。

 昨年のショパンコンクールで優勝したカナダ人のピアニストは、最終選考でファチオリを使いました。日本でもこのピアノを使うピアニストが現れ始めています。それはユーチューヴでも確認できます。私は、私が日本で最優秀ピアニストとしている角野隼斗が、やがてこのピアノを使い出すのでは、思っています。一昔前までは、ヤマハ、カワイのピアノが世界にもて囃されていましたが、その時代は去ったようです。日本のピアノ製造会社に対して、イタリアの赤トウヒを超える共鳴板になる材木を探しに世界中を飛び回って下さい、と言いたいです。 

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