最近のエッセイ

2016年6月5日         緊迫する南沙諸島

 尖閣諸島もさることながら、フィリピン、ベトナム沖の領有権問題がにわかに緊張してきました。中国は岩礁を埋め立て滑走路を造り、ミサイル配備寸前までいっています。アメリカがそれを咎め、国務長官が「自重し、国際司法裁判所の裁定に従うように」と警告を発しました。すると、中国軍の最高司令官が出てきて「どこぞの国が我が国の主権を脅かそうとしている。司法裁判所の裁定など中国は加盟していないし、従う積りもない、無視する」と世界に向かって反論しました。折から、アメリカ、韓国、フィリピン、日本による軍事演習が韓国域の済州島で始まっています。日本の戦艦二隻が掲げる日章旗が、韓国側には刺激が強すぎる、として場所が変更になったほどです。

 戦争は得てして小競り合いから始まります。歴史は領土争いから始まる小さな戦争が、やがては大戦争に発展する事例を、イヤと言うほど見続けてきました。

 国と国といっても、そのやり口は広域暴力団と全く一緒です。山口組が分裂し名古屋と神戸の組織が反目し合っています。どちらかの幹部が殺されました。やがて、反対側の幹部も殺されるでしょう。そして、大がかりな殺し合いが始まるでしょう。

 共産党一党独裁の中国と、アメリカを中心とする民主主義連合は、今は言葉だけの応酬ですが、どちらかが一発ぶち込めば、ただちに相手側もそれ相当の一発で答えるでしょう。そして一旦は様子見です。当然、話し合いは決裂します。

 そして、核の雨になるかもしれません。その日は突然やって来るでしょう。

 中国の習金平がアメリカへ行ったとき、オバマ氏と非公式ながらこんな話を持ちかけました。私はこれをニューズウイークでみました。「アメリカは中南米、ヨーロッパ、オーストラリアを支配し、東南アジア、アフリカは中国が支配する。ご異議ありませんか?」 

 オバマさんは黙ったままだったそうです。

 

2016年6月4日           お金を持たない

 海外ではお金が大切です。万一に備えて現金10万円と1000ドルを首からぶら下げる袋に入れて絶えず持ち歩きますが、カード支払いの出来るとこではダイナースの国際カードとマスターカードで済ませます。預金口座とは全く別にしてあるので、帰国してから支払い請求書を詳しく見て、金額に間違いないことを確認してから、その金額を口座に入金するようにしています。幸い、大きな間違いは今のところありません。

 ところが最近は、レジで自分のスマホを翳すだけで支払いを手際よく済ませるのを見かけるようになりました。飲食店の支払いもスマホでしています。

 あるグループが飲食を済ませます。割り勘と言うことになりました。一人がレジへ行ってスマホで支払い、グループに戻ってスマホの計算機で割り勘の金額を計算します。割り出した金額を全員がスマホで彼の口座に振り込みます。即座に入金を確認し、そこでお開きになります。

 いま、こういうことが当たり前に出来るようになっているのです。ガラケー世代の人間には全く持って驚き以外の何物でもありません。

 中国の巨大な通販組織「アリババ」でも決済はスマホだといいます。現金送金、代引き、カード支払いなど余程でない限り使わないそうです。その傾向は世界では中国が最も早く、現金を使わない、いや、使えない社会になりつつあるようです。

 最近、中国を震源とするATM詐欺事件が発生しました。南アフリカの偽造銀行発行カードを使い、日本のセブンイレブンのATM機に、早朝100人が群がり存分に金を引き出すという事件がありました。被害額は、何と14億円を超えるといいます。防犯カメラは作動していても、犯人は変装しているので、捕まったのはたった二人だけです。中国人のこのグループは「してやったり」と紹興酒を浴びるほど飲んでいることでしょう。

 全く、腸が煮えくり返る事件です。中国人はどうして悪事に長けているのでしょう。日本の警察は舐められたものです。CPを駆使して他国にサイバー攻撃を仕掛ける仕事に従事している人数は中国は13万人を超えます。アメリカは5万人程度、日本は3000人と仄聞します。

 現金を使わない社会、武器を使わず、相手国のコンピューターに進入して破壊する戦争、そういう社会になりつつあることに、我々はもっと目を向けねばなりません。

 

2016年6月3日         編集後記(2)

  〈おーい、元気にしているかい? そちらの住み心地はどうですか?〉

  〈至って快適だ。毎日囲碁を打っている。困るのは定石集が無いことだ〉

  〈林海峰の本を送ろう。ついでに、あんたの追悼集も。どうすれば届く〉

  〈仏壇の前に置いて念仏を唱えてくれれば届く。追悼集?何だ、それ?〉

  〈あんたの一代記だよ。皆さん、七九年の生涯を褒め称えているぞ!〉

  〈止めてくれ、頼むから止めてくれ。恥ずかしくて、表も歩けやしない〉

  〈出てきて表を歩いて見ろよ。見てやるから。皆さん、飛び上るぞ〉

     ―数日後―

  〈追悼集見たよ。なかなか良くできている。俺って、凄い人だったんだ〉

  〈自惚れるな。美化されるのが世の常だ。でも、中江さん、良かったね〉

  〈プレスセンターにおられるのを感じ、お前を操作し、来ていただいた〉

  〈本はご家族みなさんに渡される。あんたはご家族と共に生きるのだよ〉

  〈ありがとう。お前が来たら盛大な宴を開いてあげる。なに、もう直ぐだ〉

  〈ヒェー、宴の準備、しなくていいよ。ついでに神さまに言ってくれ。

   私は、あんたには会いたいが、こちらの方が、まだまだ好きだ、と〉

 

2016年6月3日          編集後記(1)

 追悼集「宮沢恭人」のパソコン入力が、ようやく今日終わりました。大体出来上がっていたのを、PDFに加工し、宮沢君の長女恭子さんにメール添付で送ってあったものが、写真の入れ替えやら、文章の書き換えやらの朱が入って、昨日送り返されてきました。

 すべて指示された通りに加工し直し、やっと一応のものが出来上がりました。ツカを出すため活字ポイントを大きく、行間も十分に取り、写真の配置も吟味し、202ページの冊子になりました。9日には6人による第一回編集会議が築地本社の会議室にあるので、束見本を6部作って持参します。委員の皆さんがどんな反応を示すか楽しみです。

 本はこれまでに、自分のもの、人さまのもの、合わせて25冊近く作っていますが、その度に感ずるのはパソコンの有難さです。何でも出来てしまいます。作り始めて15年、パソコンという魔法の函のお世話になってきました。操作に行き詰ると月額3000円払っている「レスキューミー」に電話します。遠隔操作してもらって難局をきり抜けます。

 思えば、本作りは小学校時代に始まります。自分でお話を作っては一冊にしてきました。高校時代は登山日記を本にしました。押し花や、写真、地図、スケッチなどふんだんに入れました。少しもイヤにならないその作業の延長が、現在の私の本作りに至り、私のアンチエイジングに役立っている、と思うと感無量です。

 追悼集はほぼ完成したので、今日は編集後記を入れました。冥界との会話にしました。これは親友竹内二郎君の追悼集でも使ったものです。人生で最も仲の良かった二人の友の追悼集を私が作るようになろうとは、天の采配が不思議でなりません。

 

2016年5月30日         合格発表

 今日は女子医大へ行って、先日撮影した脳のMRIの診断結果を仰ぐ日です。ボケらしい兆候はないにしても、どういうご託宣があるかわかりません。おそるおそる主治医の宇野先生の前に座りました。難しい顔をしていた先生はパソコンで前回と今回の写真を見比べながら、やおら破顔一笑、「丈夫です。前回とほぼ一緒です。問題になる箇所はありません!」

 天にも昇る心地がしました。生きていく上で、その根源となる頭の中の組織に、異常がないことが立証されたのです。調子に乗って「あと、10年は生きられるでしょうか?」と聞きました。「大丈夫でしょう。ただし、今の薬を飲み忘れない限りは」

 今の薬とはプラザキサという血液を絶えずサラサラにしておく新薬です。12時間ごとに飲まねばなりません。体内の血管に発生する障害物を排除し、流通を良くするのは薬に頼らなければ、食生活を大改善しなければならないでしょう。この手の薬は初期にはワーファリンがありました。今は、一日一回の服用で済む新薬が爆発的勢いで処方されています。そのお蔭かどうか、日本女性の平均寿命は85歳から87歳に伸びた、と専らの評判です。

 今日、血液検査も同時にやりました。相変わらず腎臓の働きの数値であるクレアチニンの値が1,2でした。これは1,1以下でなければなりません。腎臓の働きが若い時に比べて50%以下になっていることを示すものです。いつも高い中性脂肪値もやっぱり高く250の閾値を大幅に越えていました。

 初期糖尿病が始まっていること、腎臓、膀胱はガンではないにしても、前癌症状であること、そのためには、カロリー摂取を控えること、塩分を過剰に摂らないこと、つまり痩せること、少なくとも10キロは減らしなさい、と宇野先生はノタマイました。

 しかし、「解っちゃいるけど止められない」のが私の悪いところです。外で飲みたいのを我慢し、家に戻り、コップ一杯の芋焼酎を目の高さに上げ、遥かチェンマイのドッケオに感謝の思いを伝えられないのを歯がゆく思いながら、独り、乾杯をしているところです。一杯が二杯になりそうです。

 

2016年5月30日          客 家(ハッカ)

 パナマ文書に記載されている名前が最も多いのが中国の25000、香港の13000、台湾の3700となっていて、日本の400とは比較になりません。なぜ、こうなのか? 不思議なのでいろいろ調べてみました。驚くべき実態が分かってきました。

 それは東洋のユダヤ人とも云われる「客家(ハッカ)」の存在です。

 中国は広く様々な民族が入り乱れています。古代中国を構成した漢民族の中に極めて優秀な一団がありました。広東省、福建省、江西省の山岳地帯に住み、その優秀性のお蔭で時の政治と深くかかわってきました。そして同族のための利益誘導を公然と行いました。太平天国の洪秀全がその嚆矢です。中華民国の初代総統になった孫文は夫婦ともハッカです。孫文夫人は宋慶齢です。蒋介石の妻宋美齢もそうです。初代元帥朱徳、そして、市場経済を導入した登小平がそうです。首相であった李鵬もそうです。そして、何と現在の習金平もハッカの出身です。

 ハッカは国内に飽き足らず、海外にも進出します。それが華僑です。華僑は東南アジアのみならずアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアまで進出します。つまり、出稼ぎ人ですから、その国に対して愛着がなく、金目当てのためだけに政治の実権を握ります。ただ、そういう人ばかりではなくその国のために最大限の努力をした英雄もいます。シンガポールの立役者りー・クアン・ユーがそうです。現首相のリー・シエンロンがそうです。台湾の立役者李登輝もそうです。フィリピンのコラソン・アキノ、ベグニノ・アキノもそうです。道理で南沙諸島での中国の振舞いに強い姿勢がとれないわけです。インドネシアの現首相もハッカです。道理で日本は新幹線工事の入札に負けるわけです。チナワット家というハッカがタイ国にも存在します。タクシン元首相、インラック現首相のルーツがハッカです。タイ国の鉄道建設に功労のあったハートヤイさんもハッカでした。ハッカはアメリカやハワイにもゴロゴロしています。サンフランシスコ市長がその例でしょう。

 ユダヤ人はその結束が固く、同族意識の高いことは世界的に知られていますが。イスラエルを含めて人口は1200万人といわれます。ハッカの人口は何と1億2000万人です。中国人口の約一割、日本の人口に匹敵します。人口が少ないゆえに虐げられていても、この人たちが所有する富は、恐らく世界の半分以上であるかもしれません。極めて優秀な頭脳の持ち主であるが故に、その富をタックスヘイブン、つまり、税金逃れをもって常套手段にするのは極めて当然であるかもしれません。

 過日行われたGセブンでは税制の強化によって、タックスヘイブンを見逃さない方針を打ち出しました。しかし、国家がどんな規制を引いても同族的結合組織を打破できるでしょうか? 資本主義は富めるものを更に富ませ、貧しきものを更に貧しくします。

 パナマ文書関連を勉強するにつれ、底知れぬ暗闇が分かってきました。暗澹たる気持ちです。

 

2016年5月28日            映 像

 紛失した、と半ば諦めていたカメラがヒョンなところから出てきました。ブログに載せるには既に色あせていますが、まあ、見てやってください。

大河内山荘

これは3月1日朝日同期入社の傘寿の会の翌日行った、嵐山の大河内山荘です。天龍寺の脇道の竹林を登り切ったところに位置しているのですが、此処の庭が素敵です。幸い、観光コースから外れているため、私一人で抹茶を頂きながら散策出来ました。恐らく25回目です。(3月2日)

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九州平戸の、だらだら石段を登り切ったところにフランシスコ・ザビエル教会がありました。手前は由緒ありそうな天台宗のお寺です。鎖国時代に唯一解放されていた平戸の港から、キリスト教は天草に広まり、隠れキリシタンを生みました。先人のご苦労が偲ばれます。(3月19日)     

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今から500年ほど前、ザビエルはこの平戸に上陸しました。秀吉による禁教令が発布されるまで、たった一人の宣教師の力が人々を揺り動かしていきます。旧約時代を含めて3000年の歴史を刻む西洋のキリスト教に比べれば、日本はまだ、揺籃期にある、と言えるのではないでしょうか。(3月19日)

常磐道をひた走り、福島湯本へ行く前に、茨城県大津港の岡倉天心六角堂へ寄りました。天心の子は岡倉古士郎、その孫が岡倉徹志。彼は早稲田時代の同級生でした。毎日新聞の記者になりましたが、辞めて金沢に住んでいるようですが、音信は途絶えたママです。(4月1日)

福島市の郊外に、花見山という花の名所があることを初めて知りました。全山が花に埋まっていました。桃源郷を感じまた。なんでも、この地区の豪農安倍一族が三代に亘って近隣の山のすべてを買い上げ、春の樹木で花を付けるすべてを植え込み、丹精を込めて創り上げたというものです。

山を登り詰めたら、レンギョウが満開でした。初対面でしたが、元福島民報記者小林福壽さんが案内してくれました。元民報社販売局長江花さんとは友達でしたが、小林さんは江花さんと仲がいいとのこと、不思議な出会いを感じました。ここは、吉野山より凄いところです。是非どうぞ。(4月1日)

福島双葉原発の隣町、夜ノ森の桜を今年も見に行きました。ゴーストタウンの桜は、まだ三分咲きでしたが、シッカリ頑張っていました。昨年と同じように溢れ出る涙を堪えることができませんでした。生きている限り毎年来ようと思いました。(4月2日)

4月12日から5月6日までチェンマイでした。中古のニッサンマーチを手に入れ、200キロ離れたチェンライに向けてひたすら走ります。途中の温泉で足湯に浸かりました。中国人の団体客で溢れていました。タイにいて日本人と遇うのは極めて稀になっています。どうしてでしょう。(4月26日)

チェンライからミャンマー国境のメーサイに向かう途中に王室植物園があります。その入り口の出店で、日本にはすでにない、ヘチマの垢すりを10バーツで買いました。桑の実や自然薯も買いました。ドリアンもふんだんにありました。毎日ドリアンを食べました。あの臭いが好きです。

この時期のタイ奥地では火焔樹とゴールデンシャワーという黄金色の花房の樹が全盛となります。チェンマイーチェンライを結ぶ18号線の沿道は時としてその並木道になります。しかし、舗装道路とはいえ、200キロの往復の運転は容易ではありませんでした。(4月28日)

王室植物園は見事でした。この辺りを右折し北上すると、タイ、ミャンマー、ラオスと国境を接する「魔の三角地帯」へ入ります。距離にして80キロ。行きたかったのですが、次回にしました。三年前にツアーで入りましたが豪華なカジノが3つもありました。麻薬地帯です。剣呑、剣呑。

18号線にはこの花の樹だけの並木もありました。100本近くが植わっていました。壮観でした。ハワイと緯度を同じくするチェンマイの良いところは、一年中花が絶えないことです。ブーゲンビリアも、ハイビスカスもそしてあらゆる種類のランが咲き乱れています。美しい街です。

2016年5月27日         抱きしめる

 広島の慰霊碑の前で、オバマ大統領は献花し、数歩下がって直立のまま眼を閉じました。頭を垂れる動作はしませんでした。しかし、被爆者たちの前で立ち止まり、話しかけ、その老人を自然の動作で抱きしめました。その写真は恐らく全国の新聞は一面で大きく掲載したでしょう。朝日新聞もそうでした。

 単純な脳細胞の持ち主である私は、涙が出そうになりました。広島、長崎の40万近い死者の魂を加害国アメリカの大統領が抱きしめたのです。

 世界の論調は好意的でした。ワシントンポストでさえ、この訪問の意義を大きく取り上げました。ガーデアンも、フィガロも、大統領が発した核廃絶を訴える長い文書や、広島での17分の演説を大きく報道しました。

 唯一、中国は違いました。中国の外相や報道官は核廃絶については一切言及せず、「日本は南京事件の加害者であることを、永久に忘れてはならない」 とお門違いの発言を半ば憎々しげに言い放ちました。更に「南沙諸島に対する非難は、中国の主権を侵すものであって断じて容認できない」とG7の決議を非難しました。ちなみに、核弾頭の保有数はロシア7300、アメリカ6390、中国260、パキスタン120、インド121、イスラエル8、などです。ミヤンマーと北朝鮮は全くの未知数です。

 中国の核弾頭保有数は今のところ260程度ですが、各国が保有数削減を少しずつでも進めているのに、中国だけは量産、量産に励んでいます。30万人の兵士を削減するその見返りが核の保有数をアメリカ並みにすることだ、と言われています。

 中国の動きは不気味です。常識が通用しない国になっています。憎しみは日本及び日本人に向けられ、このところ習金平の独裁化が目立ち始めました。報道管制が徹底的に行われ、人権擁護派はしょっ引かれて監獄行きです。その上、教育が「悪の権化日本」で徹底しています。そのため、青少年の殆どは日本、及び日本人が嫌いです。ということは、やがては13億人が日本嫌いになっていくのです。

 あと、7か月でオバマが去り、トランプの時代になるでしょう。日米同盟は崩れアメリカは日本、韓国の核武装を容認するでしょう。核廃絶を訴える日本が、中国の脅威に立ち向かうため核武装に踏み切る、そういう時が間もなくやってくる、と私は睨んでいます。中国に民衆革命が起こり、共産党一党独裁が倒れない限り、今の中国の覇権主義に対抗する手段がないからです。

 閃光と爆発が眼に見えるようです。私の墓も一瞬で崩壊するでしょう。これは世界の終りであり、聖書に書かれている予言が成就するためです。

 オバマ大統領の抱擁、これは歴史の中の一時の慰めでありました。でも、何はともあれ、さしたる事故もなく、サミットの皆さんは上機嫌でお帰りになりました。

 まずは、目出度し、目出度し。 

 

2016年5月25日        アワビのステーキ

 伊勢・志摩の賢島で、明日から世界7か国の首脳が集まってサミットが開かれます。地球の東の果ての小さな島に集まって、「何やらもっともらしい」ことをやるのは正に劇的といっていいでしょう。ついでに、伊勢神宮へ行ったり、オバマさんは広島へ行ったりご苦労さまですが、是非、日本らしい雰囲気に接していってもらいたいものです。恐らく、明日の晩は7人揃っての会食でしょう。厳選された伊勢海老の踊り食いとなるでしょう。そして御もてなしの最大の目玉は「アワビのステーキ」になるでしょう。

 これは、いまは30年も昔、高橋さんというホテルシエフが考案した、美味中の美味です。山崎豊子原作の「華麗なる一族」の冒頭にも、揃ってこれを食べる場面がありました。

 今から19年前、私は朝日新聞を退職しました。すでに退職の一年前に朝日学生新聞社へ出向し、その後6年間、専務、社長を務めるのですが、退職金の内150万円を伊勢志摩、賢島、奈良の旅に当てました。皆さんに感謝する会にしたのです。母親と私たち家族5人、母親の妹とその長男、次男夫婦、義理の嫁の貴子さんと、私の従妹で独身の久美子、総勢13人。天井の高い大広間はシャンデリアが煌々と灯り、銀の器が輝きます。アワビのステーキが運ばれました。「どんな味だった?」と問われても説明できません。シエフの高橋さんが現れました。感謝の拍手が盛大だったことは覚えています。

 恐らく明日の晩、7人はアワビのステーキを堪能されるでしょう。サミットでは財政出動を一斉にやるかどうかが焦点のようですが、7か国が纏まるわけもなく、どうせ、懇親会なのですから、日本の美味しいものを食べ、伊勢神宮の静かな佇まいの中に身を投じ、養殖真珠をお土産にして帰ってもらえばそれでいいのです。

 特筆すべきはオバマ大統領の広島訪問です。核廃絶をぶち上げてノーベル賞をもらった以上、当然と言いたいところですが、アメリカでは「原爆のお蔭で、もっと多くの日本人、アメリカ人が死ななくて済んだ」という逆説的論理がまかり通っています。それを考えれば、今回のオバマ大統領の決断は「英断」だとも言えるでしょう。

 何ら事故やテロが起きず、サミットの皆さんがお静かにお帰り下さいますよう、祈るや切です。

 

2016年5月24日         絶食礼賛

 お腹の調子に少しでも異常を感じる時は、私は絶食という手段を取ることにしています。7,8年前に大腸憩室症で3,4日入院したことがありました。点滴による栄養補給以外は、口から入れるものは、水以外すべてダメでした。その時、食物を胃に入れないでいると、身体が旺盛になり、頗る気分が良くなるのを経験しました。それ以来、何かあると断食を挙行します。

 秋葉原はどのショップも外国人で溢れかえっています。そこに勤めている三男はマスクを離さず、嗽も欠かさず自衛していますが、雑菌は容赦なく高齢者の私メを襲います。昨年の7月末から8月にかけて熱中症と感染症の異常合併で救急車騒ぎになった経験から、数日前から異常を感じた私は断食で対応しました。

 昨日の朝、甘夏ミカン一個とヨーグルトを摂ってから、28時間後の先ほどまで一切の食物を摂らず、毎夕恒例の一杯の焼酎も、ただ眺め、ミネラル水だけで過ごしました。体調は極端に回復しました。身体というものは、過保護であるよりも、少々慌てさせた方が細胞が活性化するのかもしれません。

 昼食の献立は、北海道の間宮君が送ってくれて冷凍室にワンサと入っているグリーンアスパラのバター炒め、高橋君が大原の別荘で栽培して送ってくれたソラマメのうでもの、豆腐とホウレンソウの味噌汁、付け合せは生姜の佃煮、それに、少量の魚沼コシヒカリご飯。デザートは長野のNさんから今朝届いた小包の中の、ウグイス豆の佃煮と黄な粉の捻じりん棒。

 絶食の後のせいか、食物の味がシミジミ分かり、旨いなあと芯から思いました。一週間に一度、24時間絶食をやろうかな、どうしようか、と思っているところです。

 

2016年5月23日           税 金

 3月末日に申告した私の確定申告について、練馬東税務署から電話がありました。「あなたの申告に間違いがある。火災保険の控除は5万円であったけれど今は地震保険だけで4万円が限度である。証明書添付が無いので認められない」「あ、迂闊でした、訂正してください」 今日もまた税務署から電話がありました。「寡夫控除は扶養家族がいない場合は控除できない」「あ、迂闊でした、訂正してください」同居している三男が秋葉原のフィギア店で働きに出てかれこれ二年経過しました。だから、控除を申告しなかったのです。不思議なことに昨年まで、寡夫控除は扶養の申告してもしなくても通っていました。練馬区から特別区民税6万円を滞納していると電話がありました。国民保健課から高齢者医療保険の一部滞納を指摘されました。厚生年金から天引きされていたのに、ある期間だけ納付書に替わっていたらしいのです。その額26万円。固定資産税は年額32万円です。一期分の督促状が来ました。自動車税の通知も来ています。分からないのは介護保険料です。年金から高額が天引きされています。介護だけは受ける積りはない、とそれなりに死に場所を考えて行動しているのに、有無を言わさず天引きされます。

 三世帯入居のアパート賃貸料収入は、本の製作費用と共に「有限会社中沢商事」で確定申告していますが、5月末日までに決算書を作り確定申告しなければなりません。こちらの方は最初の出発が練馬区民商に税務をお願いした関係からか、人頭割の支払いで済んでいます。

 まだあります。火災保険と自動車保険の更新です。それに、5月31日には練馬警察へ出頭せよという通知が来ました。交通違反7000円の支払いです。昨年10月、林さん、高田さんご夫妻を乗せて運転中、右折禁止の罪を犯しました。

 生きている以上、税金、公金の支払いは免れないところです。それは分かっていても支払ったお金が役人どもの豪遊や賃上げに使われるのを思うと、心ならずも「コンチキショウ!」と思ってしまいます。私が収めた金が、枡添要一が食べた回転ずしの代金であったかもしれないと思うと、私も「パナマ文書」したくなりました。

 

2016年5月21日        恥を知らない悲劇

 日本には古来から武士道という文化があります。それは恥を恥とする思想であります。恥辱を受けた場合それを良しとせず、決闘に及ぶ例もありました。自分の行為に迂闊にも恥があった場合は、それを知った段階で切腹に及びました。

 その日本独特の「恥の思想」を書いた名著があります。新渡戸稲造の「武士道」です。英訳され世界中で読まれました。古くは「菊と刀」という名著もありました。

 東京都知事はいやしくも世界にかんたる1300万都民の代表者です。完全無欠の人間である必要は全くないにしても、代表者である以上、人間として尊敬できる人でなければなりません。少なくとも、恥を知る人間であってもらいたい、それが東京都都民の願いではないでしょうか。

 石原慎太郎は都知事として功罪相半ばでしたが、少なくとも恥を知っていました。副知事から上がった猪瀬直樹はわが長野高校の後輩ですが、5000万円に魔が差し、略式起訴に終わりましたが、それを恥として自ら退きました。

 東大を卒業し、厚生大臣まで務めた以上、「武士道」を知らなかったとは言わせません。甚だしい公私混同ぶりを、マスコミから囃し立てられても、1300都民の98%から「われらの代表でいて欲しくない」と言われても、自らの恥を恥ととできないでいるばかりか、言い訳に終始し、更なる恥の上塗りをしている、何とも悍ましい昨日今日。

 これはもう、悲劇を通り越して喜劇になりつつあります。

 その人の名は? 舛添要一。

 

2016年5月20日        知力と体力

 18日は東京女子医大での、頭のMRI検査と囲碁の「八重洲会」が重なりました。午前中早目に家を出て、何とか頼み込んで12時までに検査を終了し、川崎の囲碁会場に向かいました。毎年一回、頭の断面写真を撮ってもらい、宇野医師から「初めの頃と変わりないわね」と言われて悦にいるのを慣例として来ているのですが、果たして今年はどうでしょうか? 診察日は今月30日です。少なくとも、「オカシイかな」という自覚症状は全くないのですが、憂うべき結果が囲碁の会ででました。一勝三敗に終わったのです。宮沢名人亡き後、私が最強者なのですが、まさか、三敗するとは!

 翌日は11人の高校同期生とのゴルフ「北7春秋会」でした。埼玉の石坂ゴルフ場は新緑に燃え、それに、雲一つない絶好の日和でした。何と、前回は優勝したのに今回は最下位でした。球が上がらない、ミスショットの連発、ほとんど歩いて回ったその疲れ……身体がいうことを聞かなくなったのです。情けないやら悔しいやら……

 私は体力と知力を鍛えなおさねばなりません。それをイヤというほど知らされた二日間でありました。

 

2016年5月16日         出ました

 今朝の朝日新聞は2面全部を使って、パナマ文書について報じました。

 大見出しは「パナマ文書怒り拡大」、小見出しは「新たに豪首相の名」、「薬物、武器の密売関連も」とあります。

 写真入りでロシア・プーチン、英国・キャメロン、中国・習金平、アイスランド・グンロイグソン、アルゼンチン・マリク、オーストラリア・ターンブルらの言訳を載せています。更にパナマ文書に登場する個人企業の株主らの人数も載っています。ロシア4100、アメリカ3600、台湾3700、中国25000、香港13000、日本400…

そして、次の会社の言訳も掲載しています。伊藤忠、ソフトバンク、丸紅、楽天、セコム、UCC…

  ーータックスヘイブンの実態を明らかにした「パナマ文書」の中から、21万余の法人やその株主らの名前や住所が公開されてほぼ一週間。新に名が挙がった為政者らに厳しい目が向けられた。闇経済の影もちらつき、「不公正な税負担」への怒りは更に広がる。各国政府は対策に乗り出したが、タックスヘイブンは各国経済と深くつながる。資産隠しの「抜け道」を封じるには時間がかかりそうだーー と記事は結んでいます。

 記事は編集委員の奥山俊宏と寺西和男記者によるものです。

 まあ、月並みの記事ではありますが、これからどんどん深化していくでしょう。次回を期待することにしましょう。ここで驚くのは、中国の25000件、香港の13000件、台湾の3700件です。徹底的な報道管制が引かれているやに仄聞します。新聞も雑誌もパソコンもその一切が機能を失っているそうです。然るべき文字を打ち込むと画面が真っ黒になるそうです。ちなみに中国文字でパナマ文書と検索してみました。画面に現れるのは「見当たりません」でした。

 今後、世界がどんな反応をみせてゆくのか。面白くなりました。

 

2016年5月15日         解せない

 きゅうりに似たゴーヤーは南国の特産です。日本でも一時、ブームになりましたがあの独特の苦みが災いするせいか、今は限られた店にしかありません。冬季は小さなものでも一本250円しました。病みつきになっているせいで、それでも買ってきました。

 タイ・チェンマイの青空市場でも、ゴーヤーを見かけるのは稀です。でも、空港の小さな店にはいつもあるのです。今回も6本買ってきました。大きくて、新鮮そのものが一本15バーツ(45円)でした。毎朝、半身をスライスし、オリーブ油で炒め、ナンプラーで味付けし、卵二個を加えて炊き立てのご飯の上に載せていただきます。美味いのなんの。

 帰ってきて一週間、朝食は毎日これです。あと、一本残っています。

 10日に発表されたパナマ文書の詳細は一部ネットで公にされたものの、今もって、新聞も、雑誌も、テレビも、大々的に報道をしていません。読売新聞など全く紙面で触れていません。資本主義そのものを揺るがす大問題なのに、どうしたことか、報道機関は口を噤んだままです。

 一体、何がそうさせるのでしょうか?

 日本の言論機関は死んだのでしょうか?

 それとも今は、一時、死んだふりをしているのだけなのでしょうか?

 大きな横槍が言論機関に入ったのではないか、と私は勘繰ります。言論機関の存続、つまりその生死を脅かすブロウが入ったに違いないと、憶測する以外にない、と想像逞しくします。如何に合法であろうとも、国民の義務である税金を逃れて、私腹を肥やす制度は人倫に悖る行為であるのは万人が認めるところです。その行為を是認し、富裕層と貧困層との格差の拡大に目を瞑ろうとしている現代社会!

 世界は資本主義の終焉を予測し、怯えているのが現状なのです。だから、報道管制をかけているのです。中国はその最たるものです。

 税金回避を合法であるという認識の元に、言論弾圧を組織的に強圧的に行う大きな一つの勢力!それは一体何者なのでしょう?

 本来、この問題は国会が扱う性質のものです。野党は何を恐れているのでしょうか? それに、もっと大きな問題は、国民がこの理不尽に対して声を挙げて然るべきなのに、声を上げないことです。

 私は信じます。会社、個人を問わず、やがて、言論機関が動き出すことを。読売はともかく、ブロック紙、地方紙、そして、朝日新聞が一大論陣を張って動き出すことを。恐らく検証するのに一年はかかる筈です。でも、やってくれるでしょう。そうでなければ、私は死んでも死にきれません。 

 

2016年5月12日         いかなご

 宮沢恭人追悼集は、寄稿者の原稿はあらかたパソコン入力し、後は、ご家族の原稿と写真の入力をするばかりとなりました。午後遅く、世田谷のお宅を訪ねました。几帳面だった彼が残したアルバムの中から、相応しい写真を選ぶ作業は大変でしたが、懐かしい写真も多く、時を忘れました。

 一段落して、奥さんが「これは珍味」と言って揚げて下さったタイの切り身の天ぷら、二階にお住まいの長男のお嫁さんが持って来て下さった茄子の酢漬け、若鳥の煮つけ、エンドウのシラス和えを頂いて帰途につきました。宮沢君が柱の陰にいて、「いいか、御馳走したんだからいいもの創れよ」と言っているような気がしました。

 「大丈夫だよ、宮さん、これは、という追悼集をつくってあげるから」

 いただいたお土産の包みの中に「いかなごの佃煮」の一件がありました。これは知る人ぞ知る珍味であります。春から夏にかけてのこの時期、瀬戸内海に面する淡路島、兵庫県では、人は争っていかなごを買います。キロ当たり500円ほどですが、殆どの家は10キロ、20キロと買って、その家独特の味付けでいかなごの針煮を作ります。冷凍保存し、一年中食卓に供します。江戸前の小女子の佃煮、京都のちりめん山椒と同じ性質を持つ古くからの郷土食ですが、私は、どうしたことか、食べたことがありませんでした。一種の飴煮ですからご飯とはマッチするはずがないと思い込んでいたのですが、朝はお茶漬け、昼は炊き立てご飯、夜はお酒のつまみでいただくと、それぞれ滋味があって、成程、と納得できました。

 そういえばこの時期、駿河湾では釜揚げシラスです。ご飯に目いっぱい乗せて掻き込むのです。茨城や福島の海岸ではメヒカリです。富山湾ではそろそろ白エビでしょうか。追悼集の製作に疲れたら、車を飛ばして、珍味を訪ねるのも一興です。

 

2016年5月11日           拍子抜け

 朝早く起きて、朝刊を開きました。リストの公開があると思っていたのに、それが無いのです。拍子抜けしてしまいました。そして、成程と思いました。事は個人及び会社にとって生き死にに係る重大事です。個人情報の報道に当たっては慎重の上にも慎重でなければなりません。かつて世間を揺るがせたリクルート事件は、朝日が仕掛けたものですが、ハッキリとした傍証を取って報道していました。それが、調査報道の原則です。

 一方、ネットでは日本の会社、及び日本人とみられる名前の羅列が見られます。JAL,ホンダ、トヨタ、ニッサン、NTT,ソフトバンク、NHK,イオン、楽天、三菱商事、三井物産、丸紅、日本紙パルプ、東レ、みずほ銀行、三井住友銀行、大日本印刷、ソニー、パイオニア、オリックス、東海大学、大宗建設、ドリテック、トキワ、ジー・モード、野村証券、大和証券、アーツ証券、山一ファイナンス、バンダイ、サンライズ、ドワンゴ、ライブドアー、ユニクロ、ジャフコ、日本郵船、三共製薬、シャープ、セコム、ワタミ、マルハニチロ、サントリー、ダイキン、タニタ、ロッテ、住友金属、サトウテック、ニッケイ、などの名が挙がっています。

 もし、これらの企業が正当な税金を日本国に収めていたらどうなるか? 消費税などいらなかったでしょう。介護福祉士の給料は上がっていたでしょう。最低賃金法は改正されていたでしょう。日本国全体がもっと豊かになっていたでしょう。国家財政における国民一人当たりの借金826万円は軽減されていたでしょう。

 朝日はなぜ、いわゆる世間並の発表をしないのでしょうか。そこに、朝日の並々ならぬ決意を私は感じます。資本主義の根幹を揺るがす重大事件と捉えているからです。速報するより、ことの本質を間違いなく捉え、傍証を固めてしかる後に公表するという態度を貫くことにしたのです。敢て、ミーハー的な速報態勢を取らないところに、朝日の重大な決意を伺い知ることが出来ます。

 成程なあ、と思います。恐らく、一社ずつ、一個人ずつ、丁寧に傍証を固め名誉棄損にならないようにあくまでも慎重に、そして、長期に亘って取材をつづけ記事にしていくでしょう。それでいいのだ、と私は納得しました。

 

2016年5月9日                        いよいよパナマ文書

 資本主義の悪しき「からくり」と言えるパナマ文書が10日の未明、全世界に公表されます。今日の朝刊で朝日新聞は、実態解明とその追跡調査の困難さなどを紙面化しました、NHKもとりあげました。今週の週刊現代も予想される個人、会社などの一部を載せています。

 国家のため、社会のため、国民のため、と口先では綺麗ごとを言いながら、人間としての義務である租税、税金を逃れている会社や個人が何と多いことか!

 そういう輩が最も多いのは中国人であることが次第に分かってきました。金額的には第一位がアメリカ、第二位が日本であることも分かってきました。

 膨大な秘密文書のカラクリの解明には、世界のジャーナリスト400名が当たっています。日本では朝日新聞、共同通信だけが参加出来ています。毎日も読売も産経も参加を見送っていたため、記事は共同から買わねばなりません。

 朝日新聞は一昨年から続いている慰安婦問題の汚名を返上するチャンスに恵まれたことになります。あらゆる反対勢力からの妨害を退け、公明正大に一つ一つの事実を検証し、事実を事実として公表に踏み切ってもらいたい、そう願うのは私だけではない筈です。今日の夕刊と明日の朝刊が待ち遠しくてなりません。

 今日、私は10年来続いてきた家の安全のためのセコムとの契約を解除する旨の電話をしました。セコムの社長が700億円の利益隠しをしていたからです。その中には私の月額一万円、合計120万円が含まれています。理由を聞かれましたが、引っ越しのため、とだけ言いました。最も、この家はいずれ次男一家に住んでもらいます。私はやがていなくなります。それに、考えてみれば泥棒が入っても目ぼしいものは何もありません。泥棒は拍子抜けするでしょう。突然倒れることがあっても、それは望むところです。預け入れ金の数万円が戻ってきます。その金を朝日の現役諸君に贈って、「死にもの狂いで頑張れ」という積りです。 

 

2016年5月8日          今日は母の日

 私には二人の母がいました。実母の中沢志づと義母の伊波マツです。志づは10年前に93歳で、マツは17年前に91歳で没しましたが、二人の生涯は太平洋戦争をはさんで、波乱万丈の生涯であったと言えるでしょう。今日は母の日です。今更ながら二人があって今の私がある、と思えてなりません。

 昭和20年、3月10日には東京の下町が大空襲に遇い焼野原になりました。5月25日、中野区新井薬師のわが家も空襲で焼けました。母は、福島に集団疎開していた国民学校2年生の私を迎えに来て、母の実家がある長野市で仮住まいを始めます。洋裁が堪能であった母は人様の洋服を縫って私を育てます。後に、東京渋谷の服部洋裁学校の先生になりますが、高校を出てからは、私は一切の仕送りなしで浪人1年、大学4年、単位が足りずに留年1年の後に朝日新聞社に入社します。東京椎名町で一時一緒に暮らしますが、ゆえあって佐藤正男氏と再婚します。佐藤氏は東京都庁で会計課長を務めた退職者で58歳、母は48歳でした。当時は海外旅行の走りで、二人して世界一周旅行までしました。正男氏が書いた「地球は丸かった」という本を私は朝日新聞から自費出版させました。後妻に入った母は二人の先妻が残した男の子にそれぞれ配偶者を配します。孫6人が出来ました。ところが、日大を出て調布市役所に入った先妻の次男が不祥事を起こし椎名町の家が抵当に入り、明け渡しを余儀なくされました。清瀬の団地で私の従妹で独身の久美子と暮らします。都庁の年金のお蔭で死ぬまで私の世話にはなりませんでした。車椅子の母を1週間に一度病院通いさせるのですが、その度に「お前、お金はあるかえ?」と言われるのには参りました。

 義母のマツは4人の女の子の母として、戦時中、沖縄からパラオのペリュリュウー島に難を逃れます。焼野原の沖縄コザへ帰ってきて、アメリカの物資を扱う雑貨店を開きます。コザ市場の目貫通りに店があったものですから、面白い様に儲かったようです。沖縄へ行くにはパスポートを必要とし、1ドルが360円の時代でした。

 朝日新聞入社前の3月20日、アルバイトで溜めたお金を元に、当時、6人ほどいた女友達にそれぞれ引導をわたし、東京駅から特急ハヤブサに乗り、鹿児島から沖縄まで船で行きました。国際通りの宝石店で35ドルのヒスイの指輪を買いました。驚いたのは着いた翌日、コザの料亭「浦島」に70人ほどの人が集まっていて、婚約披露宴となってしまったことです。母親同士が姉妹の、当時の沖縄タイムズ社長上地一史さんが主賓でいました。あれよあれよという間に配偶者が決まってしまいました。

 朝日の初任給は1万8000円でした。義母は毎月25ドルを援助してくれました。家を買いなさいと言って360万円用意してくれました。角地の22坪の建売住宅でした。その後、向かいの角地76坪を買い自宅とアパートを建てるのですが、その時もお金を出してくれました。アパートは2回ほど建て直しますが、その一部屋を義母のために用意しました。義母は沖縄の義妹の家に隣接した家を持ち、行ったり来たりしながら、余生を楽しみ、腎臓透析を自ら拒否して逝きました。熱烈なクリスチャンでもありました。私は義母の援助によって出来た3世帯が入居している木造アパートの収入と、企業年金と厚生年金で暮らすことが出来ています。

 それもこれも、実母志づと義母マツがあってのことです。つくづく有難い、と思っています。改めて、二人の母に感謝しています。    

 

2016年5月7日         水の問題(2)

 昨夜遅く帰京しました。マウスコンピューターを持参したお蔭で、エッセイの更新は外国でも出来るようになったのですが、何せ、小型なものですから画面が小さく、その上、操作が面倒なので往生します。

 そんな訳で、このエッセイの更新は半月振りになります。数人の方から、どうかしたのか、いよいよクタバッタかというメールをいただきましたが、返信が出来ずお詫びいたします。

 今日から再開しますので、従来同様、お付き合いください。

 さて、11:45分にタイ・チェンマイを飛び立ったキャセイ航空は2時間15分後香港の新空港に海沿いに進入していきます。窓際の席に陣取り、飽かず外を眺めていた私は海の色が陸地に近づくにつれ変色していくことに気付きます。毒々しい緑色の輪が海の表面に漂い始めたのです。川や沼地に現れる「アオコ」かなあ、と見ていたのですが、アオコは海水にもできるモノなのでしょうか? 海水に同化出来ずに漂う毒々しい緑色の輪は、岸に近づくにつれ多くなってきました。ある岸部の海水は全くの緑色に染まっていました。工場排水、生活排水に違いないと断定しました。ご承知のように100万㌦の夜景を誇る香港は高層建築物が林立しています。川はありません。水は地下水を使っているとのこと。つまり、香港は水を浄化せずにそのまま海に垂れ流しているのです。そうとしか思えません。唖然としてしまいました。

 私は水には神経を尖らせます。現地の人は水道水を平気で飲んでいますが、私はボトル入りの水のみです。氷も、アイスクリームも敬遠します。昔は生野菜や果物までボトル水で洗っていました。それでも時々クレオソートの御厄介になりました。

 今から15年ほど前、母親の喜寿のお祝いで親戚の桜井一家と8人で上海へ行ったことがあります。従弟の靖輝が上海の商社と仕事の繋がりがあったので、ビジネスクラスで行く4泊5日の豪華旅行が出来たのですが、私だけ初日から水に当って、3時間おきにトイレに駆け込むという状態になり、散々な目に遇いました。薬を飲むためレストランでもらった生水が原因のようでした。

 上海といわず中国のトイレの殆どは団体で入るようになっています。隣りの臭いを嗅ぎ、こちらの音を響かせながら用を足すのは、なんともはや、拷問でした。一行の中で下痢に苦しんだのは私だけだったことが、せめてもの救いでした。

 とはいえ、海外では日本のように生水が飲める国は極く稀です。私は自分の体内にその国の水に対する耐性を作らねばなりません。生野菜や果物をボトル水で洗うことをしなくなりました。チェンマイの有名なベトナム料理店の生野菜も、前回は下痢したのですが、今回はモリモリ食べました。アイスクリームも都合三回食べました。大丈夫でした。

 

2016年4月20日         水の問題(1)

 9日に当地へ来て以来、昨日始めて雨が降りました。10日ぶりです。ドッケオという、昔は隔離病院だった鬱蒼とした森の中の一軒家の一室に滞在しているのですが、何しろ暑い。連日35度から40度の日々が続きます。3,4,5月は乾季だそうで、おまけに、雨季の6,7,8月より湿度と温度が高いとのこと。そんな中での恵みの雨でした。

 午後3時頃、遠くで雷が鳴り始めました。森の中を飛び回っている野鳥たちが一斉に騒ぎ始めました。彼らもきっと待ち望んでいたのでしょう。けたたましいほどです。蒸し暑さが限界に達したと思われると同時に、雨粒が落ちてきました。雷が鳴り始めました。風がブナの大木を揺るがせます。高さ40メートルはあろうかという大木の森が、ウナリを伴って揺れはじめました。木の葉が滝のように舞い散り、風の勢いにのまれてぽきりと折れる枝もあります。40分余りの森の中での夕立は壮観でした。アオコの吹き出た、チェンマイの城郭のお堀や街中を流れるピン河も息を吹き返すことでしょう。

 14日の夜から始まった熊本の地震、地滑りによって人々は屋外に避難して不安な日々を過ごしています。何ともお気の毒なことです。求めているのは食料よりも何よりも、水だそうです。そうだろう、と思います。

 南海の孤島の果てに人口28000人の島があります。パラオ諸島です。20年ほど前に行ったことがありました。この島から日本政府に対してSOSが発せられました。雨が降らず水がなくなったのです。日本の外務省は直ちに反応し、自衛隊が使う、海水を真水にする装置を3台送りました。

 中国でも、水が不足しています。この国の飲料水の75%は地下水です。ところが、環境問題を度外視して、工場排水を垂れ流したため、ほとんどの地下水は汚染されています。揚子江も黄河もどんなに浄化しても飲めないそうです。

 アラブ首長国連邦やサウジアラビアの飲料水や生活用水は、海水を処理して使っています。その大がかりな装置を実際に見たときは驚きでしたが、さらにビックリしたのは、生活排水を完全に濾過して海に流していることでした。だから、ペルシャ湾は青くて美しく輝いていたのです。南シナ海、東シナ海はどうでしょう。13億人の汚染物質で海の色が変わっています。

 だから、仮に中国が水の問題でSOSを発しても、世界は冷ややかに見つめるだけでしょう。  

 

2016年4月16日         パナマ文書

 個人や企業共同体が日夜努力して、お金を貯め、財を成したとします。本人の努力の結果ですから、得たお金をどう使おうとそれは本人の勝手です。ただし、日本という国があって、日本国民があって得ることが出来たお金ですから、国が定めた然るべき税金は、当然のこととして払わねばなりません。国あって、国民あっての利益だからです。国はその企業や個人から払ってもらう税金を、国や国民を豊かにするために使います。

 もし、企業や個人が定められた税金を逃れるために、税金のかからない国に会社や個人の口座を作って資産を移し、何食わぬ顔をしていたらどうなるでしょうか?

 これは、人倫に悖る行為です。合法的ではあっても、人間として許されない行為です。なぜならそれは国に対する背信行為であり、国民を欺くことになるからです。

 国家と国民のお陰があって、たまたま財に恵まれたのだから、利益に対するそれ相当の国が定める税金を払い、国と国民に感謝の気持ちを表すのは当然といえば余りに当然、日本人としての義務でもありましょう。国民の義務をなおざりにし、私利私欲に走った個人や企業が14万件あることを、パナマ文書は明らかにしたのです。

 パナマ文書とは世界中の税金逃れをしている個人、企業の膨大な資料です。コンピューターに内蔵されていた14万件にも及ぶ極秘資料がハッカーの手によって、ドイツの新聞社に渡りました。日本からは朝日新聞と共同通信がその精査に乗り出しています。いずれその詳細が明らかにされ、全世界が右往左往するするはずです。

 世界中からパナマ諸島に集まっているお金は3000兆円と言われています。日本の国家予算の三倍弱です。イギリスのキャメロン首相のおやじの名があります。ロシアのプーチンの義兄の名があります。習近平の義兄の名もあります。中国共産党序列第5位、第7位の名もあります。シリアのアサド大統領もあれだけ国民を悲惨な目に 合わせながら利用していました。ウクライナのプロシエンコの名もあります。彼は言ってみれば政商です。世界的企業では、アップル、アマゾン、グーグル、スターバックス、カーギル…そしてメッシュ、ジャッキーチエーン、アグネス・チャン…殊に彼女は悪質です。ユニセフ大使を気取りながら寄付金を個人資産として税金逃れをしていました。しかも、マスコミから攻められると、別人であるとシラを切っています。

 日本企業の名や個人名はこれから続々と出てくるでしょう。日本航空、三菱商事、三井物産、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ホンダ、電通…

 何しろ、400件を超えるそうですから、当事者たちは恐らく夜も寝られないのではないでしょうか。

 もし、資産隠しにかかわった個人や企業が、日本国に対し、正規の税金を払っていたら、日本の福祉従事者の低賃金は改善されていたかもしれません。アメリカに次いで多いとされる日本をツラツラ考えると、日本の政治は何と間違っていたことか、と慨嘆せざるを得ません。持てるものに甘く、持てないものに厳しい偏った資本主義、民主主義であったと言わざるを得ません。私は、パナマ文書を資本主義終焉の序章だとみます。うやむやにしたい闇の勢力が動き出しているようですが、恐らく、世界は変質していくでしょう。

 

 私事ですが、この10年来、家の安全を維持するためセコムに加入してきました。毎月一万円都合120万円をセコムに入れ込んできました。このセコムの社長も700億を超える脱税をしています。国民の義務を怠るセコムへの加入は早速、断ることにしました。冗談じゃないですよ、全く。

 

2016年4月13日      水かけ祭り

 今日から三日間、タイ国全土で「水かけ祭り」という奇祭が始まります。人と人とが互いに水をぶっかけあって面白がる、という変な祭りです。町のいたるところに屋台が出ていて、水をかける大型小型の水鉄砲や、それを防御するためのカッパやメガネなどが売られています。

  問題はいま、タイ国にお互いに水をかけ合うほどの水の余力があるかどうか、です。異常渇水がこの国を襲っています。チェンマイの街中を流れるピン川はアオコだらけの沼になっています。水が流れる川になっていないのです。また、この街は成り立ちが城郭都市であるため、掘割に囲まれています。そして、その掘割が冨栄養のためか青い泥水になってるのです。

 今日から三日間、チェンマイの人々はこの水をかけ合うのです。面白そうではあるけれど、水かけの中に入るには、余程の覚悟も持たねばならないでしょう。

 しかし、今回はこの水かけの群衆の中に入ってみたくて来たのです。

  教会友のKさんはアメリカ国籍の日本人ですが、この祭りを楽しみにしている一人です。無心になって遊べるから面白い、と言うのですが、泥水をかけられて果たして面白がれるのか、今日はKさんと一緒に行動するので、興味津々です。

 

2016年4月11日          日本の若い女性の活躍

 3年ほど前にチェンマイからミャンマーの首都ヤンゴンに行ったときは、週2便の定期便しかありませんでした。「エアーバガン」の60人乗りのプロペラ機でした。ところが調べてみると、今は一日2便にもなっています。いろいろな航空会社が参入していました。これには驚きました。

 日曜日の今日、礼拝は野尻牧師の司会で、ヤンゴンからやってきたWさんとおっしゃるうら若き女性の牧師さんの説教でした。牧師であると同時に、医大を卒業した小児科医として、ヤンゴンの子供たち4000人余りの健康を管理しているとのこと、その活動状況を説教のあと、録画で披露してくれましたが、そのようなエネルギーはどこから湧いてくるのか、惜しみない称賛の拍手をしてしまいました。

 ヤンゴンは急速に変わり始めたようです。スーチーさんの高校時代の一年後輩になるチェンチョーさんが大統領ですが、大統領以上の権限がスーチーさんに与えられました。しかも、副大統領がクリスチャンであるとのこと。女性牧師さんはわがことのように喜んでいました。

 チェンマイ日本語教会には、今日、この牧師さんの他に二人の若い女性がヤンゴンからおいでになっていました。全員が奉仕のお仲間であるとのこと。そう言えばチェンマイの隣町チェンライ教会の牧師も、若い女性です。

 東南アジアを旅していて感じるのは、日本女性の進出です。その積極性です。半面、日本の若い男性の海外での活躍ぶりには、あまりお目にかかることがありません。残念なことです。
 

2016年4月7日       マウス・コンピューター 

 3月31日から4月3日まで福島へ行ってきました。常磐高速を飛ばして湯本の定宿パームスプリングに滞在しました。

 4月1日は常磐道から東北道に出て郡山経由で二本松で降り、福島民報社OB記者の小林さんの案内で、現代の桃源郷ともいうべき福島市郊外の「花見山」の、梅、桃、彼岸桜、レンギョウを満喫しました。2日は福島原発の双葉町の隣、夜ノ森へ行って無人の中で咲いている桜を見ました。昨年行ってみて余りに感動したので、もう一度行ってみたかったのです。

 日曜日は湯本泉に建立された「翼の教会」の礼拝に出ました。生憎、牧師の佐藤彰夫妻は外国に出かけて留守でしたが、副牧師の佐藤将司牧師が実に内容の濃い説教をされ、お相手をしてくれました。 ドバイから持ち帰った乳香を献呈しました。牧師夫妻がお帰りになったら、会堂内が乳香の香りに充ち溢れることでしょう。 

 ところで、明後日9日から5月の6日まで再びチェンマイへ行ってまいります。ジモテイーで仕入れた88鍵のキーボードを手荷物として持参します。何台持って行けば気が済むのか、我ながら不思議なのですが、日本で9800円で仕入れたキーボードが、タイの奥地では子どもたちの宝物になることを思うと、止められないのです。 

 それに、今回は教会友の滝川君から中古車を譲り受けます。国際免許は昨年取得し、堀田教官のもと何回か運転しているのですが、単独でやるとなると、これはなかなか大変でしよう。ですが、車があればタイの国中を好き勝手に走り回れます。行動半径が広がります。無事故、無違反の安全運転で行く積りです。

 その記録などを2~3日ごとに、このホームページに載せて見たく、昨日、マウスコンピューター(35000円)を買いました。最も小さいパソコンだからマウスコンピューターと名前が付いています。本当はIPADの128ビット(12万円)にしたかったのですが、ブログの会社からIPADからでは更新できない、と言われてしまいました。しかし、これが現地で作動すればこのページの更新が出来ます。日々の外国での記録が載せられます。

 ところが、パソコンの初期設定はヨドバシカメラでやってもらい、店のW1ーF1を使ってのインターネット接続はできたのですが、帰ってきて、自宅の無線ランと、どう接続させたものか、これが皆目わからない。メールとなると一層分からない。明日中に分からないと使い物にならない。

 車も含めて、宝の持ち腐れになりそうな予感に苛まれています。

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