最近のエッセイ(45)

2020年5月14日               小気味よい助言

 今朝の朝日新聞の耕論欄に、元法務省官房長の堀田力さんが「検事総長と黒川検事長は辞職せよ」という内容で助言しています。「検察幹部を政府の裁量で延長させる真の狙いは、与党の政治家の不正を追及させないため以外は考えられない。今回の法改正を許せば検察の独立性に対する国民の信頼は大きく揺るぎます。政治におもねる組織だと見られれば、真実の情報が得られなくなり現場に大きな影響が出るでしょう。政治家がその権力を背景に捜査に圧力をかけてくることはよくあります。それでも、ひるまず真相解明にその限りを尽くすのが今までの検察であったし、これからもそうあってしかるべし、です。だからこそ、今回の定年延長の規定は削除すべきです。定年延長を認めた黒川君の責任も大きいし、それを受け入れた稲田現総長にも責任があります。二人とも私は親しいけれど、それでも言わざるを得ません。自ら辞職すべきです。仮に法案が成立しても「政府から定年延長を持ちかけられても受けない,ぐらいの発言をして、検察の原点である公正中立を守り、国民の検察に対する信頼を回復してほしい」と述べています。何とも小気味よい助言ではありませんか。堀田努さんは私より3つ上の86歳。田中角栄のロッキード事件を掘り起こした方です。

 

2020年5月14日         コロナ禍の国家賠償

 今は、全世界はコロナ一掃に全力で立ち向かっています。これが一段落したとき、次に何が起きるか、想像を逞しくしてみましょう。当然、損害賠償についてでしょう。この災いの出所が中国の武漢であることはハッキリしています。確証はまだありませんが、中国共産党が設立した生物化学兵器研究所から操作ミスによって漏れた可能性が強く指摘されています。

 日本の双葉原発の炉心崩壊による放射能漏洩は、地震・津波による天災ではあっても、予測出来たのに対策を講じなかった罪により、賠償が成立しています。ロシアのチエルノブイリの原発事故は未熟な操作員による事故が元であのような重大惨事になりました。ロシア政府による賠償は今も続いています。

 中国共産党が設立した武漢の研究所に保管されていた恐るべき生物兵器たり得るウイルスが、不幸にも市場に漏れ出てしまった、というのが今回の事件です。しかも中国国内ならまだしも、全世界に蔓延してしまいました。最も多くの死者が出ているのがヨーロッパに次いでアメリカです。アメリカの怒るまいことか!

 特に、前副大統領であったバロンの怒りは凄まじく、至る所で中国共産党の賠償責任に言及しています。「共産党の存在で一番迷惑しているのは中国国民である。中国人は皆優秀で、心の優しい人ばかりだ、中国料理は美味しい、私は中国人と中国料理を愛する、しかし、共産党の存在は許されない、世界は民主主義であるべきで、これをチャンスに共産党を地上から抹殺しなければならない。それにはコロナで損害を被った全世界の国々は中国共産党に賠償金請求をすることだ」 と至る所で声高に叫んでいます。もっともな主張ではないでしょうか。

 学生時代の私は「マルクス・エンゲルス選集」を揃えていました。解らないなりに「資本論」や「反デューリング論」を読みました。九大の向坂悦郎に傾倒していました。全学連の運動にも参加し、樺美智子さんの死に涙を流しました。ところが、今はどうでしょう。ベルリンの壁は崩れ、ソ連邦は解体され、マルクス・エンゲルスは本屋から消えました。全世界がそういう傾向です。毛沢東を未だに崇めているのは中国共産党だけです。

 私は、今回のコロナ惨禍により、「中国共産党は瓦解する」「それは全世界が中国に賠償請求を起こすことから始まる」「それを何よりも喜ぶのは中国14億の国民でではないか」と心から思っています。

 

2020年5月13日          コロナの女王のご自宅

 「女性たる者、きれい好きで掃除は行き届き、着るもの、住むところに気を配る、、、」と思っていました。ところがそれに当てはまらない女性もいます。先ず、私の従妹がそうです。私の母親と一緒に住んでいた従妹は、母親の死後一人で生活しています。幸い、母親が年金などの世話をしたお蔭で日々の生活はできているのですが、どうしたことか、モノを捨てません。捨てようとすると「大切なモノだから」と泣きわめきます。ゴミの上にゴミを重ねて生活しています。見かねて今までに三回ほど外部に頼んで撤去してもらいました。

 九州小倉の高校の英語の女性先生と仕事で知り合いになったことがあります。九州大学を出た高学歴の先生です。生徒達にも莫大な人気の先生です。仕事上、お宅を訪ねる機会がありました。どうしても家の中へ通してくれません。扉越しにそれとなく窺うと、室内はゴミで溢れていました。

 朝八時のテレビ朝日の羽鳥慎一の番組に、このところ医学博士の岡田春恵女子が出ずっぱりです。午後には六チャンネルにも出演です。サンデーモーニングにも出ています。どうしたことか、他のゲストは自宅からの中継による画面参加なのに、彼女だけはいつも生出演です。探ってみました。意外なことが分りました。彼女の家には所狭しと魔女の人形が、それも二、三〇本、二階からぶら下がっているそうです。しかも、一切、ものを片付けないようで室内はゴミの山。これには撮影スタッフも驚いたようです。おまけに毎回の出演ですからメイクや衣装のスタッフと良い関係が築かれます。岡田女史はそれが気に入ってしまっているのです。

 私の従妹は兎も角、一芸に秀でた女性もいろいろだなあ、と思はされました。

 

 

2020年5月12日           検察介入

 日本で一番難しい試験は司法試験です。大学の法学部を卒業するか、法科大学院に在籍した上で受験資格が与えられます。弁護士になるか、裁判官を希望するかで別れますが、検事を希望した場合は更に難しい試験を受けねばなりません。従って毎年の合格者は極めて少なく100人足らずに絞られます。最近は女性の希望者も多く全体の3割は女性です。

 検事は国家のお目付役です。総理大臣であろうが、誰であろうが、疑わしい者はしょっ引かれます。お隣の韓国では、大統領のほとんどが退位後、検察のご厄介になり、投獄されたり、自死に追い込まれたりしています。文在寅はそれを畏れて検察改革に乗り出し、自身の最側近を送り込もうとしましたが、ご承知のように失敗しています。権力者は自分の退位後の検察の動きを怖れます。

 退位が迫っている安倍晋三とその側近達も同じことを考えました。森友・加計学園・桜を観る会などなど、叩けば埃の出る身体です。そういう打算の元に今回の検事定年延長が閣議決定されました。極めて恣意的な発議です。しかも、強引に国会採決に漕ぎつけようとしています。

 巷では怖ろしい勢いで反対運動の狼煙を上がっています。司法関係者のほとんどが反対です。行政が司法に介入するとは何だ!三権分立のないがしろにしていいのか!と司法の人達のほとんどが憤りを隠さずにいます。しかも、司法とほとんど無縁の芸能人達すらが騒いでいます。「このコロナの大事な時期に何だ!」と。それでも事態は官邸の思うようになるのではないでしょうか。

 ハッキリと申し上げます。安倍晋三さんよ、あなたは志の卑しい人物だったね。三流もいいところだよ。おじいさんの岸信介、親父の安倍晋太郎よりもっと悪いよ。自分の保身のために検察を懐柔するなど、韓国と同じではないか! 最も、悪いことを承知でここまで生きながらえさせてきた国会議員や国民の責任でもありますがねえ。

 

2020年5月11日            解 禁 ?

 ヤボ用があって、練馬駅から副都心線に乗り新宿三丁目で下車しました。9時頃でしたが電車はガラガラです。長い階段を上がって新宿二丁目界隈に出ると、人通りはまばら、商店のほとんどはシャッターを下ろしています。若い頃、歌舞伎町とこの辺は遊び場でした。「どん底」という地下バーがあって、数奇な人達との交流がありました。末広亭の通りを歩いてみました。昼間のせいもあったでしょうが、閑散としています。向かいの伊勢丹も休業中。イヤハヤ、名にし負う新宿に人影がまばらなのです。どれだけの人が日銭が入らないために苦労しているか、コロナの影響は大きいなあ、と改めて知らされました。銀行に寄りました。入場制限があるらしく並んでいます。順番がきて入ると、数人しかいません。椅子も張り紙が貼られていて隣同士座れません。兎に角、別世界に紛れ込んだような経験をしました。

 営業禁止で苦しんでいる現状を見かねて、自治体によっては解禁しているところも増えてはきています。やむを得ないかもしれませんが、第二次集団感染が起こらない、と言う保証は全くありません。現に、韓国が夜の盛り場を解禁したところ、再び感染が始まった、という報道もあります。新宿の盛り場の賑わいが戻るのは、もしかすると一年はかかるのではないだろうか、とつくずく思った次第。

 

 

2020年5月10日           価値基準 

 今朝のサンデーモーニングは関口司会者とコロナ常連の岡田女史、それに青木理さんだけがスタジオ入りでした。あとの方は画面参加。青木さんは長野の野沢高校から慶応大学、共同通信の記者を経て今はフリーのジャーナリスト。歯に衣を着せぬ発言でフアンも多いが、物議を醸すこともしばしばです。慶大出の論客の筆頭は何といってもお亡くなりになった岸井成格さんでした。他に佐高信、経済学者の金子勝さんもいますが、ちょっと激しすぎます。

 ところで、今はユーチューブでの言論活動が花盛りです。眉唾物もあれば、これは、と言う正論も数々です。朝日新聞の経済記者であった山田厚志さんもデモクラシーなんとやらのサイトを立ち上げています。アメリカ総局長だった高成田亨さんも常連の一人です。金子勝、両角某とのコロナ論争は見応えがありました。

 つくづく思うのは、言論はもはや新聞・雑誌・書籍から電波媒体に移行しているのではないか、ということです。そしてそこには価値基準がないことです。正論であれ暴論であれ、ガセネタでであれ、なんでもあり、がまかり通っているのです。何が真実かを見極めるのが非常に困難になっている事実に我々は直面しています。

 と言うことは、ユーチューブやSMS、Twitterなどが盛んになればなるほど、物事の判断が曖昧になるのではないでしょうか。何が重大かの判断ができにくくなるからです。そこから、新聞、雑誌、書籍へ回帰して行く気がしてなりません。

 

2020年5月8日           憎っくき殺人コロナ 

 元外交官の岡本行夫さんが4月24日にコロナで亡くなっていました。惜しい人を亡くしました。一橋出の彼は外務省に入り、橋本・小泉首相時代の首相補佐官でありました。有能な補佐官で、絶えず現場主義を貫きました。その後、TBSのサンデーモーニングにも出演しています。苦み走ったいい男で私はファンの一人でした。補佐官と言えば安倍晋三に忖度の限りを尽くした萩小田光一がいます。忖度のお蔭で今は文科省大臣です。本来なら、正統派の前川さんがなるべきなのに、官邸は彼を拒みました。今の官邸は末期症状ではないでしょうか? 黒川検事総長の定年延長を恣意的に実現させようとしています。岡本行夫ならこんなコトさせないでしょう。

 コロナで亡くなった惜しい人物はもう一人います。岡江久美子さんです。TBSの朝の顔でした。大和田獏さんの奥さんで、大和田伸也さんの奥さんの五大美智子さんとは義理の姉妹でした。芸名五大路子さんはかねてより「横浜夢座」の座長です。「横浜ローザ」と言われる老娼婦を演じて余りにも有名です。

 その五大路子さんが私に直々に花束を下さったことがあります。いきさつはこうです。丸山さんの紹介で日本ペンクラブの会合へゲスト出席した際、日本詩人の会会長の筧慎二さんの紹介を受けました。筧さんの随想・詩集2冊を、私ことN・N工房で作らせてもらいました。1冊は「真昼の夕焼け」という横浜大空襲の回想録です。500部ほど懸命に作らせてもらいました。朝日新聞の調査部へ行って当時のB29の空襲写真を探し出すなど苦労しました。この本が五大さんの目にとまり「朗読劇・真昼の夕焼け」が誕生しました。横浜外人墓地近くのホールで初演となりました。筧さんは既にお亡くなりになっているので奥様の渡辺さん(筧さんの本名は渡辺慎二)と、丸山一昭さんと私が五大路子さんから大きな花束をもらいました。これがキッカケで横浜夢座の公演には欠かさず出かけるようになりました。五大さんの一人芝居「横浜ローザ」の時です。楽屋に挨拶に行きましたら、岡江久美子さんがいらっしゃてご挨拶しました。「真昼の夕焼け」の本を作った人です、と紹介され恐縮しました。

 岡江さんは輝いていました。惜しい人を亡くしました。コロナは容赦なく著名人も殺しまくります。講道館の松下三郎、オムロンの立石さん、狂言師の吉武富太郎さんなど、皆さん地団駄を踏んでいるでしょう。

 

2020年5月7日             原価率 

 チョットした出先で、昼飯は久しぶりに馴染みの店で蕎麦でも、と寄り道しましたが、この時期、当然のことながらお休みでした。そうなると無性に蕎麦が恋しくなりました。若いときから旅烏でありましたから、東日本各地の名代のお蕎麦屋さんには大変お世話になりました。高校三年まで信州に居たのに、蕎麦屋へ行ったことはほとんどありません。なぜなら、自分の家で蕎麦を打っていたからです。

 福島県を5年、部長で2年担当しましたが、会津地方へ行く楽しみは蕎麦でした。喜多方の奥く、山都・野沢は名にし負う蕎麦処でした。見渡す限り蕎麦の白い花で視界うまります。新蕎麦は11月頃でしたが、香りが高く、地味溢れる一件を、心ゆくまで食べさせてもらいました。

 近年は春と秋に清里の宮沢山荘に4、5人で集まっていましたので、八ヶ岳山麓の蕎麦をしこたまいただきました。石堂の「藤野屋」、10割蕎麦の「真次」、原村が直営する「村営蕎麦」。四年前に亡くなった宮沢君は蕎麦の他に決まって「トリモツ煮」を注文します。これは山梨の名物です。「モツ煮」を食べ終わると黒い汁が残ります。彼はこれを半膳のご飯にまぶして、旨い、旨い、と言いながら夢中で掻き込みました。清里の宮沢山荘には蕎麦打ちの道具が揃っていて、自分らでも蕎麦を打ちました。でも、いつも不揃いの蕎麦を持て余しました。

 東京で行きつけだったのは上野駅前の「翁家」です。麻布十番の「更科蕎麦」杉並の「田中家」も名代の店ですが、何しろ、スダレの底が見えてしまうほどの少量です。反対に、こんなにいっぱい食べられる?ほどの量が目の前に置かれるのが、新潟・十日町の「シギ蕎麦」です。長岡駅の地下にも同じ店があって、随分お世話になりました。

 昔から原価率の一番廉いのが「蕎麦屋」、と言われています。だから、腰が曲がるほど儲かっているはずなのに、何故か、このところ蕎麦屋の数は激減しています。学生の時、滅多に行かれなかった早稲田の「長寿庵」、今でも健在でしょうか?

 

2020年5月6日            メープルシロップ

 昨晩遅く、ホットケーキのことをホームページに書いてベッドへ入りました。余韻が残っていて、亡くなった母親のことがしきりに思い返されます。ふと、母親が何か言い足そうなそぶりをします。ハット気がつきました。ホットケーキにバターと共に付いていたのは蜂蜜ではない、シロップだ、メイプルシロップだった。そしてそれが入っていたガラスの小瓶のカタチまで思い出されたのです。

 シロップは主として北米やカナダで作られているようです。サトウ楓の幹に穴を開けて樹液を採り、煮詰めて製品にします。1リットルのシロップを作るのに40リットルもの樹液がいるそうです。独特の香りがあってホットケーキにはメープルシロップと上質のバターが似合いです。

 甘味剤にもいろいろあって、もちろん白砂糖は常備していますが、しばしば使うのは沖縄の黒糖です。荒削りな風合いがあって私は好きです。試そうと思いながら未だ常備していないのは三温糖と和三盆です。蜂蜜はチェンマイから持ってきます。蜂の巣のままのものが昔は250バーツでしたが今は300バーツ(1000円)に値上がりしました。このところ、毎朝R-1のヨーグルトに蜂蜜を入れて常食しています。免疫力を高める自衛策の一つです。

 

2020年5月5日            パンケーキ

 今日はこどもの日。この所ずっと、保育園・幼稚園・小学校もお休みが続き、どうしたことかお父さんもお母さんも家にいるので、子どもたちの笑顔やはしゃぎ様が路上でもレストランでも目立ちます。いたいけな子どもたちの幸せそうな笑顔に、心が和まされているのもコロナのお蔭でありましょう。

 私が幼かった頃、母親に伴われて日本橋の三越や高島屋のデパート食堂へ行ったことが今でも鮮明に思い出されます。お子様ランチとホットケーキ、これを目の前にすることがどんなに嬉しかったか! お子様ランチには小さな万国旗がついていました。大事にお持ち帰りしました。ホットケーキは熱々のものが二つ重なっていて、バターと蜂蜜が別についています。二つのケーキの間にバターを挟み、上から蜂蜜をまんべんなく垂らしてしばらく待ちます。フォークとナイフを器用に使って口に運んで噛みしめた時の幸福感!

 ふと、大昔の日々を懐かしく思いだしたので、昼食はレストランでホットケーキを注文しました。「ホットケーキを」と言ったら、「パンケーキですね」と言い返えされましたが、まぎれもない一件が運ばれてきました。残念だったのは二重ではなかったことです。でも、その時に母親がどんな料理を自分用に注文し、それの一部を私の皿に分けてくれたことなどを思い出しながら、美味しくいただきました。

 母親と連れ合いは奇しくも13年前に他界しましたが、朝に晩に灯明と線香は欠かしません。今は家の裏の垣根一杯に咲き誇り、惜しげなく芳香を漂わせているジャスミンを切ってきて仏壇に供えてあります。今日はこどもの日でもありますからして、仏壇に向かって「お袋さん、もう一度日本橋のデパート食堂へ連れて行ってよ」と甘える積もりです。

 

2020年5月4日            ピアノ今昔

 今の家の、道を挟んところの建て売り住宅を360万円で買った頃、ヤマハのアプライトも同時に買い、道路際の4畳半に置き、ひたすら練習に励みました。騒音公害などと言われる遙か昔のことです。家の前の土地72坪を買い、母屋とアパ−トを建てる頃、アプライトでは飽き足らず、グランドピアノを物色し始めました。浜松町に松尾楽器があって、そこが日本のスタインウエイの総代理店でした。行きました。垂涎の的のピアノが並んでいました。確かフルコンが1500万、練習用が450万でした。同時に、ベーゼンドルファーやベヒシュタインも見て歩きました。世界のピアノはこの三社に限られ、日本のヤマハやカワイはまだまだ相手にされていませんでした。ちなみに、ショパンが使っていたのは「プレイエル」で、柔らかい音色が特徴的ですが、今はどうなっているでしょうか。

 何せ、450万は家が一軒買える値段です。諦めざるを得ませんでした。涙を飲んでヤマハグランド#C3を120万円で買いました。いま、スタインウエイのフルコンサートは3000万円を超えます。練習用でも1000万です。ヤマハも今や世界的に有名になりました。スタインウエイよりヤマハの音を好むピアニストが続出しています。

 私は自分のピアノは自分で調律しています。知人からハンマーをいただいたことがキッカケで音叉、フェルトなどの器具をすべて揃え、無心で音と戯れます。ただ、50年余りも弾いているので、ハンマーに歪みが出るは、弦は錆びて来るはで大規模な整音が必要なのですが、分ってはいても大修理に出す踏ん切りがつかないでいます。残念なのは三人の孫どもにピアノに興味を持つ者がいないことです。だから、私は自分の死と共にあちらの世界へ持って行く積もりでいます。

 

2020年5月3日           花屋でマスクを買う

 今日は憲法の日。朝日新聞の世論調査では、「今の憲法を変える必要はない」が63%を占めました。読売新聞の世論調査では、今回は面白い結果が出ています。憲法改正賛成49%、反対48%。昨年の調査では賛成が50%でしたから1ポイント下がりました。ついでに内閣支持率42%、不支持47%。緊急事態宣言について「遅すぎた」が何と81%! マスクの配布は73%が不評。さしもの読売も、安倍内閣への非難に抗することができずにいるようです。ナベツネがまだ生きているにも拘わらずです。
 私が学生時代から熟読している本に、丸山真男著「現代政治の思想と行動」があります。大正から昭和初期にかけて、日本での軍国主義がいかにして台頭してきたかが書かれている本です。東京裁判の模様もつまびらかです。戦犯と称される元軍人達は「私は上官の命令に従ったまでです」と異口同音に陳述していました。考えてみれば、つい四〇〇年前まで日本人は刀を常時腰に差し、殺し合いをしてきました。本質的に好戦的な国民性を持っている日本人が、憲法改正によって、こちらから武力に持ち込むことが許されれば、再び太平洋戦争になることは必須でしょう。そうでなくても、今の日本の武力は世界で7番目の規模になっているのです。抑止力としての武装であるが故に現在の平和が保たれているのです。ただ、現行憲法では一切の武力を保持しないと書かれている点については、将来、書き直しは必要でしょう。理不尽にして、侵略的な他国からの攻撃に対してのみ、武力行使を認める、とだけ加筆・変更すればいいのです。

 昨日は、私の住んでいる練馬区の土支田という街のあちこちに「ハンカチの花」が咲いている、という情報を元に、探し歩きました。探しあぐねてスーパーの花屋さんで効いたところ「土支田デイサービスセンター」の敷地内に咲いているという情報を得て、行ってみました。木は確かにありましたが花は咲いていませんでした。去年は咲いていたとのこと。今年はコロナを畏れて顔を出しそびれているのかも知れません。

 収穫は、道を聞いた花屋がマスクを売っていたことです。100枚入り1箱3000円。「花屋がマスクを売る」、何とも奇妙な時代なったものです。

 

2020年5月2日          何故、岩手はゼロ?

 日本全国47都道府県の中で、未だにコロナ感染者が唯一ゼロの県があります。岩手県です。いまを去ること大昔、岩手県と青森県は南部藩が治めていました。面白いのは岩手寄りの南部からは多くの政治家が輩出され、津軽からは多くの芸能人が出ています。例えば、淡谷のり子、太宰治、棟方志功、寺山修司、川島雄三、吉幾三、室井佑月、、、一方、岩手寄りの南部からは政治家です。首相経験者も5人を数えます。原敬、斎藤実、米内光政、東条英機、鈴木善幸。著名な政治家では後藤新平、小沢一郎の父・小沢佐重喜、椎名悦三郎、志賀節、玉沢徳一郎、、、、枚挙にいとまがありません。西の薩長土肥、に対する東の「南部」と言えるでしょう。それだけ岩手県民は誇りを持っている、だから、お上のオフレには逆らわない、従順に従う、そういう風土が岩手県中に満ちているため、感染者ゼロを死守しているのではないでしょうか? 東京周辺の「ド千葉」や「ダ埼玉」のような、人を顧みず、自分さえ良ければいいや、という不心得者をやむなく擁している地域と岩手県はチョット違う、と言っていいかも知れません。

 ところで岩手県が生んだ二人の飛び抜けた偉人を忘れてはなりません。「武士道」の新渡戸稲造と、「雨にも負けず」の宮沢賢治です。「武士道」は最初英訳で出版され、評判に評判を呼び、アメリカ大統領までこれを読んで感激したそうです。日本語で広まったのはかなり経ってからだったようです。一方、「雨にも」は私にとって生き方の理想です。最近、この詩の原文コピーを見る機会がありました。「、、、、そういう者に私はなりたい」の後に「ナムダイシヘンジョウコンゴウ、、、」のお題目が十行ほど書き連ねてありました。新しい発見でした。

 

2020年5月1日            「そうだ、京都」

 4月下旬から5月上旬にかけて休日が重なる上に、上天気が続きます。おまけに、現役の頃は決算から解放され、カバン仲間の年二回の慰労会が、よく京都で行なわれました。家族でも、孫達を伴ってもよく京都へ行きました。嵐山・嵯峨野もいいが、捨てがたいのは大原界隈です。三千院から寂光院にかけての道を歩くのです。三千院では、本堂付近ではなく、少し奥へ入った院が目当てでした。瀟洒な茶室があり、その横が古楽器の展示室です。それを鑑賞しながらお茶をいただきます。大原ならではの柴漬けを買い、それをぶら下げながら、寂光院に向かって歩き出します。民家が立ち並ぶ細道を下っていくのですが、どの家にも春の草花が咲き乱れていて、さながら天国です。「いいなあ、こんなところに住みたいなあ」といつも思いながら至福の時を過します。

 今年は、残念なことに行動禁止です。6日には明けるという期待もむなしく、非常事態宣言は一ヶ月に亘って延長されそうな気配です。ならば、絶好の機会ではないか? 外国人でごった返している嵯峨野周辺も、大好きな大河内山荘への竹林の道も、今はガラガラではないだろうか? チャンス到来ではないか?「そうだ!京都へ行こう!」、、、、一人自分に向かって声をかけています。

 

2020年4月30日          「何でもあり」の世界

  どうやら、北朝鮮の金正恩に異変があったようです。中国から50人の医師団が入国したり、トランプは「事情は把握している。いずれ分る」、と意味深な発言をしています。恐らくあれだけのガタイ故、瀕死の床にあるか、既に死亡しているかどちらかでしょう。予想されるのは彼の妹が世襲制により最高指導者になるか、それとも「チュチエ」思想を奉ずる独裁政治が瓦解し、民主・自由主義の国になるか、この国の行く末は興味津々です。私の予想では、初めは世襲独裁を維持しながらも、徐々に内部分裂が起こり、やがては、恐らく10年ほどかかるでしょうが民主主義を取り入れる国になるかもしれない、ということですが、、、、

 問題は、中国共産党の介入です。現在の北朝鮮は中国の援助なしでは生きていけない国になっています。それをいいことにして、覇権主義の中国が手を拱いている訳はありません。なんせ、中国から遙か彼方の南沙諸島まで領有宣言をした国です。次は香港・台湾を狙っていることも明白です。彼らは金正恩の死を「好機到来」と捉えているのではないでしょうか。残念なのはアメリカです。自国第一主義を標榜するトランプ政権には北朝鮮の赤化を食い止める意欲も力も既にないのではないでしょうか。

 一方、韓国の文在寅政権もその期待におののいているはずです。南北統一のチャンスが向こうから訪れてきたからです。最近の国民投票では65%の支持率を獲得しています。何となれば、コロナに対する対応が良かった、というそれだけの理由です。経済が滅茶苦茶でも国民は単純です。ちなみに、日本では不足しているPCR検査試薬は韓国では有り余っているので、何なら日本に送ってやろうか、と言う報道もあります。ただし、日本が「お願いします」と言わなければ送らないとのこと。

 心外なのは、中国が「自国のコロナは終焉した」として、医療器具をこれ見よがしに世界各国に送り始めていることです。自分がコロナ発症の震源なのに、今度は善人を気取り始めた、、、畏れ入谷の鬼子母神です。つまり、「世界は何でもあり」なのでありましょう。

 

2020年4月29日           幸せな子どもたち

 近くの公園の、 葉桜になって、いよいよ緑の色を濃くしている桜を仰ぎ見ながら思いました。元気よく遊んでいる子どもたちの身になって考えてみました。
 〜学校は休みで友達には会えないけれど〜新学期なのに「勉強、勉強」と言われない〜どうしたことか〜お父さんもお母さんも家にいる〜時には全員揃ってガストやジョナサンで食事もした。毎日、毎日、公園でボール遊びをしたりバドミントンもできる〜夜はパソコンやタブレットで夜遅くまで遊んでいても、お父さんもお母さんも何も言われない〜こうやって、毎日毎日家族が一緒にいられる〜何ていいんだ〜こんな毎日はずっと続いて欲しい、、、、、

 幼稚園も、保育園もお休みのせいか、小さい子を連れたお父さんお母さん達と道で良くすれ違います。小さい子達は嬉々としてまとわりついています。今まで、こんなに長い期間、家族が一緒にいたことがあっただろうか。自分はこの家の子どもで幸せだなあ、、、、、と子どもたちは思っているのではないでしょうか。

 コロナ禍は困ったものですが、唯一の取り柄は、人として家族の愛を確かめ合ういいチャンスが与えられていることではないでしょうか。この危機をチャンスと捉える発想の転換をしてみようではありませんか。例えば、「学校の新学期を9月からにする」、私は諸手を挙げて賛成です。そうすれば世界と同じ歩調になるのです。突発的なウイルスの発生は今後もあるでしょうから、医療体制の充実に国家予算を十二分に投入する。検査試薬の備蓄に心を砕く、エトセトラ、エトセトラ、、、、、

 クドいようですが「危機こそチャンス」と捉える発想の転換をいたしましょう。   

 

2020年4月28日             見習いたい

 遙か後進国のベトナムがコロナを克服して約1億の人々が沸き返っているのに、日本はどうか? アメリカ、ヨーロッパ諸国に比べて、かなりの健闘が評価されるものの、全く予断を許さない状況下にあります。その差は威令が徹底しないことが原因ではないでしょうか。政府のオフレに従わない者が沢山いるのです。例えばパチンコ店。五割以上は休業しているものの、罰則がないのをいいことに、従業員への支払いのため、などとの理由を付けて開業しています。パチンコ業界が警察の支配下にあるにも拘わらずです。テレビの映像で見ましたが、開いているパチンコ屋には行列ができていました。ここで感染した不心得者によって、病院関係者にまでまき散らされ、挙げ句の果てには医療崩壊が惹起される、、、、、、、つまり、強制することができない、、自由主義国の欠点が暴露されつつあるのです。

 そこへゆくと、社会主義国ではオフレは絶対です。違反すれば投獄です。それくらいの厳しさがあったからこそ、ベトナムは死者ゼロに抑えることができたのでしょう。

 日本の非常事態宣言は5月6日までだそうですが、それまでの間に収束を迎えるでしょうか? 誰もが、「今の状態では無理」と思っているのではないでしょうか。人が生きてゆくための、最小限度の商業活動以外のものは、すべて、「向こう三ヶ月間は活動停止、違反すれば懲役刑」とする思い切った制令を発し、何よりも感染を食い止めるべきです。ヨーロッパの感染国を含め自由主義を謳歌している国は、この点に関してだけはベトナムの社会主義体制を見習うべきでしょう。  

 

2020年4月27日         快哉、ベトナム

 羽田からバンコックへ行くとき、海岸沿いの細長い国・ベトナムのフエの上空を通ります。かつて、激戦のあった古都です。そこから北へ飛行機で一時間のところがハノイ、南へ一時間のところが昔のサイゴン、今のホーチミンです。フエはともかくこの両都市は人と車とバイクが溢れています。人口は9、763万人。

 不思議なことにこのベトナムでのコロナ感染者は、今日現在たったの270人、死亡者はゼロです。そして、退院者は222人。意外や意外ではありませんか? そこには社会主義国ならではの強権発動がありました。 
 *2月1日から空港、港を封鎖し、ビザの発給を停止しました。あらゆる外国人の入国を停止しました。
 *2月5日から文化遺跡、観光名所など活動停止に踏み切りました。
 *2月10日ベトナム在住のすべての外国人の行動監視に踏み切りました。
 *2月15日全商店の営業活動を停止させました。併せて生活必需品の買い物以外の外出禁止としました。違反者には厳罰が科されたそうです。

 この国は2月の初めから行動を開始していたのです。それには前回のサーズの蔓延で懲りたセイもあるかも知れません。しかし、長期政権担当者であるフンセンが強権を発動させた、という側面もあるでしょう。

 それにしても、ベトナムはいま、コロナから解放されて街は喜びに沸き返っているようです。ただし、当分は外国籍者の入国禁止、ベトナム人の出国禁止は続くようです。

 5年前に行った時はホーチミンに二泊、フエで一泊、ハノイで二泊しました。特に印象に残ったのは、古都フエでの一日でした。泊まったホテルは皇太子ご夫妻も滞在され、ご夫妻の写真が大きく飾られていました。その下にヤマハのグランドピアノがあって、自由に弾いても良いとのこと、2日間に亘り、ホールにヤマハの音を響かせました。朝飯のバイキングが特に美味しく、また訪れたい街の一つです。

 世界の現状を鑑みると、果たして、その日が来るのやら、来ないのやら。

 

2020年4月26日           LR-41電池

 院内感染があちこちに起き始めています。中野区の江古田病院もそうです。何と近所の光が丘病院でも院内感染が発覚したではありませんか!2月の中旬、タイ・チェンマイから帰ってきて、喀痰検査やCT検査をしてもらって、「感染の兆候はありません。肺の機能も正常です」とのお墨付きをもらった病院です。その病院と道を挟んで西武デパートがあります。イマという生鮮品売り場があります。イオンも隣接しています。大きな100円ショップもあります。困ったことになりました。

 万一、感染した場合は体温が上がるそうです。せめて体温計で毎日測定しようと、家中探して、やっと、体温計を見つけました。やれやれ、とスイッチしましたが作動しません。電池が切れているのでしょう。開けてみると「LR-41」という極小のボタン電池が入っています。ドラッグストアに買いに行きました。三軒歩きましたが売り切れです。コンビニにあるのでは、と教えられて8店ほど回りましたが何処も売り切れていました。途方に暮れましたが、そこで、アマゾンを思い出し検索しました。5日後の今日、10個入れの一件(1680円)が今日、届きました。やれやれ、と電池を入れ直し体温を測ったところ、36.1度。毎日クローブを噛み続けている恩恵でしょう。やれやれでした。ところでLR-41は9個余っています。お困りの方はおっしゃって下さい。直ぐお送りします。

 

2020年4月25日             中国離れ(3)

 顧みれば私は、随分中国へ行きました。最初は小学校5年と6年の長男、次男を連れての真冬の家族旅行。従兄弟の靖輝一家と私の母親の喜寿を祝うための、総勢10人での団体旅行。中国少年報社の招待旅行としての北京、西安、上海。ゴルフが目的での上海への十数回。いずれの時もお付き合いいただいた中国の人は、いい人達ばかりでした。倶(グ)さんという従弟の商売相手だった方とは、今でもお付き合いがあります。これまでの生涯、どれだけの数の中国人とお付き合いしたか、数えきれません。そして、これだけはハッキリ言えます。「皆んな笑顔の素敵な、心の優しい人ばかり」だったことです。 だから、この先どうなろうと、私には中国離れはありません。

 考えてみれば、日本は「カンのナノ国」の時代から、あらゆる面で中国の影響を受けています。漢字も仏教も陶芸も、そして生活様式までそのルーツは中国です。日本の歴史始まって以来、中国は日本のお手本でした。その中国に降って湧いたようなコロナの災難。穏やかで善良な中国民衆に降りかかったこの疫病。どれだけ彼らが苦しんでいるか、そこには想像を絶するモノがあるでしょう。その元凶こそが、中国共産党であるのは、中国14億人の知るところでありましょう。

 上海での去る日、倶さんの計らいで私の従弟と共に去る著名な書家と晩餐をご一緒したことがありました。そこにその書家のお弟子さんも加わりました。その方はつい最近まで共産党員でした。お酒が進むにつれ、自然に、共産党についての意見が戦わされました。通訳は倶さんです。元共産党員の弟子は、大ぴらには言えないが共産党幹部の理不尽な権力の行使と、その腐敗振りについて語りました。中国14億5000万人の内、共産党員は約8000万人とのことでしたが、誰でもがなれるわけではなく、学歴と金とコネがものを言うそうでした。投下した金を取り戻そうと賄賂が横行するのは当然のこと、と元共産党員は嘆きました。共産党員であらずんば人にあらずの風潮が蔓延し、その傾向は益々ひどくなり、企業から貢ぎ物を当然のように受けた党員幹部は、世界の風光明媚なところに土地を買い、家を建て、子息を留学させ贅沢な暮らしをしている、「許しがたい」とマオタイ酒で赤くなった顔を更に赤くしてまくし立てました。更に、日本の北海道について語りました。「中国の弱みは水です。飲料水です。共産党幹部は水飢饉を予測して日本の北海道の山林を買いあさっています。水が豊富だからです。日本はそれについて無防備過ぎます。やがて、水源豊富な北海道、東北の山林は中国共産党のお偉いさん達のものになるでしょう、と日本への苦言を呈し始めました。この水問題は、私には初耳でしたので、遙か昔の酒の席での話なのに、私の耳には今もこびりついています。
 14億5000万の人間を束ねるのに、民主主義、自由主義はある意味では不適切かもしれません。かといって一党独裁の権力の行使は必要だとしても、それが行き過ぎた場合どうやって制御できるのか、怖ろしいことになりはしないか、とその夜の議論は白熱しました。

 この宴席の費用と、書家への作品代金は私が持ちました。作品は後日送られてきました。大きな二枚の額字です。その作品は地下の音楽室にあります。なかなかのものです。

 

2020年4月24日             中国離れ(2)           

 仮に、半年か10ヶ月後、コロナ騒動は一応治まったとします。航空機は飛び始め海外旅行も再開されるでしょう。私はそれを心待ちにしているのですが、例えば、私たち日本人がパリのレストランへ入ったとします。東洋人は胡散臭い目で見られるのではないでしょうか? 欧米の人には中国人も日本人も区別がつかないでしょう。偏見の余り、「東洋人の来店お断り」の札が店頭に掲げられるかも知れません。まさか、日の丸のバッジを付けて入店するわけにもいかないでしょう。

 先が見えている私の、この先の秘かな望みは、パリのルーブルへ再び行って、高級レストランで「フォアグラ・トリフ」を満喫すること。それにもう一つ。ロシアのエルミタージュ美術館を訪れ、本物のキャビアをいただくこと、です。

 今の状態では、今後一年間、あるいは二年間に亘って、実現が不可能に思われてなりません。

 

2020年4月23日             中国離れ(1)

 人民元の対ドル相場が日を追って下落しています。今日現在、約20%下落し1ドル6・55元となっています。これは相当な落ち込みです。世界は面と向かって言わないまでも、中国離れを加速させています。通貨相場はいつの時代でも経済の流れに端的に即応します。通貨の価値が下がるのは、その国が信用されなくなったからです。つまり、世界は中国を嫌がり始めました。面と向かって非難はしないまでも、「中国とのお付き合いはしたくないよ」、「あんたの国は信用できないよ」という気持ちが通過相場に表れ始めたのです。新コロナウイルスが中国武漢を発症源とする、生物化学武器としての人為的漏洩であっても、確実な証拠がない限り、世界は中国を非難することはできません。しかし、言葉で表すことができなくても、世界は方法を知っています。それが通貨相場です。

 中国共産党の狙いは、ドルを基軸とする今の世界経済を、「元」に替えることを最大の目的にしていました。その野望は、今回の武漢ウイルス漏洩によって完全に挫かれた、と言っていいでしょう。それを如実に示し始めたのが、パキスタン、モンゴル、ポーランドです。続いてイギリス、ドイツです。スリランカ、マレーシアなどアセアン諸国もそれに続きます。一帯一路に賛成していた国々のほとんどが中国離れに舵を切り始めました。中国資本の導入を、諸手を挙げて歓迎していたアフリカ諸国までもが中国を厭い始めました。習近平の「一帯一路計画」が、お金と共に殺人兵器までも持ち込んだからです。

 一方、アメリカもコロナによる甚大な被害を受けています。でも、強敵「元」がオウンゴールで去って行くのを目の当たりにして、内心、ほくそ笑んでいる筈です。

 

2020年4月22日          オン・ライン診療

 感染が疑わしい人々を、次から次と対面して診察する医師や看護師のご苦労はいかばかりでしょうか? 私たちの想像を絶する苦しみであるのは間違いありません。何とか軽減してあげられないものか? そこで考えられるのはオンライン診療です。スマートフォンでもそれは可能でしょう。予約制にして医者とネットで対面したら、先ず自撮りして顔の表情を医者に見てもらいます。その場で体温を計ってその数値を見せます。症状を訴えます。判定を仰ぎます。感染が疑わしい場合は直ちに薬が処方されます。アビガンが宅配便で送られてきます。患者の経過はオンラインによって、逐次、病院に通報されます。それによって担当医は指示を出すことができます。

 如何でしょう? 今はネットの時代。これを使わない手はありません。グーグルやフェースブックなどの大手に任せるのではなく、それぞれの地域で、診察区域を区切って始めてもらうのです。楽天の三木谷当たりが音頭を取ってくれたらなあ、と思います。これが可能になれば、病院、医師、看護師の負担はどんどん軽減されるでしょう。明るい未来が想定されるでしょう。

 新コロナウイルスに限っての「オンライン診療」、一日も早い開設を望みます。 

 

2020年4月21日          一人10万円

 コロナ禍により減収を余儀なくされた人、及び企業に対して30万を保証する案が葬られ、国民一人々々に漏れなく10万円を支給する案が可決されました。公明党からの強力な圧力があったようです。私もこの案には賛成です。ですが、私自身、コロナによって減収を強いられたでしょうか? 同じように、高額所得者や高齢者・年金生活者はどうでしょうか? ほとんど影響はないのでは? 

 一律支給は、一見、公平に見えて、実は不公平だと思います。影響を受けていない階層の人々は、甘んじてこの恩恵を受けるべきではない、と私は思います。内閣閣僚は支給対象としないと、発表されましたが、同じように高額所得者や、年金受給者などは、ハッキリ言って辞退すべきです。少なくとも私自身について言えば、お陰さまで何とかできているのですから、辞退に応じます。

 そこで、提案です。私同様に影響を受けていない者の10万円は寄付してもらうのです。寄付を受け付ける機関を臨時的に設けるのです。かなりの金額が集まると予想されます。その金を本当に困っている人々へ再配分するのです。一部の人には10万円ではなく20万円にして差し上げるのです。

 私が思うには、今、一番苦境にあるのは大学在学中の4年生ではないか、と思います。就職活動をしようにも、どの会社も門戸を閉ざしています。不安に苛まれながらの毎日であるでしょう。これからの社会を担うのは彼らです。彼らの現在を助けるのは正に日々のお金です。

 政治家の皆さん、ここのところ良く考えてもらいたい。未来を担う学生諸君に光を当てる、そう願いたいのです。 

 

2020年4月20日      高原剛一郎のユーチューブから

*中国武漢で新コロナウイルスが 「X研究所」から漏れたのは11月17日。

*サーズにそっくりとして武漢協立病院に8人の研究者が入院したのは12月8日。

*武漢市都市閉鎖は1月23日(中国の春節は1月23日から1月30日)。

*閉鎖を予測して市民500万人が諸外国や各地に出た。これが感染の始まり。

*1月の初め、中国政府は世界各地に散らばる中国企業に命令を出した。防護服70万、防護手袋50万、人工呼吸器数万、消毒液10トンなどが中国に集まった。その結果,西側諸国からなくなった。日本からも消えた。

*いま、中国はそれらを低開発国に提供している。条件はファーウエイを使うこと。

*中国の共産党高官が感染し重体となり、肺の人工移植を受けた。僅か5日でドナーが見つかった。登録している生身の人間からだった。デービット・マスターズ著「臓器狩り」という書物を読めばオドロキの連続。

*国連には15の国際機関があるが、そのうち5つの組織のトップは中国人。また、10の機関のサブ・トップも中国人が占めている。国連はほとんど中国に乗っ取られているに等しい。WHOもそのうち一つだが、トップのペドロフは元エチオピアの共産党員。人権委員会は慰安婦問題、南京虐殺問題、パレスチナ問題に力を入れている。なぜなら、韓国やイスラム諸国からの突き上げによる。一方、低開発国に援助する際、ファーウエイを使うことが条件。

*アメリカ・トランプは、ニューヨークにある国連本部をアメリカに返せと言い続けている。中国一辺倒の国連を脱退して、新たな国際組織を作る動きが秘かに進んでいる。初めはG7の7カ国とロシアで。

*世界中の70の製薬会社や大学研究室がコロナのワクチンの開発にしのぎを削っている。ワクチンを握る者が世界を征すると言っていい。オックスフォードでは9月から試験開始するらしい。中国も進んでいる。なぜなら、世界より二ヶ月も早く検体を持ったからだ。

 以上が、昨日の高原剛一郎のユーチューブのメモです。このあと、聖書の予言が、いかにその通りに現実世界に現れているか、更に興味のある話が続くのですが、割愛します。これからの世界はBC(ビフォア・コロナ)、とAC(アフター・コロナ)となり、この件で一度として世界に対し謝らないばかりか、かえってコロナを利用して世界の覇権を握ろうとする中国と、そうはさせじ、とするアメリカとの対立は益々激化するだろう、と彼は誰もいない会場での熱弁を終えました。

 

2020年4月19日           週刊碁新聞のこと

 今日の日曜日、12時から始まるNHK2チャンネルの囲碁番組は小林覚9段と女流の藤沢里菜さんの対局でした。解説は女流棋士の中で一番美人の梅沢由香里さん。何と、里菜さんが中押しで勝ったのです。小林覚さんは今は日本棋院の理事長になっているため超多忙であるのでしょう。それにしても里菜さんの最近の活躍は見事です。彼女は囲碁界の怪人藤沢秀行さんの姪にあたります。秀行さんの打碁集「飛天の譜」は書庫に収まっているのですが、これは秀行さんから直々にいただいたものです。飲ン平の秀行さんとは新宿歌舞伎町のバー「鎧屋」、「樽屋」でよく一緒になりました。正体もなく酔い潰れるのでどれだけお手伝いさせられたことか。また、彼の二号さんが、銀座で「青山」というクラブを開いていて、碁盤が置いてありました。政官財の囲碁好きの夜のたまり場でした。

 日本棋院が週刊囲碁新聞「週刊碁」を発行するに当たって、取引先を朝日にするか、読売にするか、毎日にするか、揉めたことがあります。朝日は昔から「名人戦」を主宰し、連日紙面に掲載しています。読売も棋聖戦、毎日は本因坊戦です。つまり囲碁人口を読者に囲い込むため、全国紙も、ブロック紙も、地方紙もシノギを削っていたのです。それは、囲碁人口は減りつつあるとはいえ、今に続いています。

 日本棋院の週刊碁の担当者は鈴木さんとおっしゃる古強者です。朝日側は当時局次長であった宮沢君と宣伝部長の私です。二人とも日本棋院から4段の免状をもらっています。折衝は難航しましたが、結局、読売、毎日を押し切り、週刊碁新聞は晴れて朝日新聞協力紙会の仲間入りをしました。それを記念してゴルフ会が千葉の浜野GCで行なわれました。週刊碁を毎週印刷する日刊スポーツ印刷社長の前島さん、それに今をときめく三冠王(名人・棋聖・本因坊)超治勲さんと鈴木さんと私が、第一組で回りました。

 そのお蔭もあって、プロ棋士と対局するチャンスも何度かいただきました。テレビの囲碁チャンネルにも出演させてもらいました。今日、藤沢里奈さんに勝ちを譲った小林覚さんにも打ってもらったことがあります。宮沢君も、あの依田紀元名人に打ってもらっていました。宮沢君との対局は、生涯に亘ってどのくらいの数になるでしょうか? 恐らく2,3千局ではきかないでしょう。きっと、私が行くのを待ち焦がれていることでしょう。

 

2020年4月18日          イノチを考える日々

 夜半から降り続いていた雨は、朝方には風を伴い、嵐の様相となりましたが、午後4時頃にはピタリと止んで、陽が射し始めました。夕日が、もう夏かとまごうばかりの積乱雲に反射して輝いているのを、猫額のベランダから、しばらく、見取れていました。葉桜になった桜を見に公園へ行ってみると、水たまりを避けて、もう、子どもたちが遊んでいます。保育園も、幼稚園も、学校もお休みのせいか、普段は余り見かけない家族の姿を見かけます。コロナのお蔭で仕事の量が減り、中には在宅勤務になっているお父さんもいるようで、ぎこちなさそうに前向きに赤ちゃんを背負い、お母さんは、というと2歳ぐらいの子を乗せて乳母車を押し、その横を幼稚園の年長組らしい子が誇らしげに歩いているのをみかけると、大変だな、と思いながらも、自然に微笑が綻びます。

 だから、コロナも捨てたものじゃないと思えるのです。家族のあり方を含めて自分の商売や仕事について考え、そしてそれを見直す、いい機会が与えられている、と思えるのです。人生の一時期に、自分の人生について反省の機会が与えられたにも等しいのではないでしょうか。 更に、万が一にもコロナに感染すれば、死の恐怖に直面します。だから、「イノチというもの」について改めて考えるチャンスでもあるのです。過去の生き方に思いをいたし、これからどう生きてゆくかについて、改めて考えを巡らす、そういう機会ではないでしょうか? いたずらにこの未曾有の時期を嘆くのではなく、「危機をチャンスと捉える」、発想の転換をしたいものです。

 

20年4月17日                       ショック

 ヤボ用があって麹町の去る事務所まで行く日です。練馬駅からは有楽町線で一本です。午後二時頃でしたから、空いている時刻帯でしょうが、ホームに人影がありません。十数人の乗客は全員がマスクをしています。10両編成の電車が来ました。ガラガラのガラです。一車両4,5人、ほとんどドア際の席にいます。池袋へ着きました。大勢の乗り降りがあるはずなのに、全くありません。10人ほどが乗ったり降りたりしただけです。飯田橋でも、市ヶ谷でもそうでした。麹町で降りた時、改札口に向かう人数を数えてみました。たったの8人でした。ウヒャーと思いました。

 その帰り道、買い物があったので池袋で降りたのですが、何と、西部も東部デパートも全館お休み。ただ、地下の食料品売り場だけは開いていました。覗いてみましたが人影はまばらでした。帰宅してからの夕方、必要があって近くのスーパーへ買い物に出かけました。何とほとんどの商品が売り切れ、レジは長蛇の列。

 面白い、ショッキングな経験をしました。

 

2020年4月16日          祐乗坊英昭

 毎週の週刊朝日に連載される、嵐山光三郎の「コンセント抜いたか」を愛読しています。國學院大卒業後、平凡社に入り、編集者として活躍しましたが、その後退社を余儀なくされ、自立し、作家、エッセイストとして活躍しているのは周知の通りです。「文人悪食」を始め数十冊ではきかない彼の本は、私の大切な蔵書になっています。 ふとしたことで、彼の本名を知りました。祐乗坊英昭(ユウジョウボウ・ヒデアキ)というのだそうです。彼の父親は(ユウジョウボウ・ノブアキ)、何と朝日新聞社員でありました。しかも、デザイナーであったとか。私が入社した頃、青山や、国立に社員用の社宅がありました。その社宅が払い下げになりました。彼はその国立で育ち、中学高校も国立で成人し、今もその旧社宅に住んでいます。父親はその後、多摩美術大学へ教授として転出しましたが、一時期、彼も私も朝日の禄を食んでいたことになります。母親はヨシコさんとおっしゃって103歳でお元気です。時々彼のエッセイに登場しますが、不思議なことに奥さんや、お子さんのことは全くといっていいほど知れていません。どなたか、ご存じでしたら教えてもらいたいものです。彼の弟はユウジョウボウ宣明といって、造園家で多摩美大の講師であることまでは分っています。

 嵐山光三郎の大きな特徴は、世の奇人・変人・怪人・との付き合いが多いことでありましょう。例えば、檀一雄、深沢七郎、村松友視、坂崎重盛、南伸坊、安西水丸、糸井重里など。ある意味では、編集者であったが故に交友が広がる、という幸運があったのでしょう。

 彼はまた、大相撲の愛好者でもあります。数年前、国技館へ行ったとき、たまたま通路で彼とすれ違いました。鋭い切れ長の目、そしてチョビ髭、気になったのが彼の足取りが大儀そうであったことです。1942年の生まれですから、まだ78歳。好漢の一層の活躍を祈って止みません。 

 

2020年4月15日           発熱外来 

 院内感染はコロナ感染の疑いのある者が、一般外来で受診することをもって発生します。こんなことは常識です。発熱外来と一般外来は分けよう、という動きがようやく出てきました。東京都医師会が動き出したのです。遅きに失した感もありますが、これによって医師や看護師の院内感染を防ぐことができるでしょう。東京都内に4ヶ所設けるそうですが、やがてはもっと必要になる筈です。それにしてもその隔離施設で働く医師や看護師の皆さんはご苦労なことです。毎日が命を張っての仕事になるからです。

 一方、イギリスのジョンソン首相が感染し、一時、重体が伝えられましたが、退院した、と報ぜられています。そこで疑問が生じます。再度の感染はあるのか、ないのか、ということです。治癒すれば体内に免疫抗体ができ、再感染はない、と言えるのかどうかです。感染し、治療を受け、治癒して退院した人達は大勢います。どうなのでしょう。

 また、若いときにBCG注射を受けた人は、体内に免疫抗体があるから感染しても軽くて済む、と言う説もまことしやかにまかり通っています。これもまた、どうなのでしょう。ややこし、ややこし、の連続です。

 

2020年4月14日                   イベルネワクチン

 恐らく今は、世界の製薬会社や大学研究室ではコロナに対するワクチンの研究にシノギを削っているでしょう。ノバルテス・ファーマーがいち早く新薬の開発に成功しそうだ、という情報も乱れ飛んでいます。この会社は日本への足がかりを得る段階で、朝日学生新聞社が主催する催事のスポンサーであったこともあります。女社長が来日してその催事の表彰式で同席したこともありました。

 一方、アビガンという新薬がコロナに効く、という情報もあります。ただ、感染の初期段階に投与しなければ効かない、という欠点あるようです。ここへ来て 「イベルネワワクチン」というすべての寄生虫除去に効く新薬が脚光を浴びています。これはノーベル賞を受賞した大村教授がゴルフ場で発見した極小微生物だそうです。新型コロナウイルスも、いわば、極小の寄生虫だと捉えれば地中から発見された反作用物質も効果があるかもしれません。

 院内感染が爆発的に起き、医療崩壊にさえなっている現状を救うのは新薬です。ワクチンの発見です。恐らく1年はかかるでしょうが、新薬は必ず現れる筈です。それまで、自分の免疫力をあらゆる方法を使って高めながら、時の経過を待つより仕方がありません。

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