最近のエッセイ

2020年6月17日           東京都知事選

 新宿西口の淀橋浄水場の跡地に高層ビルが林立し始めた頃です。丹下健三の設計による、これも超高層の、ドデカい都庁が出現しました。その頃、朝日新聞紙上で人気のあった「サトウ三平」の四コマ漫画が載りました。

 都庁を囲んだ群衆に向かって三平が問いかけます。「誰かこのビルの中へ用事があって入ったことある?」 群衆が叫びます「ナイ、ナイ、ナイ」、「これから先、このビルへ入る用事を持っている人、いる?」、「ナイ、ナイ、ナイ」

 私も同じです。ただ、国際免許の取得に2,3回行っただけです。本当は近くの警察署でも取得できたのでしたが、、、、

 この巨大ビルを束ねる東京都知事選挙が明日、公示されます。

 歴代の知事はこういう人達でした。まず東龍太郎。もう亡くなりましたが石神井公園の脇に今もって豪邸があります。続いて美濃部亮吉、鈴木俊一、青島幸男と続きました。石原慎太郎は2期やりましたか。彼は都民の金で尖閣列島を購入しました。次の猪瀬直樹は私の長野高校の二年後輩です。沖縄の病院「徳州会」からの献金問題で辞職しました。舛添要一は当初は人気があったものの、激しい公私混同振りがあげつらわれ、辞職に追い込まれました。そして、現在の小池百合子。可も無く不可も無く、と言ったところでしょうか。

 さて、立候補者ですが大勢いても、これはという人がいないのが残念です。宇都宮健児はこれまで何回も立候補はしては次点で甘んじてきています。弁護士会の重鎮であり学歴も申し分ないのですが、如何せん、共産党支持で慰安婦像を国会前に造れという持論を展開しています。それに73才ではもう年です。50台、60台でなければ激務をこなせないでしょう。小野泰輔は元熊本県副知事でしたが、未知数です。NHKから国民を守る党の小野泰輔は論外でしょうか。その中へ山本太郎が飛び込んで来ました。彼は関西の高校中退で最初は芸能界にいましたが、小沢一郎と組みました。言っていることは正に正論ですが、果たして都庁という伏魔殿を改革できるか? かといって小池百合子を再選させていいものか?

 都民の税金を膨大な人数の都庁役人が使い放題にしている伏魔殿・都庁! 先が見えている私にとって「この人こそ!」と言える状況でないのが残念でなりません。

 

2020年6月16日       一帯一路の瓦解

 中国共産党主席習近平が提唱した「一帯一路」構想に同調し、署名している国は現在120カ国にも及びます。国内のインフラ整備を中国マネーに頼り、自国を活性化させたい思惑が見え見えの国が真っ先に賛同しました。

 ヨーロッパではポーランド、スロバキア、ハンガリー、ギリシャ、ポルトガル、スイス、オーストリア、イタリア、スペイン、ロシアなどです。流石に、イギリス、フランス、ドイツは批判的です。

 アジアでは、インドネシア、イラン、トルコ、シンガポールです。ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアは入っていません。

 アフリカは、エジプト、ケニア、エチオピア、セネガル、南アフリカなど多数です。今、これらの国々が一致して中国に要求し始めたのは、借款の一部を減免しろ、というものです。つまり、「金貸しが引き起こした疫病の結果、多大な損害を受けたその賠償として返済金を負けろ」という要求です。殊に、中国の120を超える各都市と姉妹契約を結んでいるイタリア、スペインは、中国で発生した疫病により多大の被害を被りました。怒り心頭を発しているでしょう。アフリカ、アジア諸国も解ってきました。「中国の申し出を受けていると、いつの間にか国が中国に支配される」と。

 僅か80年前、世界はヒトラーのナチズム台頭と、日本の軍国主義に苦しみました。ドイツはアーリアン民族至上主義を掲げ600万人のユダヤ人を虐殺しました。日本も軍部が台頭し、「大東亜共栄圏」の旗印を掲げ東アジアの民衆を苦しめました。

 同じ論理が「一帯一路」に込められている、と言ったら言い過ぎでしょうか。中国では貨幣の「元」は無尽蔵に印刷されているようです。その金をばらまく目的は、、、、、それは世界制覇以外の何者でもないでしょう。

 世界はコロナを契機として、中国の野望を見抜いたのです。折から、共産党内部でも「反習近平」の動きが活発になりつつあります。80年前のような悲惨な戦争を起こさないで、中国共産党を世界は瓦解させることが出来るかどうか? それがこれから問われるのです。

 

2020年6月15日    今日現在・主要国の数字

               感染者            死亡者  

*アメリカ       2,046,643        114,672

*ブラジル         828,810          41,828

*ロシア           510,761           6,705

*インド            297,535           8,498

*イギリス           292,259          41,481

*スペイン           243,209          27,136

*イタリア           236,305          34, 223

*ペルー            214,788           6,088

*ドイツ             187,266           8,783

*イラン             182,525           8,659

*トルコ             175,218            4, 778

*フランス           156,287           29,374

*サウジアラビア    119,942              893

*カナダ             97,530            7,994

*中国              83,075            4,634

*日本           17,382              924

*韓国               12,051               277

 この他、感染拡大を抑えることに成功している国はニュージーランドとベトナムと台湾です。ベトナムは海岸に面した細長い国で、陸からの侵入を防げば防御は可能です。日本を含めて島国であることが幸いしているのでしょう。

 今後、南米大陸とアフリカ大陸がどう推移するか? それによって来年に延びたオリンピックの開催の是非が問われるでしょう。それにしても、アメリカの感染者数は異常です。人種差別の隠れた弊害が現れているのです。中国に対する憎悪をむき出しにする政策が拡大し、局地戦争の可能性が顕在化しつつあります。イヤハヤです。

 

2020年6月14日            文化国家

 この数ヶ月、私の場合は家でゴロゴロしていても生活に支障を来すことはありませんでした。少ない額ではあっても、厚生年金と、企業年金のお蔭でした。しかし、自分が培った芸や技術を人様を集めてお見せし、その収入によって生活する人達の場合はどうでしょう。例えば文化座の佐々木愛さん。5月は沖縄公演が予定されていました。当然、延期となりました。劇団員のほとんどは内職をしているとは聞いていますが、専門職の人はどうなるでしょう。音楽家もそうです。NHK交響楽団員なら、定額の給料が保証されているでしょうが、自分の力だけで生きている芸術家や音楽家の場合はどうでしょう? もし、今の状態が、半年、あるいは1年続いたとしたらどうなるでしょう? 芸術、文化の担い手達は悲惨な状態になるのではないでしょうか。

 そこで、文部科学省の出番です。その人が持っている芸術、文化を担保に現金を貸し出すのです。一年分の生活費があれば何とか凌げるのではないでしょうか。日本は名だたる文化国家であります。その文化の担い手達が困窮しているとき国家が手を拱いていていいわけがありません。企業や商店を救う以上に大切なのは、この際、文化の担い手達に優遇措置を講ずることです。

 

2020年6月13日          コロナ0号患者は女性研究員

 過日、世界保健機構「WHO」の年次総会が開かれましたが、「ONライン」 による異例の総会となりました。事務局長のエチオピア出身のペドロフは、自身も共産党員であることから中国共産党の言うがままの情報を鵜呑みにして流し、世界中から非難を浴びているのは承知の通りですが、「WHO」の内部組織は国連と同様、完全に中国人によって占められているため、「ONライン」会議は紛糾に紛糾を重ねました。しかし、今回のコロナの発生源を精査するための「特別調査委員会」の設立については、世界の122ヵ国が賛成しました。音頭をとったのはオーストラリアでした。

 中国は直ちに報復措置を講じました。オーストラリアからの大麦の輸入に80,5%の関税をかけたのです。今まで親中国であったオーストラリアは怒りました。そして嫌中国に舵を切ったのです。

 今回のコロナ禍の第0号患者は武漢の中国微生物研究所の女性研究員であることまで解ってきました。実験用にコウモリを使ったようですが、明らかに人為的ミスによるものです。しかも、その研究所が生物化学兵器開発の総本山であることも、ハッキリしてきました。この事実をいち早く「WHO」に昨年12月末に知らせたのは台湾です。その台湾を「WHO」のオブザーバーとして招くことに大反対したのが中国です。

 中国共産党の恥を知らない態度に、嫌気をさし始めた世界の国々の数は次第に増えつつあります。その責任者である習近平を、あろうことか、日本は国賓として迎えようとしています。

 

2020年6月12日                   コロナのお蔭?

 タイ・チェンマイは今は雨期に入りましたが、乾期の時はスモッグで大変です。周りの山々が見えなくなります。更に酷いのはバンコックです。車とバイクで街中が溢れ返っているからです。中国も酷い。上海に近づくにつれ上空が赤く染まり始めます。かなり低空になっても街が霞んで見えません。PM2・5、PM10、一酸化炭素、酸化イオン、粒子状物質で都市が汚染されているからです。世界で最も汚染が激しいところはメキシコだそうです。周りが山で囲まれ、スモッグの逃げ場がないのです。次がインド。デリーの人口は倍増しています。続いてアメリカ。世界汚染会議の仲間入りを拒否して15年経っています。その次が中国。でも、石炭を止めてからかなり改善されているようです。北京蒼天など大昔の話です。続いて悪いのが南米のチリ。銅の精錬工場が多く、昔の足尾鉱山を思い出させます。

 ところがこの半年。インドでは今まで見えなかったヒマラヤ山脈が見えるようになりました。スモッグで30年間も、仰ぎ見ることが出来なかったのに、今は見えるらしいのです。イタリアのベネチアでは水質が改善されて魚が寄ってくるようになっています。何のせいでしょうか? 

 それはコロナのせいです。世界の人々は恐れをなして家に閉じこもるようになりました。車もバイクも走らなくなりました。汚染物質をまき散らしていた工場が活動を停止するか、半減を余儀なくされています。統計では、スモッグによる死者は77,000人も減ったそうです。一方、コロナによる世界の死者は今日現在394、531人です。

 

2020年6月11日                       門戸を閉ざす

 今年、タイ・チェンマイに滞在したのは1月17日から2月6日まででした。最終日の前日の5日、北京ダックのお店へ行ったとき、通常は300人は入って大賑わいになるのに、お客はたった一組でした。異様な雰囲気でしたが、それは全くの前哨戦で、いま、タイ国は厳重な出入国管理下に置かれています。チェンマイに居住する畏友の堀田さんは3月初旬、青森の大学へ留学する学生4人を連れて来日しましたが、14日間、隔離され行動を束縛されたそうです。その上、10月までは「タイ国への帰国は相成らん」そうです。聴けば、外国人は10月まで入国が出来ない、とのこと。

 その上、タイ国営とも言うべきタイ国際航空が1兆円の負債を抱えて倒産しています。日本の空、仙台、札幌、九州、関空、名古屋の航路は廃止され、この先の見通しが全く立っていないとか。

 チェンマイはハワイと同じ緯度上に位置しているため、気候は温暖で外国人に人気があり、街中は人で溢れ返っています。中国からの観光バスも目白押しです。それが、今はひっそりとしているとか。中国・韓国からの観光客が潮が引くようにいなくなってしまった大阪、京都同様になっているそうです。

 タイ国は新しい王様になって以来、新しいことに挑戦しています。先ず、スーパーやコンビニで無造作に使われていたビニール袋の提供が廃止されました。日本では有料化されているだけですが、向こうは無料有料を問わず一切禁止です。酒類の販売は夕方5時まで、これも禁止です。空港では煙草類が消えました。当然ながら空港内の喫煙室も一切なくなりました。一般の飲食店内も喫煙不可です。加えて、観光客の激減です。タイ国の商人達の悲鳴にもただならぬものがあります。 

 

2020年6月10日            時

 今日は確か時の記念日。私が時計を持たない生活を始めて約50年。それには苦い想い出があります。当時、沖縄の那覇の国際道リには世界の貴金属が格安の値段で売られていました。コザの商店街で繁盛する店を経営していた義母から腕時計をいただきました。オメガの金時計です。ところが、五年後その時計を無くしてしまいました。義母はまた買ってくれました。オメガのコンステレーションです。当時のお金で10万円以上したでしょう。

 ある日、箱根温泉で開かれた囲碁の会に、親友の竹内君の誘いで参加しました。十数人の集まりでした。迂闊にもお風呂場の脱衣所にそのオメガを置き忘れたのです。竹内君は、全員の前で時計の件を話してくれました。誰も返事をしません。泊まり客は我々以外にいません。この中の誰かが秘かに持っているはずです。でも、それ以上追求出来ません。実に悔しい思いをしました。その時「俺は一生涯腕時計を持たない」と秘かに自分自身に誓ったのでした。

 一番嬉しかったのは、中学生になったときです。離れて暮らしていた父からお祝いとして、シチズンの夜光時計とコンサイスの英和辞典が贈られてきました。嬉しかったですね。何度、夜中に起きては光る文字盤を眺めたことでしょう。時計は何時のまにか無くなりましたが、コンサイスはボロボロになって、未だ使われています。

 時計を持たない生活が50年余り続きましたが、特に痛痒を感じたことはありません。商店を覗けばどこかに時計はぶら下がっていましたし、隣の人の時計をそれとなく覗けばいいのでした。ところが今はダメです。スマホには時計が付いています。イヤでもオウでも時計は我が身に張り付いています。どこかに時計を内蔵していないスマホはないものか、、、、、と。天邪鬼ですが、私は思います。時を見ない方が、時と共にあることの喜びを知ると。

 

2020年6月9日            五老上書

 矢っ張り、中国共産党内部では凄まじい権力闘争が起きているようです。「五老上書」という胡錦濤などの過去の権力者五人による建白書が出されていたのです。今回の事件の責任をとれ、と習近平に迫っているのです。共産党内の若者集団に「太子党」があります。習近平も以前はこの集団に属していました。いわば、権力者であった人達の師弟で構成されていて、今回は登ショウヘイの息子・登ボクショウが太子党を率いて、習近平の責任を追及し始めています。昨年11月末にコロナウイルスの存在が武漢で発覚したのに、対応を誤ったばかりか、世界的規模にまで拡大させてしまった責任は習近平にあり、と真っ向から政権中枢部に批判を浴びせています。

 更に五老上書には、香港問題も取り上げられているようです。五老達にしてみれば、自分たちがやってきたことにケチを付けられては、堪ったモノではないという自負があるからでしょう。

 さあ、面白くなりました。共産党といえども人間はいるのです。作用があれば反作用が起きるのです。さて、どうなりますか?

 

2020年6月8日                             一国二制度

 1997年、イギリスの統治下であった香港は中国に返還されました。その時の条件は、「五〇年間は資本主義国として 、社会主義の中国とは異なる制度を維持してよろしい 」というものでした。香港は言論、報道、出版の自由、更に集会やデモの自由が認められたのです。にもかかわらず、今年の全人代で李克強首相は「香港に新たな国家安全法を導入する」と発表したのです。すなわち、約束違反を堂々と宣言したに等しいのです。

 香港市民の怒るまいことか! 世界もいち早く反応しました。日本も既に反対表明をしています。ここへ来てアメリカ・イギリス・フランス・オーストラリアの四カ国が反対の共同声明を発表しました。日本にも参加の要請がありましたが、日本としては既に反対を述べているのでヤンワリと断ったとか。

 それにしても中国共産党は誠に勝手な国です。領土といい、領海といい、国家の制度といい、自分たちに都合のいいように解釈して何ら恥じません。コロナについても自国の武漢の研究所から漏れたにも拘わらず、一言の謝りもありませんでした。かえって、自分たちの医療設備を後進国に援助していることを自画自賛している始末。全くもって、恐れ入谷の鬼子母神、、、、です。

 いま、この件を含めて、アメリカとヨーロッパは中国共産党に対して怒り心頭を発しています。ことによると熱い闘いに突入するかも。それを恐れます。

 

2020年6月7日                           痛快無比

 木曜夜7時、「夏井いっき」という小母ちゃんが、着物姿でテレビに現れてタレントや芸能人が作った俳句を、ズタズタに切りさいなんで添削します。言葉の位置を替えたり、違う言葉に置き換えるだけで、駄作の俳句が生き生きしてくる。それをやっているのが小柄な小母ちゃん(六五才)。何とも痛快なので、毎週楽しみに見ています。

 旅役者の女形だった梅沢富美男、宮崎県知事をやった東国原英夫などが「名人」、「特待生」になっていますが、今までに無数のタレント芸能人が「凡人」「才能ナシ」と切り捨てられました。酷いのはのは、何とかさんの「ドドドーン蚊動き止まる空の花」、傑作は北野神社の兼題で、藤本某の「肩車子の鼻先に触れる梅」

 俳句は自分もやってきましたが、また、北七同窓会の句会のメンバーでもあるのですが、これがなかな難しい。奥が深いのが俳句の魅力でもあります。私の仕事場の壁には「五月雨を集めて速し最上川」、と「荒海や佐渡に横たう天の川」の色紙が貼ってあります。この短い言葉の中に、言えることは一つ。「詩がある」のです。

 では、次の句は夏井いっき先生ご自身の俳句です。ここに果たして詩が流れているでしょうか。「仏法僧廊下の濡れている理由」、「遺失物係の窓のヒヤシンス」、「惜春のサンドバッグにあずける背」、「さっきまで音でありたる霰かな」、「新大久保大根キムチ色の空」、「空蝉となるべく脚を定めけり」  

 

2020年6月6日             疑心暗鬼

 コロナが始まって、「一番嫌だなあ」と思う感覚の一つは人を疑う心です。「もし、この人が感染源となったらどうしよう」と心の中で思ってしまう、浅ましい心根です。自分の息子に対してすらそうなのです。そうでなくても私の三男は夜の仕事をしているので、絶えず、感染の機会に晒されています。自分だけは感染から免れたい、もし、感染したら、、、、その、得体の知れない恐怖感、、、これまでの人生で感ずることがなかった人間不信、、、、自然に沸き起こってくる拒絶感、、、、この感覚はコロナによって惹起された新しいが、悍ましい、そしてイヤな、あってはならない感覚でしようか。 しかも、そういう気持ちを悟られまいとする妙に演技する自分、、、、、二重人格になったようです。

 恐らく、ほとんどすべての人達はこういう心境にあるのではないでしょうか?そしてこういう感覚がコロナが終焉するまで、恐らく二年はかかるでしょうが、それまでつづけなければならない、この厄介さ! コロナは人間の呼吸機能を犯すに止まらず、人間性まで破壊する嫌らしい微生物なのです。

 

2020年6月4日              満 月

 夜8時、猫額のベランダへ出てみると、満月に近い月が燦然と輝いています。ポーランド・ワルシャワで遭遇した満月ほどではありませんが、しばし、いろいろ考えさせられました。高校二年生の時、人生の疑問に駆られて家人に黙って家出したことがあります。ルパーシカを着てナップザックを背負い、おまけに古木の杖を持ち、長野駅から上野へ向かいました。当時の信越線は準急でも四時間半かかりました。兎に角、海を見たい、横須賀線に乗って久里浜へ着きました。歩きに歩いて海岸へ達し、深夜の波音を聞きながら浜辺の片隅に野宿しました。奇しくもその日が満月でした。その月を仰ぎながら、「そうか、俺は俺の意思で生きているのではない。何者かによって生かされているのだ。自我にこだわってはならない。自我を捨てよう。大いなる意思の元に俺は生きねばならない」と思ったのでした。大いなる意思とは何か? キリスト教ではそれを神とします。私は中学三年の時から日本キリスト教団長野教会に通っていましたが、そして今も練馬の教会に通っていますが、未だ受洗していません。恐らく、受洗しないで一生を終えるのではないでしょうか。でも、高校時代から、ロマ書のパウロの言葉、「我もはや生きるにあらず、キリスト我が内にありて生きるなり」を金科玉条にして今日まで生きてきました。そして、その契機になったのが満月を仰ぎ見た時からなのです。今日仰ぎ見る満月も、格別な思いを私の心の奥底へ語りかけてくれています。

 

2020年6月3日             差 別

 警官が一人の黒人を暴行殺人した反応は大きく、抗議デモは全米に拡散しています。商店になだれ込んで略奪の限りを尽くしている始末。トランプは治まらないなら軍隊を入れて鎮圧するぞ、とまで言い出しました。「差別」がここまで拡大するとは誰が予想出来たでしょうか。背景には、コロナによる不安もあるでしょう。 

 アメリカには、日本のような国民皆保険制度がありません。理由は、高額所得者の白人達が、自分たちの納める税金が、路頭に寝泊まりする黒人達の医療費に使われるのを「是」としないからです。アメリカのある都市では、白人達がこぞって逃げ出し、白人だけのコロニーを作りました。その都市では税収が激減したため、図書館や公共施設の運営が出来なくなりました。この現象はアメリカ全土に波及し始め全米の泣き所になっています。民主主義、自由主義の本家本元は既に瓦解し始めているのです。

 大暴動の背景にはコロナどころではない白人至上主義があるのです。差別は、いくら「人は平等だ」と解っていてもなくなってはいません。人種差別、出生差別、島国差別は今もってなくなっていません。

 若いときから旅烏でしたから、しばしば差別の実態を垣間見ました。新潟県では佐渡島の人を「サドムジナ」と蔑称します。山口県へ行ったとき小倉や博多の同僚を、裏では「九州島の奴ら」と言っていました。鹿児島薩摩では、徳之島以南の島国の人を人間扱いしていません。更に沖縄本島では、宮古島の人を「ミャーコ」と呼ばわります。イヤハヤこれははやであります。つまり、島が小さくなることが差別を生む理屈なのです。同じことが日本と韓国の間にも厳然として存在しています。韓国は広大な大陸の一部に存在しているが、日本は小さな島国であります。偉いのは「俺たちであるからしてつべこべ抜かすな」という意識が韓国にあることが両国の関係を悪化させているのでしょう。

 

2020年6月2日           50年前のウヰスキー

 今から50年ほど前になりますが、私はウイスキーに凝っていました。一端の社員となって10年、建売の住宅を売って、72坪の敷地に母屋とアパートを建てた頃です。ヤマハのグランドピアノの横にウイスキーやブランデーを並べ始めました。サントリーが「水で割ったらアメリカン」とダルマを売り始めた頃です。廃糖蜜から採ったアルコールとカルメラで色づけされたダルマを「これはウイスキーにあらず」と周囲に漏らしながら、スカッチとブランデーを集め、ピアノの横の大きなガラス戸棚に飾っては悦に入っていました。

 今日、その時集めた最後の一本のウヰスキー「グレン・グランツ」の栓を抜きました。辛うじて保たれていたコルク栓をオーブナーを使って慎重に抜きます。ボロボロの木くずを慎重に避けながら、密閉されていたウイスキーの本体に達します。頃合いは良し、と見てビーカーに移し、更に古風な瓶に移し終えました。そして、一滴、口に含んだ時の、驚きと幸福感。実に、実に、幸せでした。今日は、私にとっての懸案だった事項が、奇跡的に解決された記念すべき日でもありました。

 でも懸案事項はまだまだ存在しています。その時のためにコニャックやブランデーの数本が控えています。「ナポレオン」が二本もあるのです。でも、私はどうしたものか、コニャックよりウイスキーの方が好きです、、、閑話休題

 

2020年6月1日                     オン・ラインと監視社会 

 コロナ禍のため、テレビも大学の授業も、ほとんどがオンラインで行なわれ始めました。つまり、授業が電波で飛び交うので、大学の講義を誰でも聴くことが出来るのです。閉鎖空間がオープンになったのはいいけれど、教員達は大騒ぎです。下手な講義が丸裸になりました。閉鎖空間をいいことに、惰眠を貪っていた教師達を覚醒させているようです。

 いま、10人が10人ともスマホを使っています。万歩計はあるし、カロリー計算も、店の予約も何でもスマホです。正にスマホは万能です。最近は更に進んだスマホが出現しています。タップするだけで検温が出来ます。血圧測定が出来ます。脈拍が表示されます。そして、ここが問題になっています。タップした記事や画像に対し、どれだけの時間を使ったか、どんな友人がいて、どんな話をしたか、スマホにどんな操作をしたか、そのすべてが記録され収録されるているのです。すなわち、反体制派の記事を読み、そのことについてどんな友人と、何を話したか、そのすべてがスマホの向こう側にいる人達に筒抜けになっているのです。

 これを秘かに実行しているのが中国のスマホ「ファーウエイ」です。この社のすべての製品には特別な端子が取り付けられていて、中国14億人は元より、世界各国の所有者のあらゆる個人情報が中国の「ある機関」に筒抜けになっている、と言います。

 何のために? 中国共産党が自らを守るためです。反対勢力の日常を監視し、少しでも動きがあれば、即刻、排除に向かうためです。

 実は、私が使っているのもファーウエイです。タイ・チェンマイのフェステバルで畏友堀田さんの見立てで所有しました。でも、もう、機種を替える元気はありません。なぜなら、私の個人情報など、当局に漏れたとて、どうでもいいではありませんか。試しに「中国共産党打倒」の文字を千回打ちこんでみましょうか?

 コロナ禍はオンライン社会の可能性について示唆してくれています。人間同士、直接遭わなくても、それ以上の収穫があることを教えてくれるています。つまり、高度な監視社会がコロナと共に出来上がって行くのでしよう。  

 

 

2020年5月30日          博多の山笠

 北九州小倉の病院や、東京小金井の精神病院で集団感染があったようです。小倉には「小倉記念病院」という心臓手術の権威ある医者がいて、全国からの患者で賑わっています。今回の感染がその病院だったら「ヤバイ」と思ったのですが、感染はそこではありませんでした。八幡製鉄が小倉・戸畑にあった頃、小倉の夜は大賑わいであったようです。朝日・毎日、読売の支社もそこにあって、新聞人も仲間入りさせてもらっていました。朝日の業務局長は、前沢、森本、宮沢、中沢と続いたのですが、夜の街の一隅のバーも引き継がれていました。何せ、狭い街ですから、局長の夜の行動は社内に筒抜けでした。

 有り難いことに、博多ではそんなことはありませんでした。博多駅前の朝日ビルは朝日の所有なので、業務局長専用の一室もありました。従って、博多では、当たりに気兼ねすることなく伸び伸び出来ました。「吉岡」という料理屋のカウンターが定席で、1メートルはあろうかという「クエ」を目の前にし、その美味に驚嘆しながら熊本の焼酎のお湯割りを頂きました。終わると、テーブルマジックの店へ行きます。そして、最終の新幹線で小倉へ戻りました。良き時代でした。

 博多で忘れられないのは、7月15日の明け方から始まる「山笠」です。博多中の町内から集まる「山車」と尻端折りした男どもが、勇壮なかけ声と共に櫛田神社の狭い前庭を土煙を上げて、引っ張り駆け抜けます。町内毎のタイムで優劣が決まります。

 一度、招待券をいただいて夜中の3時に観に行きました。いずれも血相を変えた男どもの夢中になっている姿は、それは、それは見ものでした。夜が白々と明ける頃、男どもは山笠を囲んで直立不動になり「山笠」を歌い出します。「メデタメデタノ、ワカマツサマヨ、、、エダモシゲル、、、」、手拍子が朝焼けの静寂を見事に破ります。そして彼らは家に戻ると、何事もなかったように日常の仕事に戻っていきます。その対比が実に魅力的でありました。病みつきになりそうだったのですが、赴任はたったの二年間でした。

 

2020年5月29日            唐辛子

 團伊久麿の「パイプの煙」の初期のエッセイに、キムチと米飯の山盛りを貪り食う場面があります。当時の何よりのご馳走だったようです。何でも真似をしたがる私も何度か同じことをやりました。実に食が進みます。ソウルへ行って食堂に入ると、まず、何種類かの小皿料理が運ばれてきます。必ず、キムチが入っています。それぞれ独特の味の工夫があって、その上、それらが勘定外なのが振るっています。

 ソウルから観光バスで板門店へ行ったとき、小休止した周辺は見渡す限りの唐辛子畑でした。二つ三つ失敬してバスの中で囓りました。辛くないのです。滋味溢れる果物のようでした。売店で買った干した一件も試して見ました。辛いのなんの!

 唐辛子は長崎出島から日本へ入って来ました。ところが、余りに強烈な辛さのためか、日本では唐辛子は滅多に料理に使われてきませんでした。むしろ、山葵のような奥ゆかしい辛さが好まれてきました。しかし、韓国ではどんな料理にも唐辛子が使われています。ここに、韓国人と日本人の気質の違いがあるように私は思います。例えば韓国人の気性の激しさ。まるで、唐辛子そのものです。

 極く最近、元慰安婦だった九〇才の韓国女性が、自分を含めて慰安婦問題を、世界的規模にまで敷衍させた団体とその指導者に対し、告発状を提出しました。日本からの10億円を含めて世界規模で集まった金を、当事者の慰安婦に渡すことなく、自分の事業のために使ってしまった、という訴えです。この団体こそ、慰安婦像を日本大使館前のみならず世界のあちこちに建てた張本人です。かつてトランプ大統領と宴席で抱擁を交わしたおばあちゃんは、お顔を唐辛子色に染めて怒りまくっています。

 慰安婦問題は、私と同期朝日入社の女性記者であった、松井やよりの存在に端を発しましたが、いつの間にか、韓国の一個人の私的欲望を満たす方向に舵が切られてしまっていたことは、それ見ろ、と言うか、残念というか、複雑な思いがいたします。これも唐辛子のなせるワザでしょう。

 

2020年5月28日           地方分権

 パソコン画面で、世界のコロナ感染者数を毎日のように見ています。特筆すべきは、世界の趨勢に比べて、日本の感染者数が飛び抜けて少ないことです。何故か? 先ず、日本は島国であって、入り口を閉めてしまえば、外国からは容易には入ってこられない地理的条件が考えられます。第二に、国民に清潔習慣が根付いています。風呂に良くは入って身体を洗います。第三に人と会ってお辞儀はするけれど、欧米人のように、抱擁したり、キスしたり、握手する習慣が余りありません。第四番目に、小さい頃からBCG注射を強制されて打っています。第五番目は、初動ではPCR検査で遅れをとりましたが、医療機関が他国に比べて優れています。

 その上、頼もしいのは各県の知事が、それなりに独自の頑張りを見せ始めたことでしょうか。少なくとも、コロナに関しては中央主権が地方分権に移行しました。その筆頭は大阪の吉村知事です。維新の橋下徹の仲間ですが、橋本が舌を巻くほどの活躍を見せました。岩手の知事も立派です。とうとう、感染者をゼロに押さえ込みました。

 私は思います。国民は現在の中央集権の弊害に気づき、地方分権の良さをコロナ騒動で知った以上、中央政府は地方への権限の委譲に踏み切るべきだ、と。元より役人という種族は権限の委譲を極端に嫌がります。そこはそれ、大阪の市政で定評のある橋本前知事、吉村市長などの「維新」の活躍に期待しましょう。

 

2020年5月27日           天 国 

 光は1秒間に地球を7周半します。太陽系の中の、一番遠い冥王星や、海王星へ到達するのに光速のロケットで行っても数年かかります。例えば時速100キロの車で月に向かったとします。月までは38万キロですから160日かかります。火星まで行くとします。7000万キロですから、到達するまでには456年かかります。

 太陽系の一番遠い星は海王星です。地球から45億キロ離れていますから、100キロの車だと、どのくらいかかるのでしょうか? 7000:456=45億:Xで求められます。

 地球を含む太陽系は 銀河系星雲の中のほんの一部です。隣にはアンドロメダ星雲が控えています。両星雲の直径は28、000光年と、2、500、000光年です。

 1光年とは一秒間に光が進む速さです。一瞬の間に地球を7回り半周する速さです。ところが、この両星雲も宇宙全体から見たら、ほんの一部にしか過ぎない、というのです。しかも、その宇宙は絶えず膨張していると言うのですから、、、、、

 この膨大な宇宙の一隅で、私は間もなく死ぬでしょう。私はどこから来たか?恐らく宇宙の彼方の 一隅からでしょう。何らかの意思により母親の胎内を経て地球の一角に生を受けました。そして、やがて、呼吸が停止し、業火にに焼かれ、水滴となって宇宙の一隅に帰って行きます。そこは何もない宇宙空間でしょう。意識がない以上、喜怒哀楽もありません。そこには何もないでしょう。だからこそ、それだからこそ、そこは天国ではないでしょうか。

 キリスト教では艱難辛苦の時をへて、教徒達はイエスに導かれて天国へ、と参ります。そこは又とない楽園だそうですが、喜怒哀楽を感じながら生活するのでしょうか? もし、それが永遠に続くとしたら? 意識が無限に続くとしたらどうでしょう?私は、私自身としてはそれに耐えられないでしょう。

 私にとっては、「一切無」であってこその天国です。一個の原子になってこの地球の片隅に生存してこそが、私の天国ではないか、と思うのです。形こそ変われ、この宇宙に存在し続けることが出来る、、、、エイチツウオウという水の分子としてではあっても、、、、これこそが嬉しいことでありませんか。

 

2020年5月26日            ハムレット

 期限切れになっていた「ジパング倶楽部」の新しい手帳が届きました。秘かに「東北新幹線4日間乗り放題」を当てにしていたのですが、今日見ると、この企画は既に無くなっていました。秋田へ行って「浜野屋のきりたんぽ鍋」、青森へ行って「しょっつる」、盛岡から前沢へ行って「前沢牛の握り」、を目論んでいたのですが、コロナ様のお蔭で時期を失してしまいました。されば京都へ、と気を取り直しているのですが、6月19日までは県をまたがる旅行は自粛、のオフレが出ているので、禁を犯す勇気もありません。

 しかし、しかしです。中国、韓国からの観光客が激減している今こそが、京都を訪れる絶好の機会ではないでしょうか。京都駅前からレンタカーで先ず嵯峨野へ。大徳寺に車を置いて、なだらかな竹林の道歩き、大河内山荘で半日。鴨川沿いの先斗町の小料理屋で灘の日本酒。翌日は大原三千院から寂光院。その翌日は金戒光明寺裏へ行って、ここにしかない会津藩士のお墓へ。夢は、夢は駆け巡ります。しかし、実行しようと思えば、可能なのです。

 行こうか、行くまいか、ハムレットの気持ちです。

 

2020年5月25日            追悼集

元朝日新聞社長で数年前にお亡くなりになった「一柳東一郎」さんの追悼集が届きました。忌まわしい、かの沖縄の「サンゴ事件」の責任をとってお辞めになった方です。私が九州西部本社の業務局長であったとき、編集局長をされていた羽原清雅さんの労作によるものです。格調高く、しかも気品のある追悼集ですが、200部前後の印刷のせいで一冊8000円の値段が付けられています。乞われて私の追悼文も載っています。アイウエオ順のせいで、中江利忠社長の次に掲載されています。

 一柳社長が西部本社の編集局長から東京の編集局長になったとき、成田のホテルで「千葉県通信会議」がありました。当時は成田闘争が真っ盛りで会議は白熱したものになりました。本社編集局幹部と千葉支局、数ある各地の通信局員が宴がはねても全員が一柳さんを囲み、車座になって議論を戦わせました。私も販売担当者としてその議論の仲間入りをさせてもらっていました。微醺を帯びた通信局員が深夜、運転して任地へ帰って行きました。何とかなる時代でした。もう一つ、一柳さんが辞任を決意されていながら販売の大事な会合である「東京朝日会」に出席し、販売所長達に1千万部達成への檄を飛ばされた模様も書き加えました。

 追悼集に執筆されているのは、いずれも高度成長期の朝日新聞を牽引されてきた名だたる方々です。そのお顔を思い浮かべながら読み続けました。時を超越した一時でした。

 追悼集は、私は三人の方のものを作っています。販売の先輩の「前沢健則」さん、早稲田の同級生で学習研究社の「竹内二郎」さん、そして、高校同級で同じ販売畑で机を並べた「宮沢恭人」さん。いずれも苦労して作り上げました。

 いずれは「中沢信男」さんの追悼集も作りたいのですが、はて、どうやったらいいものか?

 

2020年5月24日          甲子園中止

 全国高野連と朝日新聞社は、今年の甲子園大会の中止を早々と決めてしまいました。まだ、2ヶ月はあるものの、6月、7月は各地区で予選大会が行なわれます。万一のことを考えての中止決定だと思いますが、高校野球部員が、地団駄踏んで悔しがっている映像を見る度に、こちらまで胸が締め付けられます。どれだけ悔しい思いをしているか、想像を絶するものがあリます。

 一方、全国の朝日新聞販売店は、やれやれと思っているでしょう。何となれば各地区毎の野球場の整備や、朝日新聞社旗や紙旗を球場毎に張り出す労務から救われるからです。従来から、各県毎の販売店連合会である「朝日会」がそれを行なってきました。もし、自分の県の代表が優勝、もしくは準優勝でもしようものなら大変です。パレードの準備に忙殺されます。

 私自身、福島担当の時の「磐城高校」、茨城県担当時の「取手一高」、九州時代の「佐賀商業」でそれを経験しました。磐城の時は選手達が乗った数台のオープンカーが勿来の駅から6号線沿いに平に向かってパレードが開始されました。6号線の一般の交通は、もちろん片側通行です。販売店主従業員は沿道で拍手を惜しまない人々に朝日の紙旗を配って歩きます。人出はおよそ30万人。平専売所長で朝日会会長だった故西山昭平さんの奮闘は特に目覚ましく、声は枯れ、翌日はダウンしてしまいました。私自身も興奮の余り寝込んでしまった記憶が鮮明です。

 その後、パレードは自粛が叫ばれ、禁止となっている地区もあるようですが、是非各地で復活させてもらいたいものです。まあ、今年は無理でしょうが。

 

2020年5月23日           全人代開幕

 毎年3月に開催される中国の全人代(全国人民代表大会)は、今年はコロナのため延期されていましたが、昨22日から開幕されています。会場は天安門広場の西側に聳える人民大会堂でです。最初に北京へ行ったのは今から55年ほど前の真冬でした。広場には青い防寒外套を着たおよそ2万人余りの人々が、何をするでもなくただ、突っ立ていました。次に行った時は、人民大会堂へも行きました。その広さに度肝を抜かれました。中国は西側諸国と違って、行く度に大きく変革していました。それを指導してきたのが、まさしく全人代でありました。

 全人代は中国国家の最高権力機関として、行政権、司法権、検察権に優越します。ここが三権分立の民主国家と違うところです。全人代は次の機関の構成員を選出します。*中国人民共和国主席(国家元首)、*国務院(最高行政機関)、*国家中央軍事委員会(最高軍事指導機関)、*最高人民法院(最高司法機関)、*最高人民検察院(最高検察機関)、の構成員は全人代に余って選出され、全人代に対して責任を負い、全人代の監督を受けます。

 成程、全人代は重要な役目を負っているように見えますが、3000人を超える全人代の構成員はどういう人達でしょうか? 民主主義国なら国民全員参加の選挙 に寄って選ばれるのですが、中国に人民選挙はありません。ここが中国の最大の問題点なのです。到底、民意を 代表しているとは思えない人達が全人代になっています。なぜなら、構造的にそれが許されているからでしょう。

 更に悪いことは、国家元首の定年は憲法に定められているのに、昨年の全人代で習近平の定年を外してしまいました。今や彼は死ぬまで権力者であり続けるのです。「人民の人民による人民のための政治」で始まった民主主義にも、問題はありますが、中国は「習近平の習近平による習近平のための政治」になってしまっているのです。

 全人代は開幕して今日は二日目です。中国武漢を発症とする新型コロナウイルスの世界的蔓延に対して、どういう態度を見せるか、固唾をのんで見守りましょう。

 

2020年5月22日                   悲劇の湖

 コロナによる日本の非常事態宣言も、あと数日で解除されそうな気配です。しかし、世界にはコロナ汚染がこれから始まるに違いない国々が存在します。それはアフリカです。東アフリカのウガンダ、ケニア、タンザニアにまたがる巨大湖「ビクトリア」がその元凶になっているようです。

 この湖は琵琶湖の100倍の大きさで周辺には4000万人の黒人が住んでいます。去年の暮れ頃から雨が降り続きました。一向に止みません。湖の水位が上がりました。周辺の都市は大洪水に見舞われました。都市や村落は下水道が完備されていません。そのため汚物が至る所に流れ出しました。疫病が蔓延し出しました。加えて極端な降水のため、赤道直下の植物が異常繁茂しました。その緑を狙ってバッタが大量発生し始めました。サバク飛びバッタです。その数4000億匹ともいわれます。凄まじい勢いで緑の植物や農作物を食い尽くし、無くなると移動しました。イエメン、オマーン、サウジアラビアの緑は既に食い尽くされたそうです。中東のイラク、パキスタンへまでが被害に遭いました。ただ、その先はアルプスの峰が聳えています。バッタどもはバッタバッタと倒れ始めましたが、現在はもと来た道を引き返し始めているそうです。

 それ以上に問題なのは疫病です。住血吸虫を始め、マラリア、赤痢を含め風土病が大発生し、既に5000人近くが死んでいるそうです。加えて今回の「コロナ」です。アフリカ諸国にはアビガンも人工呼吸器も防護服もありません。元よりマスクさえ貴重品でしょう。WHOのトップ・ペドロフはアフリカ・エチオピア出身です。そしてアフリカに中国の金をばらまいている「一帯一路」の習近平はどうする積もりでしょうか?

 世界の先進国はこの先しばらくしてアフリカ人の入国禁止、出国禁止に踏み切るのではないでしょうか。非常事態宣言解除は喜ばしいけれど、「第二波」は必ずやってくるでしょう。

 

2020年5月21日          お粗末

 黒川検事長の辞任報道が流れました。産経新聞記者の自宅で元朝日新聞記者と共に麻雀をしたことが明るみに出たためです。何ともお粗末です。今日の朝刊一面で朝日新聞も報じましたが、内心、忸怩たるものがあったことでしょう。この件で、黒川という人が極めて普通の人であることが明らかになりました。為政者にとって都合の良い人柄であったことから、官邸は「与しやすし」と見て法律を曲げようとしたのでしょう。一件落着ではあっても、極めて後味の悪さが際立つ事例でした。

 これよりも大きな問題は、広島から選出された河井議員夫妻の選挙違反事件でしょうか。元朝日の社員だった松島議員は名入れの団扇を配っただけで選挙違反を問われました。我が練馬区選出の菅原一秀議員は、香典や祝い金の罪で経産省大臣の座を追われました。河井夫妻場合は1億5000万の現金です。それも安倍晋三が裏にいて自民党本部から出金させました。立件されれば安倍は今の地位にとどまることは許されないでしょう。これからの見ものです。

 さて、麻雀ですが、昔々の高度成長期では実に盛んでした。有楽町・銀座の至る所に雀荘がありました。外勤社員は運動部出身者が多く、血気盛んでしたから、暇さえあれば雀荘に入り浸っていました。タクシー券が自由に使えたので、麻雀が終わると深夜、茅ヶ崎までタクシーを使う部長もいました。この傾向は何も朝日だけではありませんでした。在京新聞6社の連絡会が月に一度、銀座の並木道りの岩月ビルでありました。終わると大抵雀荘に流れます。読売が一番強かった記憶が鮮明です。新聞にとって誠に良き時代でした。またと、来ないでしょう。   

 

2020年5月20日         他山の石

 稲森和夫さんの「経営12ヶ条」は次のようなものです。①事業の意義、目的を明確にする。② 具体的な目標を立てる。③強烈な願望を心に抱く。④誰にも負けない努力をする。⑤売り上げを最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える。⑥値決めは経営。⑦経営は強い意志で決まる。⑧燃える闘魂。⑨勇気を持ってことに当たる。⑩常に創造的な仕事をする。⑪思いやりの心で誠実に。⑫常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で。

 書き出してみると、極く当たり前のことを言っているに過ぎません。しかし、この当たり前が出来ないことに会社経営の難しさがあると言えます。

 自分のことを言って何ですが、現役の時、二つの会社に出向して経営を任されました。宣伝部長の時のある日、「販売局直属のアコスという会社に外部の同業二社と、もめ事が発生している。行っ解決してきてくれ」という内示を受けました。ACSの社長は当時の局長の義理の兄でした。行きました。50人規模の会社でしたが、私が行ってから朝礼を始めました。一人一人を毎晩呼び出し、近くのウナギ屋で社員から話を聞きました。売り上げが伸び始めました。揉めていた2社の社長と温泉へ行って3社が共同で使う、売り上げ増大のためのグッズの開発にも成功しました。三社の売り上げも伸び、2年後本社に戻り、外勤販売部長として東北・信越を担当するようになりました。

 定年後は朝日学生新聞社の社長です。「朝日小学生新聞」と「中学生ウイークリー」を発行する会社です。170人規模の会社でしたが、同じことをやりました。「稲森経営12箇条」は、会社の規模が大きかろうが、小さかろうが目指すところは一緒です。タイ国際航空の倒産は、タイ人の性格からくる「親方日の丸」的意識が禍したのでしょう。他山の石でありましょう。

 

2020年5月18日           哀れ、タイ航空

 タイ・チェンマイへ行き始めて6年ほどになります。その間タイ国際航空を利用してきました。航空券は割高でしたが、何せ、タイ国営航空ですから安全性を重視してきました。そのタイ国際航空の破産がニュースになっています。2017年は71億、2018年は390億、2019年は404億、累計で3000億バーツ(1兆100億円)の累積赤字だそうです。これには吃驚です。バンコックには二つの 国際空港があります。新しい方は「スワンナブーム」という国王命名の巨大空港で、ハブ空港としての役目を完全に果たしています。タイ王室の色である紫色を基調にしたタイ国際航空の機体がこの空港を正に独占状態にしています。

 その上、これまで利用してきた羽田10:35分発のタイ航空は、バンコックでチェンマイ行きに乗り換え、夜8時30分到着するのですが、いつも満席でした。6年間、満席でなかったタイ航空に乗ったことは、ほとんどありません。それなのに何故、破綻なのでしょう! 訳が分りません。

 ここは日本航空を再建した京セラの稲森和夫さんにお出まし願いたいモノです。この方が提唱する「稲森経営12箇条」をもって、タイ航空に乗り込んでいって欲しい、と願うのは、私だけではないでしょう。しかし、稲森さんは確か、私より4才上の87才。お出ましは、もう、無理でしょうなあ。        

 

 2020年5月17日            目が輝いている         

  数年前、テレビのある番組に出演していたバイオリニストの高嶋ちさ子が、牛肉料理を前にしながら「ああ、このお肉、バケツ一杯食べたい」と宣いました。目をキラキラさせながら、目の前の肉を愛おしそうに見つめています。私はその時から彼女に好感を持つようになりました。いまや、この飾らないキャラクターは世間に大受けし、テレビに出ずっぱりです。12人のバイオリニストを率いての公演や、同じ桐朋音大出の古沢巌、葉加瀬太郎の三人で武道館を満杯にしたり、話題にこと欠きません。     あるとき、父親同士が兄弟の高嶋忠夫一家に遭遇したことがありました。雨の降る日の箱根の美術館でした。第一子を不慮の事故でなくした高嶋・寿美夫妻は二人の男の子を伴っていました。小学校高学年の兄貴の方はもの凄い肥満児でした。一方、51歳の高嶋ちさ子の方にも二人の男の子がいます。まだ、14,5才なのに外国へ留学させているとか。高嶋忠夫の弟、つまりちさ子の父親もどうも変わった人物のようです。そのせいか、ちさ子に姉がいますがダウン症障害者です。ちさ子は二人分の人生を生きようとしているのでしょう。

 このお転婆「ちさ子」のご主人は、一体、どんな人なのか、盛田賢司という180センチの長身でなかなかのいい男です。宝石会社の「ミキモト」に勤める普通のサラリーマンです。年収は800万程度。ちさ子の年収1億にきっと驚いているでしょう。プロポーズはちさ子の方からだったとか。ちなみに、彼女のバイオリニストとしての技量はそれほど高くはありません。シベリウスの協奏曲など弾きこなせないでしょう。でも、タレント性が高いので、これからも多方面で活躍するでしょう。四六時中、目をランランと輝かせている人間は、男でも女でも稀な存在です。

 

2020年5月16日           音の悩み

 長年愛用してきたウインドウ・セブンの隣にウインドウ・テンを置いて仕事をしています。画面も大きく、使い勝手も優れていて申し分ないのですが、唯一の欠点は「音」です。スピーカーは両側にあっても音が濁ります。音楽を聴く場合、ただ、音が鳴ってればいいのではなく、音の個性を聴きたいのに、それが操作上は出来ないのです。

 自宅の地下室には次男が学生時代に制作した大型スピーカがあります。高感度のアンプを通して良い音が響き渡ります。CDもDVDも地下室へ行けば十分に楽しめるのですが、最近は、パソコンやIPADでユーチューブやユーチューブ・ミユージックからも簡単に聴くことができます。それはそれで大変便利で有り難いのですが、問題は音の質です。

 何とかパソコンやIPADの音を仕事部屋や寝室で、立体的に聴くことが出来ないモノか? と悩んでいるところです。要するに音を外部スピーカーから聴きたい、聴いてみたいのです。ウインド・テンには端子があってもレシーバー用のもの一つだけです。ここから外部の二つのスピーカーにどうやったら接続出来るか、いま、悩みに悩んでいるところです。

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