2022年12月5日     渡辺 徹死去        

 タレントの渡辺徹が61歳で亡くなりました。細君の榊原郁恵さんの嘆きはいかばリでしょう。あるいは手のかかるやんちゃ坊主が、ヤット離れてくれてセイセイしているかもしれません。大食漢でいつも肥満を持て余していた渡辺徹でしたが、ある意味、憎めない人柄でそれがまた魅力の一つでした。彼は利根川を渡って直ぐの茨城県古賀の出身でした。現役時代、私は新潟県の次に茨城県を二年間担当し、その県民性にイヤというほど悩まされたのですが、とにかくあそこはガサツな県です。その証拠に、茨城県からはこれはという偉人も政治家も学者も出ていません。おまけに電車に乗っても美人に遭遇しません。新潟では一車両に一人はいましたけれど。オット、これは余談。

 彼の奥さんの榊原郁恵さんも彼に劣らない、あけすけでおおらかな女性です。お似合いのご夫婦であった、と言えるでしょう。とにかく人柄がガサツで、大食漢で、病気がちだが大らかで憎めなかった渡辺徹を61歳の年まで引っ張ってきたのはお手柄でありました。ご冥福を祈りましょう。

2022年12月4日     都立大で事件   

 新宿を起点とする京王線は、調布で神奈川の橋本行きと多摩の八王子行きに分かれます。車窓からの景色がガラッと変わります。高層マンションが林立する中を橋本行きの10両連結の電車は轟音を立てて驀進します。遠く、富士山が見え隠れし始めます。終点、橋本の二つ手前の南大沢駅そばに広大敷地を持つ都立大学の新校舎があります。この構内で昨日、都立大教授に対する殺人未遂事件がありました。首を何カ所か鋭利な刃物で刺されましたが、幸い、命には拘わらなかったようです。南大沢の駅前広場は広く、右側の駅前モールの先に都立大の敷地が広がっています。駅前のだらだら坂を下りてゆくと、左側に大きな警察署があります。つまり、警察署の直ぐ上で、殺人未遂事件が起きたことになります。余りにも大胆な犯行です。坂を下りきったところに小さな教会があります。南大沢教会です。牧師はお若い飯田先生。タイ・チェンマイから戻った頃、ゆえあって半年ほど、この教会へ毎週通ったことがあります。チェンマイの野尻牧師夫妻が郷里の熊谷に戻った頃、この教会ヘきて講話をなさったことがありました。その帰りに練馬の我が家に寄っていただき、地下室にあったローランドのグランド型キーボードを見ていただきました。それは今も野尻牧師亡き後、奥様が使っておいでです。

 南大沢の駅から教会までのだらだら坂を含めて、駅周辺の街路樹はすべて銀杏です。都立大構内で起きた殺人未遂事件の犯人は、銀杏の落ち葉を蹴散らして逃走したに違いありません。「ビオロンのひたぶるにうら悲しい」日の夕暮れに起きた痛ましい事件です。

2022年12月3日     奇跡の1ミリ!    

 正に奇跡です。スペイン戦の最終コーナーで、その奇跡は起きました。ラインを出たか!のように見えたボールを日本選手がきわどく拾い、それがシュートに結びつきニッポンが勝利したのです。

 『すると後半3分、三苫がスイッチを入れるようにハイプレスに出るとGKウナイ・シモンまでFW前田大然がプレス。逆サイドまで展開したところでMF伊東が奪い、そのセカンドボールを拾った堂安が左足を一閃。これがシモンのニアサイドを射抜いてニッポンが1-1の同点に追いついた』

 『更に後半6分、ペナルテイエリア内から堂安が右足シュートを放つとファーサイドに抜けたボールを三苫が戻し、中央でMF田中碧が押し込んだ。三苫が戻したときにゴールラインを超えていたかが際どいプレーで、ビデオ・アシスタント・レフリー(VAR)が時間をかけて確認。ボールはラインを割っていないとして、ニッポンの逆転ゴールが認められ、2-1のリードを奪い、そのままニッポンが勝利した』

 ラインを割ったかに見えたボールが一秒の数百分の一の速さで蹴られた時には、まだライン上にあった、ことが、写真判定で分ったのです。正に奇跡と呼ぶに相応しい幸運な出来事でありました。神様でなければ出来ないことが、実際に起きたのです。ドーハの悲劇が、ドーハの歓喜に変わりました。

 スペインの新聞に載りました。白線を引いた工事の人がもう少し細く線を引いてくれていたらなあ、と。

 2022年12月2日     ニッポン勝った!    

 正に奇跡です。明け方行われた、ニッポン対強豪スペインとの戦いで、前半一点を先取されながら、後半盛り返し、ニッポンは二点を取って逆転勝利しました。まさかの勝利であります。奇跡とも言える勝利です。いま、ニッポン中が沸きに沸いています。いわんや、現地のサポーターにおいておや。

 ニッポンが奇跡的にも勝利したドイツとスペインは優勝経験もあるヨーロッパの強豪国です。小国コスタリカには敗れたとは言え、この2カ国を破っての決勝進出は、「お見事」という意外にありません。世界がニッポンの活躍に驚いているのは宜なるかなであります。

 大昔、決勝進出を目前にしながら、ロスタイムに逆転を許し「ドーハの悲劇」として長らく語り継がれてきました。苦節数十年、ニッポンはやっと決勝進出を果たしました。決勝トーナメントの緒戦はクロアチアです。これもまた難敵です。同じ枠組みにはブラジルもいます。どこまで行けるか、興味津々ではありますが、決勝トーナメントを勝ち取った、と言うだけで十分です。ドーハの悲劇が、ドーハの歓喜に変わってくれただけで十分です。選手、監督の皆さんよくやってくれました。ニッポン中があなた方に感謝しています。ありがとう。

2022年12月1日    コロナ感染者と同席    

 築地の「築地の貝」という料理屋さんに同期入社の5人が集まって昼間からワイン3本を空け、談論風発、新聞の現状を憂い、悲憤慷慨しながら4時間余りを過ごしました。昭和36年東京業務局試験トップの横浜国大の君島君は入院中。九州大学から大阪入社の中尾君の他四名はすべて早稲田出身者、何で早稲田が、、、、。ところで、私にとっては肝心の「ワクチン5回目の接種はするべきか、しからざれば見送りか」については話題にし損ないました。何となれば、専務経験者の大野君と、大広社長までやった中尾君が既にコロナに罹り、生還していることが詳らかになったからです。中尾君は夫婦で罹り、夫婦で苦しみ、今は二人ともピンピンしています。専務経験者の大野君も目黒碑文谷の高級マンションに居を構えながら一家眷属が感染し、それを乗り越えての現在があるとのこと。想像を絶する苦しみだったそうです。そのためか、二人ともマスクをしていません。咳もしません。実に元気溌剌としています。

 実に、実に考えさせられました。感染を怖れてビクビクしながら暮らすより、いっそのこと、わざと感染し、苦しみノタウチながら何とか生き長らえ、コロナに対する免疫・耐性をものにする方法もあるのではないか、と真剣に思わされたことです。(昼間からワインを飲んだせいで文章も酔っ払っています。何卒、ご容赦。)

2022年11月30日    議員の質の低下    

 長野県の県会議員である丸山某という男が、長野市の議員宿舎から夜中に抜け出し、実家のある塩尻まで戻って、自分の妻を殺し、何食わぬ顔で再び議員宿舎に戻っていた、という殺人事件が明るみに出て話題になっています。丸山大輔という塩尻では有名な造り酒屋(笑亀という銘柄酒)の息子(31歳・慶大卒)が犯人です。殺された奥さんも造り酒屋の娘だったそうですが、男の方に新たな女性ができ、女房の殺害に及んだようです。一説には殺された女房は統一教会とべったりだったという報道もありますが、自分の女房を殺すような男が議員になっていた、と言うところが問題であり、長野県の恥でもあります。

 国政では最近、三人の大臣が短期間のうちに辞職に追い込まれています。と同時に、岸田総理の任命責任も問われています。ほとんど自民党議員は統一教会との関係が多かれ少なかれあって、関係の無い議員を探すのに骨が折れる始末。元よりその深い関係が明るみに出て辞任必須と思われていた、細田衆議院議長、萩生田政調会長は、相変わらず知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいます。議員とは、それが町会、市会、県会・国会議員であれ、人々を代表して公の利益と福祉のため働く人間でなければなりません。

 いわんや、自分の女房を殺して平然としているような男の出るところではありません。長野県は大きな恥を全国にさらしてしまいました。情けない。 

2022年11月29日    中国の白紙デモ    

 日本国内の毎日のコロナ感染者数の一覧表は、従来、毎日、新聞に掲載されていました。何時の頃からか、それがなくなりました、同じことが世界の国別感染者数についても言えます。中でも中国の数字は絶えずあやふやで、信憑性の薄いものでした。その中国でコロナを巡って一般民衆が「政府のやり方が気に入らない」、「我々に自由を与えろ」、「ゼロコロナを推し進める習近平は退陣しろ」、「共産党よ、去れ」と口々に叫びながらデモ行進を始めています。奇妙なのは全員が何も書いていない白紙の紙を掲げていることです。物言えば唇寒し、の中国です。万感の思いを白紙に込めているのでしょう。このデモは習近平の母校・精華大学でも起きているそうです。

 原因は習近平がとっている全国・ゼロコロナ政策です。徹底した管理体制を引いているので住民の不満が爆発したのです。コロナに感染しても良いから、自由が欲しい、と言いだしたのです。

 白紙デモは物凄い速さで中国全土に広がりつつあります。発端は新疆ウイグル自治区でのビルの火災でありました。ゼロコロナ政策のため救援活動がままならず十数人の命が見殺しにされたのです。14億人の中国人がそれを知るに及んで、習近平の政策に異議を唱えだしたのです。この先、事態はどう推移するのか、目が離せません。

2022年11月28日    5回目のワクチン接種 

 コロナ感染者がうなぎ登りに増えている現実を横目で見ながら、何とか今まで感染を免れてこられたのは、正に幸運であったと、と言えるでしょう。通知が来るたびに、いそいそと出かけて接種を受けてきました。その回数は四回にもなります。その度に、特に後遺症らしきものは「無かった」と言えるでしょう。ただ、長時間歩くと息切れするようになりましたが、これは接種とは関係の無い高齢化による現象であるでしょう。

 ここへ来て、5回目の接種通知が舞い込みました。さて、どうしたものか?と悩んでいるところです。加えて、世間ではワクチン接種の後遺症の問題が大きく取り上げられています。かなりの頻度で後遺症が発症する、場合によっては死に至るとまでいわれ始めました。もちろん、風評被害だと私は切り捨てているのですが、大いなる疑問ではあります。

 ところで、1961年、朝日新聞社業務局入社の同期会を12月1日、築地の料理屋「築地の貝」で行う、という通知が舞い込みました。東京では8人、大阪本社では7人の入社でしたが、今まで生き残ってきたものは約半数です。大阪からは、東京の広告局長、大広の社長までやった中尾君が参加するそうです。出版業務部の及川君、出版広告の君島君、広告局長から取締役常務になった大野君のほか、誰が参加するのか興味津々です。その集まりの時、5回目のワクチン接種を話題にしようと思っています。

2022年11月27日      政治家の政策活動費 

 昔、自分の立場を有利にするため、個人や団体が政治家に献金するに風習が公然とまかり通っていました。数々の汚職や不正行為が明るみに出て大問題になったことがありました。それを契機にして生まれたのが国が政党を通して政治家個人に支出する、返済不要の金「政策活動費」です。この金の支出は各政党の幹事長の裁量のもとに置かれ、返済は不要です。

 この制度は20年前に設定され、支出された合計金額を政党別に並べてみると、自民党379億円、旧民主党44億円、旧民進党10億円、維新の会2億円、社民党1億円、立憲8000万円、令和新撰組280万円、、、、(共産、公明はゼロ)です。こうしてみると自民党の379億円が飛び抜けています。このうち50億6000万円が二階幹事長が受け取り、谷垣禎一元総裁が23億円、安倍晋三元総理が20億5000万円、、、、、。

 許せないのは二階の50億円ではないでしょうか。公金を湯水のごとく使いまくり、幹事長としての自分の地盤を固めたのです。20年前に問題となって新たに成立した政治資金規正法は、特定個人のために使われていた、と言っていいのではないでしょうか。残念の極みです。

2022年11月26日      公正取引委員会 

 俗に公取と呼ばれる政府機関が、談合疑惑で電通本社とセレスポという企画会社に家宅捜査が入りました。しばらく前までは、電通のOBの高橋某の個人的賄賂事件が賑やかに報じられていましたが、今度はいよいよ本丸に捜査の手が及びました。「入った」ということは、いままで疑惑であったものに、真実の裏付けがとれたためであって、個人的な賄賂事件を超えた会社ぐるみの違約行為がこれから明るみに出てくるでしょう。

 現役時代、新聞社の販売局は随分公取のお世話になりました。先ず、新聞社間の販売競争が激化した果ての「不当廉売」です。新聞を取って貰うために景品として電気器具まで飛び出しました。もう一つは部数です。販売店に送られている新聞が、実際に読者の手元に届いているのか、たびたび、大がかりな調査がありました。公取の役人が直接販売店に行って、順路帳片手に読者の確認に歩き回りました。その度に、ハラハラしながら付き合わされたことを、昨日のように思い出します。昔の公取はそこまでやったのです。

 昨日、新橋の電通の巨大ビルに家宅捜査に入った公取は、果たしてどこまでやるでしょうか? あるいは、出来るでしょうか? 元より家宅捜査の情報は事前に漏れていたでしょうから、一切の証拠書類は隠滅されていたでしょう。

 広告業界は何せ電通の一人勝ちの構図です。大広や博報堂はあっても既に霞んでいます。朝日にも専属の朝日広告がありますが、はかばかしくありません。電通に対する公取の家宅捜索を機に、電通一人勝ちの構図に変化が訪れることを願っているのは、多分、大勢いるはずです。

2022年11月25日      日本のサポーター 

 カタールのドーハへは、かなりの日本のサポーターが押し寄せました。片道10時間かけて、しかも、酷暑のカタールへよくぞ行ったものです。試合は首尾良く日本が強豪ドイツに勝利し、世界を驚かせましたが、それにもまして評判になったのは、観戦に熱狂したサポーターが試合終了後、率先して自分たちが散らかしたゴミを集めて持参した袋に入れ、チリ一つ残さず、綺麗にして会場を後にしたことです。世界中が呆気にとられました。賞賛の嵐が巻き起こりました。「日本人は凄い」、「さすがは日本人!」、、、

 これは、試合に勝った以上に嬉しいことではないでしょうか? 自分たちが散らかしたゴミをそのままにしないで、後の人のために綺麗にしてその場を立ち去る、至極、当たり前のことなのに外国人にとっては、どうも、当たり前ではないようなのです。この出来事は、予想外の速さで世界中に伝播され賞賛の嵐が巻き起こっているようです。試合に勝利するのも嬉しいが、こういう些細な出来事で日本が世界から賞賛されるのも嬉しいことです。

2022年11月24日      喜 び 

 今日は日本中が喜びに沸いています。中東のドウハで行われたサッカーの試合で日本が強豪ドイツに勝ったからです。正に奇跡と言っていいでしょう。それほどドイツは何回も優勝している強豪国だからです。かつて、日本のサッカーは同じドウハで苦杯をなめました。ロスタイムに相手からの奇襲を受け、点を奪われ、決勝トーナメントに出場出来なかったからです。一点を奪われることの重大さを身にしみて分らされた苦い思い出を胸に、日本選手は頑張りました。そして今日、その雪辱を果たしました。日本中が喜びに沸いているのもむべなるかな、であります。久しぶりの明るい話題です。たかがサッカー、されどサッカーなのであります。

 遙か昔、イタリア一週旅行をしていたとき、丁度、サッカーの欧州選手権の最中でした。決勝戦が行われた日、宿泊のホテルでは従業員が総出でテレビにかじり付いてしまい、旅行者の私たちは自分で食事の世話をしなければなりませんでした。それほど彼らはサッカーに夢中でした。幸い、イタリアが優勝しました。途端に彼らのサーヴィスの良くなったことといったら、、、、、サッカーがいかに欧州人の血肉に溶け込んでいるか、話には聞いていても正に驚きでした。さて、今回の試合で強豪国ドイツも打ち負かした我が日本!どんな社会現象が出てくるのでしょうか?

2022年11月23日      トロッコ電車                 

 山陰本線の京都から4ッ目・嵯峨野駅を降りると、直ぐ右手にトロッコ列車の発着所があります。販売局の外勤社員の年二回の慰労会・「カバン会」の開催地がほとん京都だったため、その度に嵐山の大河内山荘を訪れ、嵯峨野を歩き回り、時にはトロッコ列車にも乗りました。嵐山のトンネルを抜けると左手に桂川の清流を見ながら川岸を走ります。秋は紅葉のまっただ中を走り抜けます。何とも風情がありました。何時の頃からか、このトロッコ列車が大人気となり、嵯峨野駅に降りるたびに様相が変わっていました。牽引する機関車が大型になりました。昔は全くのトロッコで、2~3両連結だったのに、今は大型で有蓋の客車に変わり7~8両連結になりました。昔は乗車券はいつでも買え、ガラガラだったのに、今では予約制で入手困難とのこと。更に、昔と変わったことは、列車が出発するごとに、駅員さんが総出でホームに出て、日の丸の旗を振り太鼓を叩いて列車を送り出していることです。これだけは余計だ、と思いました。乗客が増え、トロッコ会社の収益は上がり、ウハウハでありましょうとも、やり過ぎだ、と思いました。

 

2022年11月22日         ブルカ          

 世界の宗教で、キリスト教徒は減りつつあるのに対し、イスラム教徒は毎日2万人づつ増えていると言われています。東南アジアでも、カンボジア、ベトナムでも、ネッカチーフで髪を巻いている女性が増えていました。アラブの首長国連邦のドバイへ行ったときは驚きでした。女性のほとんどが黒ずくめの衣装だったからです。目ばかり光らせているのです。ドバイの去るレストランで黒ずくめの女性アベックと、たまたま隣同士となりました。どうやって食事をとるのか、見ないようにして鋭く見ていましたら、肉片をフォークで挟み、片手で顔の前のベールを一瞬持ち上げ、素早く肉片を口に投げ込み、ベールを下ろしました。その間、一秒。その素早さには感動すら覚えました。ところがドバイのデパートの婦人服売り場では、ド派手な部屋着を買うための黒ずくめのご婦人達でごった返していました。家でなら何を着てもいいらしいのです。しかも、男性は4人までなら妻を持つことが出来ます。どうもイスラム教というのは女性の基本的人権を蔑ろにしている宗教のように私には思えます。

 一方、イランではブルカの着用の不備を警察にとがめられ、不慮の死を遂げた女性を悼む抗議活動が全国的起きています。カタールで行われている国際サッカーの試合で、イラン選手はそれを抗議するため国歌を歌いませんでした。

 かつてのイランの指導者は、「ロウハニ」、「ハメネイ」、などのイスラム権威者達でした。現在の「アフマデーネジャード」はそうではありません。それなのに女性のブルカ着用を強化するとは何事でしょうか?イスラム教徒の女性のすべてがブルカを投げ捨て、世界のほとんどの女性がそうであるように、髪を風に靡かせる様になったら、世界は更に素敵になるでしょう。

2022年11月21日         新蕎麦          

 そろそろ新蕎麦が出回る時期です。馥郁とした新蕎麦の香と共に、ほとんど噛まずに喉を通過していく蕎麦の醍醐味は11月独特のものです。生憎、都内では蕎麦屋さんの数は年々少なくなり、あったとしても新蕎麦には手が回らないところがほとんどです。現役の頃、目白通りの椎名町寄りに住んでいたことがあります。「翁庵」という小さな蕎麦屋が通り沿いにあって、よく通っていました。高橋某という小太りの男があるじで、蕎麦に入れあげていました。蕎麦を茹でる釜の温度を測り、ストプポッチを離しませんでした。話に夢中になっていると、「早く食え」と怒鳴られました。この蕎麦狂いに近い高橋某は山梨清里に店を出します。更に荒れ地を選んで蕎麦の栽培を始めます。11月になると収穫して石臼で曳きます。清里には名代の蕎麦屋さんが目白押しですが、高橋某の店はいつ行っても満員でした。それもこれも、清里に山小屋を持っていた宮沢君が丈夫だった6年ほど前の話で、今は全く清里と縁が無くなったので、長坂の高橋某の店がどうなっているか分らずじまいです。

2022年11月20日         池上彰の番組          

 しばらく途絶えていたテレビ朝日の池上彰の番組が復活しました。世界中、あちこちに飛んで、現地のありのままの姿を捉えて報道するところに、この番組の意義がありました。今回はイギリスとアメリカの物価の高騰を捉えていました。同じ物価の高騰でもアメリカとイギリスでは大きく異なっていました。イギリスの苦境の原因はIUの離脱に端を発しています。移民を排斥したお陰で労働力が不足し始めたのが遠因です。アメリカの物価の高騰もひどいものです。ニューヨークの日本蕎麦屋ではかけそば一杯が2000円もしていました。しかし、物価の高騰に呼応するかのように給料も上がっていました。日本の時給は1000円足らずですが、アメリカの時給はその倍以上、2400円です。単なる労働者の月収が45万円を超えるのです。イギリスでは考えられない現象がアメリカでは起きているのです。

 一方、世界の人口は大幅に増え、80億人を突破しましたが、その第一位の座をインドが中国から奪おうとしています。その上、インドは、現在、好況のただ中にあるようです。反対にお隣のスリランカは極端な不況に喘いでいる始末。なぜ、極貧だったインドが好況に転じているのか? インドのモデイ首相にそれほどの力があるとは思えないのですが、面白いものです。

 折からサッカーの世界選手が中東の極小国カタールの首都ドーハで行われます。この国の国民は税金がありません。医療費はただです。教育費すべて国の負担です。贅沢の極みの中で暮らしています。

2022年11月19日         ガブリエル・フォーレ          

 毎日、5時頃になると地下室に降りていってピアノに向かうのを日課にしていますが、次は何と取り組もうか、と楽譜をあれこれめくって、たどり着いたのがフォーレです。ガブリエル・フォーレ。フランスの作曲家でパリ音楽院の楽長。1924年の生まれですから明治時代の作曲家です。私は、何故か昔から彼の曲が好きで、殊に、声楽曲の「夢のあとに」が大好きでこの曲の伴奏を折に触れ弾いてきました。何故好きか、というとこの曲の短調と長調の替わり方の微妙さに中に「音の深淵の美」があるからなのです。何とも魅力的な音の配列があるのです。その魅力的な音の配列をフンダンに生かした曲があります。「フォーレのレクイエム」です。世界三大レクイエムの一つに数えられています。モーツアルトのレクイエムに勝るとも劣らない名曲です。

 私が数日前から弾き始めたフォーレの曲は「シチリエンヌ」です。これも長調と短調が微妙に交差する綺麗な曲です。12月には通っているピアノ教室のヴィデオ発表会があります。去年はショパンのノクターンでしたが、今年はフォーレのこれでいこうと思っています。

2022年11月18日         玉川さん感染          

 昨日の木曜日朝、恒例のモーニングショウに、玉川さんが調査結果をひっさげて登場するはずだったのに、何と、体調不良、検査結果、陽性反応となり出演しませんでした。久しぶりに、どんな顔をして登場するか、楽しみにしていたのですが、ガッカリでした。と同時に、コロナに対して一家言を持ち、それをテレビで開陳し、自分でも十分の備えを怠らなかったに違いない方までもが感染に晒される脅威を目の当たりにし、感染状態が容易ならざる局面にまで高まっていることを知らされました。

 世間は今、観光シーズンを迎え、日本中の観光地が人、人、人で賑わっています。おまけに、行政が宿泊補助や飲食補助を無制限に垂れ流しているものだから、観光地はどこもかしこも大賑わいです。加えて、海外からの渡航制限も撤廃しましたから、どこも、かしこも大混雑です。

 お陰で、東京などは毎日一万人を超えるの感染者を出しています。死者も多数です。医療崩壊は既に起きていて、感染者のほとんどは自宅待機を命ぜられます。「慣れっこになる」というのは恐ろしいものです。コロナの感染をインフルエンザ感染と同じ扱いにし始めたのですから。

 これから年末にかけて感染者がうなぎ登りに増えていくはずです。ああ、それなのにそれなのに、日本の最高責任者は、今日、バンコックで中国の習近平とサシ出話し合いをしています。これから起きるに違いない危機と、今、起きている危機とどちらが「本当の危機」なのでしょうか?

2022年11月17日         バリ共同宣言          

 世界の主要20カ国の首脳が集まって協議ををした「バリG20サミット」は、首脳宣言を採択して昨日閉幕しました。ロシアによるウクライナ侵攻は世界経済に悪影響を及ぼす、とし、メンバー国の大半がウクライナでの戦争を強く非難し、甚大な人的被害を引き起こし、世界経済の脆弱性を悪化させている、平和なくして世界経済の復興はあり得ない、という意見で一致し首脳宣言として採択されました。当然と言えば当然の事柄であるにも拘わらず、大もめにもめたのは、ロシアに配慮する国もあったからでした。曲がりなりにも首脳宣言が発せられたのは、インドネシアのジョコ大統領のなりふり構わぬ奮闘があったからだ、と伝えられています。一方、全員による集合写真も、全員による晩餐会も開かれなかったようでした。ロシアのラブロフ外相を交えて杯を酌み交わす訳にはいかなかったのでしょう。

 問題はこの後の推移です。世界は一刻も早い停戦を望んでいます。両国の二人の指導者の迅速な決断が待たれます。

    2022年11月16日         幸運の財布          

 私    私は黒革の両開きの財布をいつも持ち歩いていますが、既に角はすり切れボロボ   ロボロなっています。瞬間接着剤で何とかつなぎ合わせて使っているのですが   るの   恐らく、この先、財布を新しくすることはないでしょう。何故ならこの財布は    は三   三度無くして三度とも戻ってきた奇跡の財布だからです。

      一度目はタクシーに置き忘れました。絶望しながらそれでもと思って中村橋の交   交番に届けると、届いていました。そっくりそのまま戻ってきました。奇特な運転   運転手さんは名前も告げずに去って行ったとのこと。

 二    二度目はインドネシアのジャカルタの空港です。搭乗券を取り出す際、財布を    を落としたようなのです。インドネシアの若い男性が私を追いかけてきて財布を戻   を渡してくれました。三度目がバリ島です。その夕方、地元のガムラン音楽を聴き   しながら食事の出来る店に行きました。料金は先払いの店でしたが、バリ島ならで   らではの独特の歌と踊りと地酒に酔いしれ、次の土産物店へ行った途端、財布がな   無いことに気がつきました。慌てて前の店に戻ると、マダムが私の顔を覚えていて、  いて懐かしい財布を差し出してくれました。私の席に後からきて座った数人のグル   グループが机の下に放置された黒い財布を見つけて申し出てくれたのでした。素早    素早く、財布から一万円を抜き取り渡そうとしましたが、そのグループはガンと   ンとして受け取ってはくれませんでした。

      財布をなくして一番困るのは、現金もさることながら、カードです。8枚のカー   カードを持って歩いているのですが、無くした場合はカード会社に素早く無効届け   届けをしなければなりません。不正使用を免れるためです。そのためにはホテルへ   に戻って深夜の日本のカード会社に電話しなければなりません。それより何よりホ   りホテルの宿泊料の支払いに困ります。恐らく、途方に暮れていたでしょう。それ   それを未然に防いでくれた黒い財布、あちこちすり切れたみすぼらしい財布。私の    私の葬儀の際お棺の中に入れて貰って、あちらの世界でも使う積もりです。積り       

2022年11月15日         バリ島          

 昨日、南太平洋のインドネシア領の「バリ島」で、アメリカのバイデン大統領と、中国の国家主席習近平が、直接会って3時間を超える会談をしました。直接会って、相手の目を見ながら話をする、これに勝るものはありません。そうでなくても両国の間に不穏な空気が立ちこめる中でのこと、世界中が「ほっと」胸をなで下ろしたことでしょう。二人は元々旧知の仲、胡錦濤時代の副主席として、オバマ時代の副大統領として、何度も交流しています。バイデンの息子が「中国から過大の恩恵を受けた」として問題になったこともありました。長い付き合いであるが故に、バイデンと習近平との「サシ」での会談は互いに腹蔵のないものであったに違いない、と思われます。間違っても二人の間が決裂し、台湾問題から火を発し、世界が混乱の坩堝にならないよう祈るや切です。

 バリ島は、インドネシアのジャカルタから国内航空に乗り換えて行く小さな島ですが、何とも魅力のある島で、私の仕事場にはバリ島で買った土産物が沢山置いてあります。木製の縦笛、シバ神のお面、民族色豊かな色紙の数々。連日、裸で海岸にいたせいで、帰国後、帯状疱疹を発症して困ったことがあります。中国の「中国少年報社」の客人三人を案内して京都までお供をしたはいいが、症状が悪化し、大阪本社の医務室へ飛び込みました。「この病気は、長く海水浴をした場合にも現れます」と言われ、「それだ!」と納得しました。バリ島の海沿いには豪華なホテルがひしめいていて、花が咲き乱れるプールの先には砂浜と紺碧の海が広がっていました。気宇広大になるところ、それがバリ島の魅力です。中国、アメリカの指導者が、少なくても年一回、バリ島に来て「サシ」で話し合いをしてくれたらいいな、と思うのは私だけではないはずです。

2022年11月14日          軽口の災い         

 「私は、いま、法務大臣を拝命していますが、この大臣としての仕事は、朝、死刑執行の判子を押し、昼、それがニュースで流れてテレビに出るくらいの地味な仕事なんです」こういう趣旨の演説をあちこちでやったものだから、いやしくも死刑制度を軽々に言うとは何事か、死刑を冗談にする政治家は人間としての限りない精神の退廃ではではないか! 国家の名において人の命を奪う仕事を売名行為にするとは何事か!

 囂々たる非難が巻き起こり、一時は彼をかばった岸田総理も、余りにも世間の反対が厳しく、ご当人は辞任に追い込まれました。その人の名は葉梨康弘、63歳。筑波大学付属中学高校を出て、東大法学部に入り、難関の国家試験を経て法務省に入り、刑事事件を担当したエリート中のエリートです。

 一方、同じ築駒中高から東大法学部を出て、日本の政官財のトップにいる人物に、黒田日銀総裁、細田衆議院議長がいます。二人とも非難のただ中にいるのに動じようとはしていません。高学歴になればなるほど、人間として限りない精神の退廃が起きるのではないか、と思ってしまいます。

2022年11月13日          不公平         

 過日、エジプトのカイロで開催された気候変動に関する国際会議で、パキスタン代表は「我が国が排出する炭酸ガスは各国から見れば非常に微々たるものだ。それなのに大洪水が起き、3300万人が被災し、100万棟の家屋が崩壊し、70万頭の家畜が死亡し、3000キロ以上の道路が水没被害を受け、150の橋が崩落した。余りに不公平ではないか!」と、痛切な叫びを発しました。

 パキスタンの人口は日本の約二倍、国土面積も二倍にあたるインドとアフガニスタンとアルプス・砂漠に囲まれた、国のほとんどが低地、という国です。しかも、洪水は3ヶ月前に起きたのに、今もって水が去っていない様です。寒さに向かう折、どうやって冬を乗り切るのでしょうか。戦争をする金があったら、その金でパキスタンの同胞を救うのが先ではないか、と言いたくもなります。世界はいま、パキスタンの惨状に、至急、目を向けねばなりません。

2022年11月12日        岐阜の信長祭り         

 過日開催された、岐阜市が主催する「信長祭り」に46万人が訪れたという報道がありました。理由は、信長として出演する木村拓哉こと「キムタク」の馬上の武者ぶりを一目見よう、と人々が集まったからでありました。相変らずのキムタク人気には、恐れ入った、と言わざるをえません。岐阜市には安土桃山時代を偲んだ行事が沢山あります。その一つが「道三祭り」です。歴史上では、斎藤道三は悪役の部類に入っていますが、どうして、どうして、岐阜市の町並みや水路を整備した立派な役人でもありました。

 遙か昔、木村拓哉が全日空のコ・パイロットとして出演する連続テレビを、欠かさず見た覚えがあります。お相手は航空機整備士・柴崎こう。二人が海岸でキスするシーンがありました。柴崎こうが、キスを終わって言いました。「下手くそ!」、、、、私はそのときから彼女のファンになりました。

 46万人の人々に視られた信長に扮し、髭を生やしたキムタクの馬上の姿、、、柴崎こうはどんな思いで見つめたでしょうか。

2022年11月11日        朗報 半導体新会社設立         

 パソコンが故障して、PCデポに持ち込み、スタッフと共にパソコン内部をのぞき込んだことがありました。沢山の半導体(チップ)が複雑に並んでいてスタッフにも何が何やら分らない様でした。ましてや、私においておや。技術の進歩は止まるところがありません。車の自動運転もまもなく始まるでしょう。量子コンピューターにも「AI」にも最先端の半導体が必要です。

 ところが、どうしたことか半導体の生産に関しては日本は遅れをとっています。台湾、韓国にも遅れをとっています。お陰で台湾の半導体の生産に関しては今のところ世界一で、中国はそこも狙っています。

 日本も漸く腰を上げました。最先端半導体の国産化に向けて新会社を設立する運びとなったのです。新会社に加わる企業は次の8社です。トヨタ自動車、ソニー、NEC、NTT、デンソー、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行。

 一方、世界一とも言える台湾の半導体メーカー「台湾積体電路製造」とソニーグループが熊本県に新工場を作る計画も浮上しています日本政府は4760億円の補助金を出す予定だそうです。「遅かりし由良之助!」と言いたいところですが、歓迎すべき事態の推移でありましょう。

 2022年11月10日        アメリカの中間選挙         

 選挙は、民主主義の根幹をなす制度です。それは分っているのですが、いま、アメリカで行われている大統領選の中間選挙に、何故、国中が大騒ぎしているのか、私にはよく分りません。下院ではトランプの共和党が優勢ですが、上院ではバイデンの民主党が僅かに勝っているようです。バイデンの苦戦は日本と同じような物価の高騰にあるらしいのですが、前々大統領のオバマまでもが民主党の応援にかり出されています。加えて、二年後に迫っている大統領選に、トランプが再出馬する公算が大きく取り沙汰されています。髪を振り乱してアメリカ各地で演説する様は、正に赤鬼を思わせる形相です。

 私自身は、政治には素人同然であったトランプの四年間の政治をかなり評価していました。トランプの婿養子のお陰で、中東の2,3の国がイスラエルと国交を開始したことなど、また、北朝鮮とキムさんと差しで話をしたことなど、評価の対象をなりました。ところが今のバイデンにはイスラエル紛争を停める力がありません。トランプのような積極果敢な「攻め」の姿勢が見えません。それがバイデンの不人気の原因になっている、と私は思っています。

 でも、私はかねてより、バイデンでもトランプでもない、若くて溌剌とした人材が現れることを願っています。中国では68歳になったら自ら下野する制度が出来ていますが、アメリカにも適応すべきで、せめて60台の政治家が国家の舵取りをするアメリカであって貰いたい、と願うのは私だけでしょうか?

2022年11月9日          皆既月蝕と天王星蝕         

 夕べの空は、雲一つない快晴だったので、猫額のベランダへ出たり入ったりしながら、皆既月蝕と天王星蝕を存分に見ることが出来ました。特別に晴れ渡っていた夜空に感謝いたしました。天王星は小さな光でした。8時半頃月に隠れ、40分後ほどして、再び姿を現しました。地球から遙かに離れた天王星を肉眼で見るのも始めてなら、一直線に並んだ結果、姿を消すのを見るのも初めてでした。

 天体ショーを見ながら思いをヨーロッパに巡らしました。ポーランドのアウシュヴィッツで一日過ごした帰り、ワルシャワで見た鮮やかな満月を思い出しました。ウクライナの人々は、どんな気持ちでこの月蝕を見ているのだろう、と思いを馳せました。思えば、ヨーロッパの歴史は戦争の歴史でもありました。土地の奪い合いの歴史でもありました。ナポレオンの時代から冬のヨーロッパは戦場でした。16世紀にはポーランドが巨大な国になりました。プロシアが全盛を極めた時もありました。第二次大戦ではポーランドのユダヤ人が、併せて600万人も殺されました。アーリアン民族主義のなれの果てでした。

 そして、今もウクライナとロシアの間で土地の奪い合いが続いているのです。2,300年前まで続いた戦争を「つまらないから、もう止めた」とお互いに納得したのにも拘わらず、またまた殺し合いを始め、決着が付かないでいるのです。それがヨーロッパの伝統だ、と言ってしまえばそれまでですが、ロシア人とウクライナ人はお互い兄弟同士なのだから、今夜の天体ショーを見てお互い反省して、鉾を収めて貰いたいものだ、とつくづく願った次第です。

2022年11月8日          終わりが見えない         

 ウクライナの首都キエフでは、450万所帯が電気を使えないそうです。イランからロシアに渡った無人機がキエフのインフラ設備を破壊しているそうです。ロシア側では一般兵士が不足し、戦う士気が極端に落ちているそうです。加えてロシアの国内では兵役拒否が続出し、海外に逃れる若者が後を立たず、更に国内では戦争反対が叫ばれ始めました。ウクライナはロシアに奪われた地の奪還に成功しつつありますが、ゼレンスキー大統領がNATO諸国に武器の供与を頼んでも、欧米諸国は「またか!」と露骨に嫌な顔を見せ始めました。殊にアメリカで、その空気が広がりつつあります。つまり、このたびの戦争がロシアのプーチンとウクライナのゼレンスキーの意地の張り合いとなっているのです。

 日本も同じ経験をしてきました。第二次大戦の末期、連合国から発せられたポツダム宣言の受託を、当時の陸軍の責任者が意地を張り通したため、受託が半月遅れ、多大の被害が加算されました。不可侵条約を破って、ロシアは満州国に攻め入り、あまつさえ樺太、千島、北方四島を我が物にしてしまいました。そういう理屈では推し量れない理不尽な国ロシアを相手に、NATOは戦っているのです。ウクライナの犠牲の上に置いて。恐らく世界の誰もが、現在の膠着状態を見かねて、停戦を望んだとしても、プーチン、ゼレンスキーが生きている以上、それは無理でしょう。問題はNATO諸国に応援の疲れが見え始めたことです。アメリカ議会でも、それが今、問題になっています。

2022年11月7日          病 院         

 私の住んでいる練馬区には、これといった総合病院がありません。唯一、隣駅の高野台に順天堂病院があります。これまでは、何かあると新宿の女子医大病院に飛び込んでいましたが、今年の3月、膀胱結石手術の前日、病院側の手不足が原因で追い出されたことがあったため、印象を悪くしています。今回順天堂に罹った過去の呼吸器科のカルテは女子医大に保存されているでしょうが、二度と女子医大へは行く気になれずにいます。

 順天堂練馬病院は朝から満杯でした。しかも、ほとんどが老人ばかり、私も、その一人に加わり順番を待ちました。採血、胸部X線、胸部CT撮影、男性医師による診察、咳の薬の処方、次回の検査・診察は十日後、、、

 CT写真を見た限りでは、特に重大な欠陥は見られなかったものの、間質性肺炎の兆しが見られるとのご託宣。さもありなん、と思いました。この疾患には特効薬がありません。十年ほど前、女子医大でも同じ診断を受けていました。でも、十年長らえることが出来ました。つまり、私の持病に近い間質性肺炎と、どう、折り合いを付けながらが暮らすか、が私にとっての課題なのです。

 次回の診察は9日後の16日です。

2022年11月6日          秋の早慶戦         

 日曜日午後、恒例の囲碁の番組の後、野球の秋の早慶戦の実況中継が写りました。早稲田が6対3で勝っていましたが、両校とも優勝争いには及んでいないようでした。早稲田の学生の頃、アルバイトが忙しく、野球の応援どころではなかったのですが、その時の優勝争いに拘わる試合だけはクラスの仲間と共に神宮球場へ応援に行きました。声を枯らして応援した甲斐あって、早稲田が優勝しました。それからが大変です。クラス全員が新宿のビアホールへ繰り出しました。大ジョッキが何度も運ばれてきました。応援歌の大合唱が起きました。慶応を野次る応援歌の替え歌まで飛び出しました。「陸の亡者、低脳!」名だたるあの歌です。 

 あれから半世紀以上が過ぎました。ビアホールで肩を組んで大合唱した仲間は、いま、どうなっているでしょうか? 学習研究社の敏腕編集長になった竹内二郎君、京都新聞の東京支社長になった市川長年君、NHKのデレクターになった渋谷康生君、日本国内航空の君島守君、共同通信の山田正弘君、東京都庁の山本盛吾君、、、、、、

 「♫集まり参じて人は変われど、、、♫仰ぐは同じき理想の光、、、早稲田、早稲田・・・・・・・・・♫」

2022年11月5日      前川喜平さん     

 前田NHK会長の後任に、文部事務次官であった前川喜平さんを推す世論が高まりつつあります。何よりも、NHKに在籍した職員で構成する団体が彼を推薦したことで、その機運が一気に高まりました。前川さんは奈良県の出身。開成高校から東大法学部、公務員試験を経て文部科学省入省。だが、新宿歌舞伎町の出会い系バーに通っていたことが読売新聞に暴露され、当時の菅官房長官によって事務次官の席を追われました。その後の彼は、無聊を託つため、仲間と映画制作などしましたが、彼のような有能な人材にとっての居場所ではなく、彼にふさわしい公職があればいいなあ、と私自身祈っていました。彼が仲間と制作した映画を見に、わざわざ福島まで一泊で行ったことがあります。小さな映画館でしたが、映写終了後、質問などの座談会がありました。真っ先に手を上げた私は、「前川さんの映画を見るために東京から一泊でやってきました。(会場から拍手)この映画は教育に関する示唆に富んだ作品ではありますが、前川さんが心身を傾ける世界ではないようです。どうか、政官財に復帰して今の堕落した自民政治を変えて貰いたい。私はずっとこの先、前川ファンで在り続けます(大きな拍手)」

 チャンスが巡ってきました。彼がNHK会長になれば自民党言いなりの国民放送もスタンスを変えざるを得ないでしょう。私も世論喚起のために微力を尽くす積もりです。

2022年11月4日    虎丸、でかした!     

 昨日、山梨県甲府の常磐ホテルで行われた、朝日新聞主催の囲碁名人戦は井山裕太、芝野虎丸の互いに三勝三敗のあとの最終戦になりましたが、芝野虎丸が井山の大石を屠り、名人位を獲得しました。井山33歳、虎丸22歳。

 最近の囲碁将棋界ではタイトル保持者がどんどん若返っていく、という風潮が顕著です。一世を風靡し、讃え祭られた名人達は、既に片隅に追いやられ、その神通力を失いつつあります。

 何故なのでしょう? それはコンピューターが将棋と囲碁の世界に入り込んで来たからです。AIと呼ばれるコンピューターの技術を縦横に駆使出来るか否か、がプロ棋士としての必要絶対条件になりつつあるからです。

 5,6年前、神戸のコンピューター研究所を見学したことがありました。大型のコンピューターが何十台も並んでいて、複雑な計算を数秒でやってのけていました。今は更に量子コンピューターに進歩しているそうですが、囲碁の「AI」とは、過去何十万とも言われる名人達が残した棋譜のすべてを読み込ませ、最善手を提示させる技法を言います。更に、「AI]が示した最善の手がなぜ、そうなのか、そうなるのか、が理解できる頭脳がなければ、折角の「AI」も宝の持ち腐れとなるでしょう。芝野虎丸は若干22歳。頭脳が若いお陰で「AI」を駆使する点においては図抜けている、と言われています。

 一方、女性の囲碁界も活躍しているのは若い人たちです。ひと頃一世を風靡した台湾出身の謝依明も見かけなくなり、藤沢秀行の孫・藤沢玲奈(22歳)、上野あさみが全盛です。小学六年生の仲邑菫の活躍も見逃せません。囲碁の世界は、もう、年寄りの出る幕はなくなった、と言えるようです。

2022年11月3日    佐々木愛さん     

 今週の週刊文春をくくっていたら、文中の「家の履歴書」に文化座座長の佐々木愛さんが登場していました。田端の劇団練習所が図解入りで掲載されていました。毎週発行の文春の記事の中で「家の履歴書」欄ほど面白くないものはないな、と思っていたのですが、家の履歴書とは、その人間の履歴そのものでもあることに、改めて気づき、なるほどと思わされました。

 「佐々木愛・舞台生活五十年祝して」を発案し、企画し、制作したのが私こと「N・N工房」でありました。グラビア用紙を使い写真を多く掲載しました。年表も改めて作りました。寄稿者にはお礼の挨拶状を送りました。佐々木愛さんを私に紹介してくれたテレビ朝日の丸山さんも少しは手伝ってくれましたが、ほとんど独力で約400部創り上げました。パソコンとキャノンの印刷機だけで。本の表紙はボールをクロス張りにしたので、一見、豪華本に見えました。五十年祝賀会は池袋のホテルで行なわれ、私が作った本は引き出物の一つになりました。

 文春の記事に依れば、「佐々木愛舞台生活六十年」になろうとしている様子。昔、あることがあって、佐々木愛さんを紹介してくれたテレビ朝日の丸山さんとは未だ、絶交状態が続いているのですが、その原因が、私の早とちりと錯覚であったことが最近になって分かり、私から丸山さんに詫びを入れ、佐々木愛さんとの交流を復活させて貰い、出来れば、再び記念誌の制作を申し出ようかなあ、と思っているところです。

2022年11月2日    義足の団員     

 台湾の国慶節に招かれた京都橘マーチングバンドは、その美事な演奏ぶりによって台湾の人たちに強烈な印象を与え、社会現象にまでなったようです。  更に団員の中に片足の股から下が義足の女の子がいたことが、あからさまになり、改めて感動を呼び起こしているそうです。

 その団員の名はフルート奏者の金丸仁美さん。他の団員と同じように、一分間に244回のステップを踏み、9キロの道のりを休憩なしで演奏し続けました。ステップを休みなく踏みながら、息を溜めてフルートを吹く。並大抵の動きではありません。私自身、中学生の頃フルートに憧れてやってみたことがありましたが、ただでさえ、息が切れて目眩を起こしそうになりました。義足の足をかばいながら、強烈なステップを踏み、長い道のりを舞いながら歩く、、 それを知った台湾の人たちが改めて感動した、というのは、宜なるかなであります。私自身もこのことを昨日のユーチューヴで知りましたので、当事者である金丸仁美さんの写真を掲載させて貰いました。金丸さん、あなたには今後,素晴らしい人生が待っています。どうぞ、お幸せに。

2022年11月1   長生きしたければ     

 今日から11月です。一ヶ月間、書き綴ってきた「最近のエッセイ89」も、今日からは「最近のエッセイ90」になります。実は、この移行作業が実に難行、苦行なのです。プロバイダーが名称変更になって機種が新しくなってからは、一層、複雑になりました。幸いスタッフに松阪さんという若い女性がいて、半ば、専属で面倒をみてもらえているので大助かりしています。「ブログでホームページ」を始めてからからですから、もう、何年になるのでしょうか、何時の時でも、素早く、しかも的確に対応してもらっています。そのお礼と言っては何ですが、感謝の気持ちを表すため、クリスマスになると会社宛にして彼女にささやかな贈り物をしてきました。

 さて、今回の移行に当たって、前回までスタッフ任せにしていたのですが、今回は自分で挑戦して見ました。何となれば、「複雑なパソコン作業に敢えて取り組め、されば、命を長らえん」との記載がある雑誌にあったからです。長野高校同級生の内山君などは、未だに、パソコンはやらず、と言うより「やれず」、スマホは持たず、と言うより「操作できず」、「ガラケー」を唯一の頼りにしているのですから、この記事の真偽は定かではありませんが、少なくともこれまで寿命を保ち得てきたのは、電子器具と割に早くから仲良くしてきたお陰もあるようです。とかなんとか、複雑極まりない移行作業を、松阪さんに見守って貰いながら終了することが出来ました。やれやれでした。

 各位に置かれましては、相変わらずお目通しいただければ、これにすぎる喜びはございません。                   

2022年10月30日       7回忌                   今日は宮沢恭人君の7回忌の日に当たります。これから支度をして井の頭線・東大前の浄土真宗のお寺へお参りに行ってきます。同じ長野高校から彼は一年浪人して東大から朝日新聞社販売局へ。私も一年浪人、早稲田を一年留年して同じ販売局へ。二人とも海野武という東大出の猛者を親分に持ち、大阪から来た販売局長を二人して局次長として仕え、彼の後の西部本社の営業局長を引き継ぎ、おまけに書道会まで引き継ぎ、最終的には彼は取締役名古屋代表、私は朝日学生新聞社社長を最後に仕事とは決別しました。以後、ゴルフは清春カントリー、囲碁は同じ日本棋院四段の腕前で覇を競い合い、彼が入院するまで六本木の書道塾へ毎週通いました。膀胱ガンが彼の身体を蝕み始めたのはその頃です。運良く、日本で最も権威のある有明病院へ入いれましたが、病状は進み、肺に水がたまり始めました。どうしても行きたかったポーランド・ワルシャワでのショパンコンクールの出発前日、有明病院へ行き、面会謝絶を押して彼と握手しました。そして、高台にある有明駅のホームから有明病院に向かって「どうか、彼を助けて下さい」と祈りました。しかし、一週間後、彼は私が帰国した日の朝、私を待っていたかのように、あの世に旅立ちました。葬儀は、井の頭線の東大前駅を降りて直ぐの浄土真宗の小さなお寺で行なわれました。彼がここの奥津城どころを買うとき相談を受けました。私は大いに賛成しました。東大へ通う学生の足音を聞きながら眠って居られるなんて、またとないじゃないか、と。

 今日、これから支度をしてそこへ行くのです。久しぶりに彼に会えるのです。悲しさ半分、嬉しさ半分です、、、、、、、

 行ってきました。線香を手向け、私も彼も長野の浄土真宗なので念仏を唱えて来ました。同業であった信濃毎日新聞の内山君をスマホで呼び出し、そのスマホを墓石の上に置いて、内山君からも彼に向かって語りかけて貰いました。

 帰路、昨年同様、渋谷駅前広場にしばしたたずみ、雑踏を眺めました。昨年も同じことをしてスマホを落としました。奇特な方に拾われ、幸い、戻ってきましたが、、、今日はハローウインの前日の上に日曜日とあって、人の混み様は尋常ではありませんでした。時間を忘れて雑踏の中に身を置いていました。

 2022年10月29日    権力の醜さ                     反対派勢力を一掃し、7人のトップをすべて自分の息のかかった子分どもで固めた一党独裁政治が、今後の中国で続こうとしています。一方、日本の政界は統一教会問題でてんやわんやの大騒ぎですが、その中にあって「シレッ」として権力にしがみついている野郎がいます。敢えて、野郎と呼ばせて貰います。筆頭は細田衆議院議長です。細田派の親分でもあります。そのズブズブの関係が次々に明るみに出ているのに、本人は全く知らぬ顔の半兵衛、どこ吹く風、とばかり権力にしがみついています。もう一人は萩生田光一前文科相です。この男は安倍総理の森友事件の時、堂々とテレビで偽証を放っています。どの面下げて、政調会長のポストに座っているのでしょうか。他にも大勢います。しかし、彼らはこの際、なりを潜めて嵐が過ぎ去るのをじっと待っています。地方議員も然りです。主として日本の政界に仕掛けられた韓国を発祥とするエセキリスト教団の罠は思いのほか深く一般民衆にまで浸透し、その、霊感商法に対する軋轢は大きな社会問題にもなっています。それを事前に察知して排除するのが政治の役目であるのに、自らズブズブの関係に陥っているとは何たるザマでありましょうか!

 図らずも、自民党政治の大きな恥部が露呈されました。自分は関係ない、とばかりに「知らぬ顔の半兵衛」を決め込むなど、決して許されるものではありません。

 2022年10月28日     反 省                    昨日のこの欄で、共産党大会での胡錦濤の行動について「義憤に駆られての自発的退場」と書きましたが、一方、「会場からつまみ出された」との見方も出来ることが分りました。公開されている写真の音声があればいいのですが、また、最初の部分の写真があればすっきりするでしょうが、今のところは憶測するしかありません。問題を解く鍵は、何故、胡錦濤の背後に係員が二人も付いたか?です。

 「抗議のための自発的退場」と、「邪魔だからつまみ出された」では、「月とすっぽん」ほどの違いがあります。いずれ、この問題は、写真の音声を含めて明らかになっていくでしょうが、昨日、私は一方的な判断を下してしまったことについては、反省しなければならないでしょう。

2022年10月27日      事 件                     過日の中国共産党大会の最終日、壇上最前列で習近平と並んで座っていた前主席の胡錦濤が、何を思ったか、突然、退席しました。去り際に習近平の横の席にいた李克強の肩に手を置いて、、、、憮然とした習近平の顔が見ものでした。胡錦濤は10年前に習近平を主席にした、いわば、親分でもあります。その親分に対して相談もなしに人事を決め、しかも、彼に対していつも距離を置いていた李克強を年は一つしか変わらないのに下野させ、7人の重要人物のすべてを側近で固めた習近平の新しい人事に腹を立て、せめてそれを意思表示するため、途中退席を決行したのでありましょう。せめてもの抵抗の気持ちを、途中退席することによって示したのです。この事件は、明らかに習近平にとってマイナスに作用するでしょう。人事というものは政治にとって最重要課題ですから、いかなる政治家であっても先ず、関係者に根回しをします。反対があれば説得を試みます。反対が強い場合は妥協を試みます。今回の胡錦濤の場合、習近平はその根回しをしなかったのではないでしょうか? だから、胡錦濤は、自分がないがしろにされたことに怒って満座の中で抵抗を試みたのではないでしょうか。会議の最中、自分の恩人でもある先輩から、大恥を食らった習近平。この問題は、今後、中国14億人の格好の話題となるでしょう。

2022年10月26日    ハンマークラビア                    ベートウベンには30曲を超えるピアノソナタがありますが、中でも29番のハンマークビアと名前の付いた曲は超有名です。そしてこの曲を更に有名にしたのは第三楽章のアダージオです。「ジャンクリストフ」の作者でもあるロマンロランには「ベートウベンの生涯」という大作もあるのですが、この第三楽章のアダージオを絶賛しています。優雅な単音で始まるこの曲は、途中、控えていた貴婦人がつられて立ち上がり、踊り出すような、いわゆる、俗っぽい部分もあるのですが、それがまた、この曲を引き立てています。ロマンロランは、この曲を年老いた女友達マルビータに献呈しています。ショパンのマズルカや、チャイコフスキーの短調の曲にいささか疲れを覚えている私は、この3楽章のアダージオを思い出し楽譜を探しました。が、あの分厚い楽譜が見当たりません。やむなくアマゾンから取り寄せ、到着するや、恐る恐る3楽章を開いて音をとってみましたが、到底、私ごときの力量では無理なことを知りました。高校生の時から大学にかけてピアノはなくても「ベートウベンの悲愴ソナタ」が弾けていたのに、です。一方、ユーチューブを開くと多くの名だたるピアニストがこの曲を演奏しています。いずれも素晴らしい演奏です。IPADを片手に、目では楽譜を追いながら、さて、どうしたものか?と思案しているところです。

2022年10月25日       異常気象                                             

 昨日から今日にかけて、気温が異常に下がりました。日本のあちこちの山で初冠雪が観測されました。まだ、10月下旬なのに、秋を通り越して冬がそこまで来ているのです。気温の異常は太平洋の海の底でも起きているようです。アラスカのベーリング海では海底温度が2,6度上昇したため二億匹のずわい蟹が死に絶えたようです。そのためアメリカ水産庁は今年と来年、ずわい蟹を禁漁としました。日本へ入ってこなくなりました。当てに出来るのは、ロシア産と日本海近海で捕れるものだけです。必然的に今年もまたずわい蟹は高嶺の花になるでしょう。数年前、蟹にありつくことだけを目的として金沢へ行ったことが思い出されます。羽田から小松空港へ飛び、金沢の近江町市場の真ん前のホテルに陣取りました。蟹の本場とはいえ、甲羅にこけの生えた見るからにずわい蟹の親分のようなのは、1万5000円以上しましたが、その子分の、人相の良いものを求め、ホテルの部屋で、金沢の銘酒「菊姫」と共に堪能しました。

 旅ガラスが仕事であった私にとって、その土地の市場に寄ってその土地独自の産物を見て歩くのが楽しみの一つでした。春の秋田の市場では山菜が、うずたかく積まれていました。新潟の本町市場では、獲れたての日本海の魚が飛び跳ねていました。数ある日本の市場の中で、私が一番気に入っているのが、金沢の近江町市場です。海産物が豊富なせいか、何故か、おでんやさんの屋台を数多く見かけました。

 昨年の大晦日は冷凍蟹で何とかごまかしましたが、今年はもはや無理でしょう。せめて、金沢産の「おでんだね」を仕入れ、お酒だけは「菊姫」にして大晦日を送りたいと思っています。

2022年10月24日     中国共産党大会                                       5年ごとに行なわれる共産党大会が昨日終了しました。習近平より一才年下で、彼とは距離を置いていた李克強はその地位を外されました。新入りの役員は全員が全員とも習近平の息のかかった者ばかりです。向こう十年の独裁体制が確立した、といっていいでしょう。確実に言えることは、アメリカと中国の覇権争いが、今後益々激しくなるということです。第三次世界大戦の勃発も視野の中に入れねばならなくなりました。

 一昔前の中国はボロボロの国でした。今、60歳でデズニーランドの子会社の社長をしている長男が小学校5年生、コンサルタント会社の部長を務めている次男が4年生だった時の正月休み、生まれて間もない三男を母親に預けて、4人で中国ツアーに参加しました。西武観光の企画で5泊六日、一人14万円の子供らにとっては初の海外旅行でした。北京に着いた途端、猛烈な寒さに襲われました。慌てて免税店に飛び込んで、中国人が着ているのと同じ、青色の綿入れの外套を四着買いました。宿泊のホテル「建前飯店は」天安門広場の近くの街角でしたが、建て付けが悪く、隙間風が吹き込んで来ました。夜中は空車の往来が激しく、朝になると眼下の道路は自転車の大洪水。「シヤー」という連続音は悪魔の響きとなりました。売店で売っているのは腐りかけたリンゴの他何も見当たらす、近くの天安門広場へ行ってみると、既に、数千人の同じ青い外套を着た人々が、何をするでもなく、ただ、ただ、突っ立ていました。強烈なポテンシャルパワーを感じました。3日目の夕食は北京飯店での名物「北京ダック」でした。ウエイターさんに食べ方を教わると、子供達は食べるは食べるは、一羽では足りずお代わりする始末。連れてきて良かったなあ、と思いました。当時、旅行者は現地の通貨「人民元」を使うことが出来ませんでした。旅行者用の兌換券が発行されていました。私の古ぼけた財布の中には、今もって、そのときの兌換券と人民元が入っています。50年間財布のお守りをして貰ってきました。

 習近平の続投が決まったいま、今後の中国はどうなっていくのでしょうか?覇権争いは歴史の常識です。独裁者は自分の力を過信し、その発露を求めるのが歴史の常でした。習近平が第二のプーチンにならないよう、祈るや切です。

 

2022年10月23日       サイトウキネンの変容                 毎年、秋口になるとアルプスの麓の町長野県の松本市は音楽一色に染まります。桐朋音大の故斉藤秀雄の薫陶を受け、世界中に散っていた教え子達が松本に集結して、恩師を偲びながら名演奏を披露してきました。その舵取りをしてきたのが斉藤秀雄の一番弟子・小沢征爾でありました。二人の指導を受け、世界中に散っていた音楽家達が、このときとばかり松本に集まって、それはそれは美事な演奏を行ないます。チケットの入手は当然ながら入手困難を極めました。幸いなことに、信濃毎日新聞社が後援団体に入っていたことから、販売局長であった内山貢君のお陰で、チケット2枚をとって貰い、毎年、車を駆して松本まで行っていました。それもこれも16年前までの話で、今、サイトウキネンは「セイジ・オザワ記念松本フェステバル」と名前を替えています。その上、今までは9月の十日間が期間だったのに、8月から11月まで四ヶ月間がその期間になっています。その証拠に、サイトウキネン30周年記念オーケストラが、文化ホールでマーラーの交響曲第9番を、アンドリス・ネルソンの指揮で演奏するのが何と、11月25日です。8月から始まって11月まで続くまでに替わりも変わってしまったサイトウキネン。何と申しましょうか、であります。

 幸いなことに小澤征爾は不自由な身体であっても、会場に現れ、短時間であっても指揮棒を振るったようでした。  

 2022年10月22日        行政のコロナ見殺し政策                今までは、新聞の都内版には毎日の行政区別のコロナ感染者数が載っていました。それによって、23区や大島、八丈島などの感染者数の比較が出来ていました。ところが最近の紙面ではその図表が見当たりません。僅かに総数が発表されるだけです。

 極く最近、神奈川県相模原市に住む親戚の青年がコロナに罹りました。高熱が出て、汗が夜具を濡らし始めたので、検査を受けたところ陽性が判明しました。入院治療を申し出しましたが、行政は取り扱ってくれません。薬はくれたらしいのですが自宅待機を申し渡されました。布団乾燥機、下着、流動食品などをアマゾンを通じて取り寄せ、彼の住むアパートの扉前に届けさせました。どうやら、高熱も去り、食欲も出て、平常に戻りつつあるようですが、まだ、職場復帰には至っていないようです。

 この件を通じて分ったことは、行政は既に、コロナ患者をインフルエンザ感染者と同等に見なし始めていた、という事実です。患者が発生したら、速やかに収容隔離し、的確な治療を施し、職場復帰をさせるのが行政の役目であるにも拘わらず、それをしなくなったのです。病院は収容を拒否し、自宅治療を強要し、死ぬものは死ね!と言っているに等しいのです。だから、患者数の新聞発表もしなくなったのでしよう。

 恐ろしいことになりました。特に持病のある高齢者にとっては、「感染は即死」に繋がることになっているのです。私などは特に小さいときから気管支が弱く、何度も肺門リンパ腺炎に罹っていました。既に、四回目のワクチン接種は行なってはいるものの、もし、感染すればイチコロでありましょう。

 医療崩壊を怖れる医療行政は既にコロナ患者の治療を放棄したのです。それが日本の現実であり、世界の趨勢であるようです。

2022年10月21日            牧野記念庭園                     北京秋天」という言葉があります。昔、画家の梅原龍三郎らが中国の北京へ行った際、見上げる青空が余りに澄み切っているので、感動の余り発した言葉です。今日の東京の空は晴れてはいても鰯雲が浮かんでいますが、昨日は正に「北京秋天」でした。心が浮き浮きしました。そして、家からさして遠くない大泉学園に位置する「牧野記念庭園」へ出かけました。高知県が生んだ植物学の泰斗・牧野富太郎が大正年間から昭和30年にお亡くなりになるで住んだところです。つい最近まで、雑木林や、畑が広がっていた練馬の大泉地区も、宅地開発が進んで、高層建築や、戸建て住宅が密集しています。その狭間の中にさして広くない記念庭園がありました。入場料は無料。そのせいもあってか、植物の手入れには手が回りかねているように思われました。資料室はありました。彼が植物学の世界に並々でない功績を残していたことが、改めて分りました。彼が最も愛した植物の押し葉の写真が10枚一組で千円で売られていました。唯一の収入源かと思い、買わせていただきました。資料室で彼の年譜を見ていたら、彼はこの庭園で94歳で亡くなった、とありました。私も彼に肖って94歳まで生きて、毎年春には、各種の桜が植えられているこの庭園を訪れよう、と思いました。

 

2022年10月20日         玉川徹さん復帰                     

 去る9月27日に安倍前総理の国葬は、悪評サクサクの中で行なわれましたが、唯一、菅前総理の友人代表挨拶には、その心情が溢れていて胸を打つものがありました。テレビ朝日の朝の看板番組「モーニングショウ」で常連のコメンテイターである玉川さんが、この挨拶を含めて「電通が絡んでいる」とやったものだから、物議を醸しました。そうでなくてもテレビ局は電通からの広告で成り立っています。例えそれが事実であっても、電通の機嫌を損ねるわけにはいきません。玉川さんは二週間の謹慎処分となりました。これを機に玉川さんはテレビ朝日を退社し、独立するのではないか、など憶測が飛び交いましたが、一昨日、彼はテレビに出て発言に不適格な部分があったことを認め、謝罪しました。そして、今日から朝の番組に出演しました。やれ、良かった、と思ったのは、キット、私一人ではないはずです。

  彼は仙台の名門校仙台二高の出身です。そこから京大の農学部に入り大学院まで修了している変わり種です。恐らく、テレビのコメンテーターは彼が意図した職業ではなかったはずですが、どういう訳か、こちらの方でも能力を発揮しました。つまり、全人格が優れているからでありましょうが、それにしては家庭的にバツ一なのが気になります。彼の今後の活躍に期待いたしましょう。

 2022年10月19日         進む円安                     

 円安が加速しています。日銀が半月ほど前に為替介入しましたが、その時は、4~5円下がったものの、焼け石に水でありました。国会に召喚された黒田日銀総裁は「低金利政策はこのまま推移させる」と言い放ちました。お辞めになる気はないか?との問いに、その気はない、と豪語しました。このところのドル高の影響は、日本のみならず世界中の国々がその影響を被っています。特にアルゼンチンがひどく、132%。日本はその次の122%。何故、こうなるのでしょう? 実は、アメリカも物価高で苦しんでいるのです。それを抑えるために金利を上昇させました。それが投機筋によって、好機と捉えられ、ドル高を招いている、と言われています。一方、円安は輸出業者にとってはまたとない好機です。日本製品が売れるからです。反対に輸入業者にとっては災難でしょう。購入する海外の物品が高値になるからです。

 コロナによる規制が緩和され、先週から海外から日本へ来る外国人がうなぎ登りに増えています。すべての外国人は、日本製品を爆買いしています。廉い、廉いと言って大喜びでスーツケースを満杯にしています。反対に外国へ出かけた日本人は、為替レートの落ち込みで、買いたいものも我慢を強いられる始末。殊に、何度も往来したタイ・チェンマイでも同じで、日本円の使い出がなくなった、という嘆き節が、横溢しているようです。

 この現象を生じさせたのは一体、誰なのでしょう? 私は自民党政府と財務省、日銀のせいだ、と思います。日本活力を信じるが上の「見誤り」でなくて何でしょうか。老大国日本の現実を見誤ったがゆえの無策から生じた、政治の貧困が招いた災難でなくて何でしょうか!

 2022年10月17日   一緒にいること(作者不詳)                  死ぬということは、なんでもないことなのです。                                                                                        私が隣の部屋に移っただけなのです。お互いの今までの関係はそのまま続いている        のです。今までと同じ名前で呼んでください。今までと同じに気軽に話しかけて下        さい。ちょっとした冗談に、いつも笑っていたように、面白がって笑って下さい。        遊んで下さい。微笑んで下さい。時には、私のことを考えて下さい。私のために祈        って下さい。私の名前をお仲間の中に入れておいて下さい。元と同じように。

   死ぬということについて気楽にお話しましょう。命の意味は今までと同じです。                   それは、今でも変わりません。でも、それは完全に繋がっているのです。

  私が見えないからといって、あなたが忘れてよいでしょうか? 私はいつもあなた        を 見つめています。その柱の陰から、お台所の片隅から。そして、私はあなたを待       っています。少し離れて、ほんの近くで、ちょっと、角を曲がったところで。

 全く、大丈夫です。何も過ぎ去っていませんし、何にもなくなっていないのです。ほ      んの一瞬が過ぎたあと、すべては元のままでしょう。すべては良くなっているので        す。永遠に、今まで以上の楽しさの中で、私はあなたと共にいるのです。

    いつまでも、いつまでも、、、、、 

 (この散文詩は、幸田シャーミン作とも言われています) 

2022年10月17日      演説と笑い             

 1昨日、北京で中国の最大行事である共産党大会が開催され、習近平は一時間半に亘って演説しました。5年前の前回は3時間を超える演説でしたから、聞いている方も大変だったでしょう。長い演説でも、その中に笑いがあると演説の内容も好感を持って理解される、と古来から言われています。私自身、人前で話す機会には大変恵まれてきました。そのたびに、どこで、どういう笑いをとるか、について腐心しました。練りに練ってその場に臨みました。殊に、朝日新聞社の宣伝部長になってからは、社が主催する行事が多く、そのたびに主催者挨拶をさせられてきました。将棋の職団戦という行事がありました。全国の会社の将棋クラブの日本一を競う団体戦です。武道館に2000人ほど集まった中での主催者挨拶でした。幸い、会場に笑えてもらえてホッとしました。

 神宮球場で少年野球大会がありました。産経新聞社主催から朝日に移ってきた行事でした。ユニフォームを着た1000人を超える少年達を前に、壇上に立ち、さすがに足が震えながら、練りに練った少年向けの挨拶をしました。計画通り笑ってもらえました。歌手の五木さん、和祐子さん夫妻のお子さんも選手の中にいる関係でゲストに呼ばれていました。野村監督の代わりに奥さんの左知代さんもゲストで挨拶しました。

 部長、局長、社長になってからは挨拶の機会が多くなり、そのたびに新しい笑いを考えるのも、次第に億劫になり始め、一つところに纏めて置く方法がないかと、考えた末に出来たのが、わが「ジョーク集」です。このホームーページにも収録されています。その気になって集めてみると、あるは、あるは、世界には思いも寄らないジョークが、沢山、存在していました。苦労して集めて、さて、使おうか、と身構えてはみたものの、演説する機会は既にどこにも、もうありません。

2022年10月16日      紅 葉             

 10月も半ばを迎え、吹く秋風と共に、紅葉の季節となりました。若いときから旅ガラスの身であってみれば、全国各地の紅葉に出会う幸運に恵まれてきました。最も早い紅葉に出会ったのは、9月の下旬、北アルプスの立山・剱岳に登ったときです。剣沢の源流をなす池の畔にビバークしたのですが、朝、テントから這い出してみると、全山の植物すべてが朱に染まって、朝陽の中で輝いていました。ここは天国に違いないと思いながら、下山を開始し、欅平まで降りてくると、今度は関西電力が作った桟道を伝わって黒部川を遡ります。数十メートル下は激流が水しぶきを上げています。崖に打ち込まれた杭の上に置かれた板の上を、ザックを背負って歩くのです、時にザックが針金に触ってあわやとなります。必死の思いで、剣沢と針ノ木沢の出会いの十字峡に到達します。そこも紅葉の天国でした。ビバークの用意をして、今度はその先の白竜峡に向かいます。既に桟道はなく、黒部川の清流を遡って、漸く、魔の洞窟へ到着しました。五十メートル四方の洞窟には黒部の清流がまんまんと湛えられていました。正に、白龍が住んでいてもおかしくない秘境でした。それも、これも今は昔、黒部の電源開発により白竜峡は湖底に沈んでしまっているようです。

 東北の地方の紅葉は10月初旬から始まります。青森の奥入瀬渓谷、山形の月山麓、福島の裏磐梯、夏井川渓谷沿い、、、しかし、なんと言っても美事なのは12月の京都の寺院の紅葉でしょう。いわゆるモミジ、カエデの種類が京都のものは違うのでしょうか、色合いが違うように思えてなりません。詩仙堂、三千院、苔寺、金閣寺、、、、中でも私のお気に入り、嵐山の大河内山荘から見る桂川の紅葉、、、、

 時の政府と自治体は、いま、旅行割引券を発行中です。恐らく、人気のある京都は外国人を交えてごった返しているでしょう。私としてもそれに肖りたいとは思うものの、人混みをかき分けて行く気には、到底なれません。困ったものです。

22年10月15日      秋の歌 十首              

   秋風に たなびく雲の絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ

   山川に 風のかけたるしがらみは 流れもあえぬ 紅葉なりけり

   秋の菊 にほうかぎりは かざしても 花より先きと 知らぬ我が身を

   奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声きくときぞ 秋はかなしき

   秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ

   寂しさに 宿を立ち居出て ながむれば いずこも同じ 秋の夕暮れ

   おりたちて 今朝の寒さを おどろきぬ 露しとしとと 柿の葉深く

   秋の日は さびしせつなし 部屋の棚 あらゆる花を もて飾れども

   さえざえと 今朝咲き盛る 白菊の 葉陰の土は 紫に見ゆ

   雲去れば もののかげなく 薄赤き 夕日の山に 秋風ぞ吹く

   紅葉照り あかるき中に 我が心 むなしくなりて しまし居りけり 

2022年10月14日    プーチンよ、去れ             

 ロシアの兵隊の数が足らなくなり、一般募集をかけ、経験のない若者がかり出され、銃の持ち方まで教わっている映像が世界に飛び回っています。一方、ウクライナ側ではロシア兵士に投降を呼びかけ、戦車一台、装甲車一台につき、それぞれ代金を支払うから、という驚くべき現実が露わになっています。2月24日から始まった戦争も、新しい段階を迎えつつあります。と同時に、この戦争の意味が改めて問われ出しています。

 破れかぶれになったプーチンが、NATO加盟諸国に核の雨を降らせる、それに対してアメリカを主体とする西側諸国が一致して、ロシア全土に核を使う、正に地球の末期的現象が現実味を帯びてきました。何でそうなるのか? ひとえに独裁者プーチンの独裁ぶりがそうさせるのです。ウクライナの政権がネオナチと呼ばれ、NATOに加盟されることを怖れ、独裁者プーチンはクリミア半島を掌中にし、ウクライナ南側の4州を住民投票までやって支配下に納めました。両国の大勢の無辜な人間が犠牲になりました。人間を死なせない方法、それは一つだけあります。ロシアもNATOに加盟すればいいのです。ロシアがプーチンによる独裁国家をやめて、他の国と同じ、民主国家、自由主義国家になればいいのです。無理に民主国家にならなくてもいいのです。独裁国家であることを止めさえすればいいのです。NATOの存在意義がなくなります。ヨーロッパに平和が訪れます。いずれはまた、諍いが起きるでしょうが、当面の殺し合いはなくなります。

 主義、主張を笠に着て、人間同士が殺し合いに明け暮れる、これほど愚かなことはありません。最も、殺し合いは今に始まった訳ではなく、過去2000年の世界史は殺し合いの連続でしたが、、、、、私は声を大にして叫びたい。プーチンよ去れ!と。

2022年10月13    小倉・旦過市場          

 かぼすを絞って製氷皿に入れ、折々に取り出しては重宝にしていたことで思い出すのは、もう一つの冷凍貯蔵品、「鰯のつみれ汁」です。ある日、小倉の庶民の台所、旦過市場に入ったら、大ぶりの生きのいい鰯が一匹30円で売られていました。つられて30匹を買い込み、一人暮らしのマンションの流しに入れたものの、さあ、どうしよう?

 覚悟を決めて、一匹ずつ頭と骨を剥がし、まな板の上で叩きました。味噌と片栗粉を少量入れて「鰯のつみれ汁」の完成です。小さいとき、母親がよく作ってくれた懐かしい味に仕上がりました。これも小分けにして冷凍保存です。かぼすとつみれ汁の食事が長いこと続きました。しかし、いくら続いても飽きることはありませんでした。

 いま、つみれ汁は光が丘の「屯田」という北海道系和食料理店に行くと、いつでも味わえるのですが、鰯そのものの味は九州小倉の方が勝っているように思えます。たまにはつみれ汁を自分で作ってみようか、と思ってはいるものの、いまだ、実行できていません。

2022年10月12日      かぼす         

 毎年、秋の始めになると、大分県名産のかぼすを友人、知人、親戚に送り始めて何年になるでしょうか? 事の起こりは九州小倉に単身赴任しているとき、責任者会で大分県の山の中でゴルフをしました。売店を覗いたらかぼすが10個ほど網に入って500円で売られていました。これを皆さんに送ってあげたら喜ぶだろうな、と思ったのが最初です。60カ所ほどの住所を書いて山香農協から四キロ入りのかぼすを送ってもらいました。案の定、喜びの礼状が舞い込みました。翌年も、また翌年も送り続けました。ご主人がお隠れになっても奥様宛に送り続けました。始めたのが私が57歳の時でしたから、かれこれ、30年間、続いています。ところが今年は、暑さが続いたせいか、申し込みが遅れてしまいました。でも、山香農協の担当者のお陰で25箱を確保して貰い、送ってもらうことが、昨日、決まりました。ホットしました。

 単身赴任の時は、このかぼすを搾って、製氷皿に流し込み保存しておきます。どんな料理にもあって、重宝しました。数日後には、半ば黄色くなったかぼすが我が家にも届くでしょう。芋焼酎のかぼす割りが今年も楽しめます。

 2022年10月11日      戦線拡大         

 昨日、ロシアのミサイルがウクライナの首都キーウに落とされました。その数83発。プーチンの肝いりで作られたクリミア大橋が爆破された報復でありましょう。今までは、どちらにも無差別攻撃は避ける、という不文律がありました。それが破られたのです。民間人は攻撃しない、という暗黙の了解がありました。それが反古にされたのです。ゆゆしい出来事と言わねばなりません。しかし、戦争というものは、このように逐次拡大していくものなのであります。ウクライナに西側から送られた長距離ミサイル「ハイマート」を使えば、モスクワのクレムリン宮殿はおろか、ロシアの軍事基地を軒並み破壊出来るのですが、ウクライナはそれをやりません。戦争には戦争としての節度が存在するからでありましょう。一方、ロシアには核兵器が無数にあります。それを使えば、ウクライナを完全に消滅させることも出来ます。敢えてそれを行なわないのは、世界の世論を慮ってのことでありましょう。

 首都、キーウがミサイル攻撃された以上、ウクライナも黙ってはいないでしょう。必ず次の手が用意されるはずです。戦争というものは、好むと好まざるとに拘わらず、このように拡大していきます。世界史をひもどけば、その例は枚挙にいとまがありません。戦争を終結させる一番被害が出ない方法が一つあります。それはロシア式ルーレットです。9発の弾丸が飛び出るルーレット式の拳銃があります。プーチンとぜスキレンスキーが互いに向き合って、拳銃に込められた一発の弾丸を引き当てた方が死ねばいいのです。両国の人々はそれを望んでいるはずです。

2022年1月月10日    京都橘学園吹奏学部       

 京都は名にし負う古都です。雅楽や琴、三味線が似合いこそすれ、洋楽やジャズの分野で有名になるなぞ、誰が予想出来たでしょうか?それがあるのです。しかも、主としてうら若き女性高校生が、踊りながら奏でる吹奏楽団です。いまや、世界的に有名で、す。全員がオレンジ色のミニスカートで、ジャズの難曲「シン・シング・シング」を一糸乱れず演奏します。踊りながらトロンボーンや、コルネットや、チューバ吹く。どれだけの加重動作であるか、見ているだけでも疲れますが、彼女たちはいとも簡単にやってのけているのです。彼女達への別称「オレンジの悪魔」は今や世界的にも有名で、アメリカへも何度も行って、本場のデズニーランドや、その他で美事な演奏を披露しています。ところで最近、この悪魔集団が国慶節に招かれた、という報道がありました。中国の国慶節かと思い、中国も粋な計らいをするものだ、と嬉しくなりましたが、実は台湾の国慶節でした。なーんだ、とがっかりでしたが、台湾の国を挙げての行事参加したことは光栄の極みでありましょう。しかも、蔡総督に招かれ王宮で写真撮影までして貰っています。この悪魔集団の更なる活躍を祈るや、切です。

2022年10月9日     長唄 勧進帳         

 久しぶりに今藤長十郎一門の長唄「勧進帳」をテレビで視ました。感動しました。舞台は向かって左手に歌い手の男性6人、右手に、これも男性ばかりの三味線が六丁。下段にお囃子衆。中央に三味線の女性が一人。四世今藤長十郎です。すっかりお婆さんになってちょこなんと座っています。だが、その三味線の音が鳴ることといったら、、、。もちろん、譜面台など置いてありません。あの長い「勧進帳」を全曲暗譜で弾きこなしましました。実に、美事でした。

 かつて、私の伯母が川崎で長唄を教えていました。杵屋弥七登という名取りでした。学生時代、時々行っては三味線と戯れました。どうやら、「岸の柳」が弾けるようになりました。「松の緑」、「越後獅子」、「秋の色草」、「土蜘蛛」、「綱館」などなど、面白そうなものが沢山ありました。三味線文化譜というものがあって、便利でした。春秋の温習会にはかり出されて、雑用をこなしました。今はどうでしょう? 長唄など、日本古来の音楽を教える看板など一つとして見かけません。さすがに、京都へ行けば、あるでしょうが、関東で見かることはないでしょう。東京芸大には日本古来の楽器を教える部門は今もありますが、先細りのように聞こえてきています。全く、惜しい限りです。

 日本古来の音楽は1オクターブを5つにに区切った音で成り立っています。ところが文明開化と共に西洋から12音音階が入ってきました一オクターヴを12に切った音を言います。しかし、世界の民族音楽のほとんどは5音階で成り立っています。ジプシー音楽然り、フラメンコ然り、沖縄の三線もそうです。日本の演歌もそうなりました。オクターヴのうち4度と7度の音を省く奏法です。世界にはまだまだ知られていない音階が数多くあるそうです。日本古来の5音階の音楽、廃れていく古来の響き、何としても継承していかねばなりません。

2022年10月8日     粋な計らい         

 ノルウエーのノーベル賞選考委員会は、今年のノーベル・平和賞の受賞者に、またまた、粋な計らいをしました。受賞は三組あって、先ず、独裁政治が行なわれているベラルーシの人権活動家アレシ・ビヤリツキ氏。ロシアの人権団体「メモリアル」。そしてウクライナの人権団体「市民自由センター(CCL)」です。賞金は各々1億3000万円。これにはビックリしました。ベラルーシの独裁者ルカシエンコも、ロシアのプーチンも、ウクライナのゼレンスキーもビックリしたでしょう。中でも、喜んだのはウクライナの国民でありましょう。過去にもありました。ビルマのアウンサンスーチー、中国のリウ・シャオポー、韓国の金大中、日本の佐藤栄作、、、、いずれもその後はパッとしませんでしたが、時の政治の曲がり角になりました。

 今回の紛争当事国の3つの人権団体への受賞は、世界中から好感を持って迎えられるでしょう。全く、ノーベル賞の選考委員会は粋な計らいをしたものです。願わくはこれを機に紛争が拡大しないことを、祈るや切です。

2022年10月7日     チャイコフスキー         

 十日に一度、近くのピアノの先生のところに通うのは、今も続いています。8月と9月はシューベルト前奏曲集NO・3にのめりこみました。が、今もってスムーズに弾けていません。メロデイを右手で奏でながら、同じ右手で三連音符を最弱音で弾くのですが、「ジソミア」という不治の病に罹っているため、音が不揃いになります。中指と人差し指の音の出が、0・1秒遅れるのです。でも、何とか二ヶ月かかって、さしたるミスなしで弾きこなしました。今度はチャイコフスキーの「秋」とショパンのマズルカに挑戦します。毎日午後5時から30分はピアノに向かい、終わってウイスキーで喉を潤すのが日課です。時には、ユーチューヴでホロヴィッツや、カチアブニアステビリの3番を聴くのですが、聴くたびに、自分の演奏がイヤになります。だからといって、ピアノを止めてしまったらどうなるか? 「はい、それまでよ」でありましょう。

 馬齢を重ねるごとに、自分の力量が落ちてゆく悲哀を感じていくのは例えようもなく寂しいものです。全盛期には、シューベルトの前奏曲集全曲が弾けていました。今思うと、夢のような時代でした。その昔は、モーツアルトのトルコ行進曲付きソナタを長野高校の文化祭で弾きました。勢いに乗じて最後のトルコ行進曲を猛烈な速さで弾き始め、途中の一カ所で、トチル過ちを犯しはしましたが、、、

 今、思うとあの大曲をすべて暗譜で弾けていたのです。今はどうでしょう。暗譜などとても出来ません。楽譜を見るにも眼鏡なしでは霞んでいます。結局、何が言いたいかというと、演奏を聴くのは若い人のものに限る、と言うことです。大昔、83歳のホロヴィッツの演奏を大枚35000円払ってサントリーホールで聴きましたが、ミスの連発でした。「壊れた骨董品」と揶揄されました。ホロヴィッツでさえそうなのですから、況んや、私においておや。さあ、5時になりました。地下室へ行ってピアノに向かいましょう。自分自身にだけに聴かせるために。

 

2022年10月6日      寒暖差        

 昨日の昼間は快晴で気温は30度だったのに、今日は雨模様で寒暖計は20度を割っています。世界中が天候不順とはいえ、この激変は、一体、何なのでしょうか?温暖な気候で知られているタイ・チェンマイでも大雨が降り、お堀の水が溢れ町中が水浸しになった、という知らせが届いています。地球の気候がいつにも増して大荒れに荒れているとは承知してはいるものの、それにしても異常です。

 昔から山へ登っていましたから、気候の変化には慣れています。穂高に登ったときは吹雪に遭遇しましたが、上高地に降りてくるとそこは緑の楽園。河童橋の梓川の汀で、朝炊いた飯盒のご飯を梓川の水に浸して、水飯にして、塩昆布と一緒に掻き込みました。その旨かったことといったら、、、正に登山の醍醐味でした。南アルプスの塩見岳に登って大天井岳、北岳を経由して薬師三山から降りてきたときも、気候、気温の変化にイヤと言うほど遭遇しました。若いと時から気候の変化には慣れ、気温の変化には耐性が出来ていると自信は持ってはいても、小生も寄る年波、急激な気温変化は身にこたえます。

 タイ・チェンマイは猛暑のバンコックと違って、ハワイと同じ緯度上にあるため、一年を通じて気温は一定で、ほとんどの民家には窓ガラスがありません。蚊の侵入を防ぐための網戸があるだけです。借りていた森の中の一軒家もそうでした。時には寒い日もあったので、10万円をかけて、窓ガラスを入れはしましたが。しかし、年中同じ気候、同じ気温というのも退屈なもので、日本のように四季の変化のある国の方がいいなあ、とは思いました。しかし、日本の四季もこのところ変化しているようです。春と秋が短くなり夏と冬が長くなっているように感じませんか?

 気候の変化は、いま、世界中に広がりを見せています。中国では全土が大洪水、大干ばつに見舞われました。お陰で農作物に甚大の被害が出ました。果たして14億5000万人を養っていけるのでしょうか? 気候による被害はアメリカでもヨーロッパでも立て続けに起きています。正に、気候の一大変化が地球上に起き始めているのです。土地のぶんどり合戦のような戦争をやっている場合ではないのです。気候変化をもたらす人間がひり出す炭酸ガスをどうやって減らしていくか、それこそが大問題なのです。

2022年10月5日      只見線        

 「只見線」とは新潟の小出と福島の会津若松を結ぶ、JR鉄道路線のことを言います。所要時間は約四時間半。福島側の只見に到着すると、列車の乗り換えです。福島県を5年、新潟県を二年半担当した私は、会津若松から只見、小出から只見へは何回も乗ったことはあるのですが、全線を通して、仕事を離れて乗ったことがありません。何故なら、沿線は絶景の連続で、落ちたらどう思うような思うようなところを列車は走っていきます。案の定、11年前の7月、集中豪雨で鉄橋が崩落し、以来、全線開通は行なわれていませんでした。ところが、今月の1日、復旧作業が実を結んで、全線開通となりました。喜んだのは地元の人たちばかりではありません。全国の鉄道ファンにとっても朗報でした。写真ファンも大喜びです。おまけが付きました。真冬、只見川の鉄橋を渡電車の写真が世界的に有名な写真コンクールで、何と特賞を勝ち取ったのです。その写真が新聞に載ったとき、その出来映えに驚きまし。真冬、周囲の木々は一面の氷の花です。遠くの山も雪化粧です。寒さが伝わって来ます。鉄橋を二両連結の電車が渡って行きます。その電車と鉄橋の影が只見川に逆さに写ります。ただそれだけの写真ですが、凜然とした地球の荘厳な美が、神々しいまでに伝わってきます。国際的にも特賞に値する写真でありました。新潟市のただのサラリーマンの作だそうでした。その写真をこのブログに掲載したかったのですが、転載は今は不可能のようで、同じアングルでの別写真で許して下さい。出来れば、今年の厳冬期、防寒具に身を包んで新潟の小出から福島の会津若松まで、四時間一二分の旅に出たいものだ、と思っています。

2022年10月4日    厄介な人たち        

 北朝鮮がまたまた弾道ミサイルを発射し、こともあろうに日本列島の上空を通過し、太平洋上に落下しました。日本は領空が侵犯されたことになります。もしも、列島上空でミサイルが暴発したら、、、と思うとゾッとしてしまいます。いま、北朝鮮の民衆は食料難で暴動寸前だ、との報道もあります。何故、人民の命よりミサイルなのでしょうか? ロシアと同じく、独裁者の身勝手さが浮き彫りになっています。韓国の前大統領文在寅も身勝手な人間でした。自身が北朝鮮の土地の生まれであったことから、北朝鮮と融和を図ろうとしました。その前哨戦として反日不買運動を政府が挙げて煽動しました。アメリカと日本から離れようとしました。中国に秋波を送りはじめました。その結果いまはどうなっているか?、日本のみならず、アメリカまで韓国をないがしろにし始めました。相手にしなくなりました。困っているのは現ユン・ソンニョル政権です。ウオンが暴落して経済が落ち込んでしまい、ドルとのスワップが死ぬほど欲しいのに、アメリカも日本も、もはや、見向きもしません。それもこれも、前政権の文在寅が蒔いた種のせいだ、と私は思っているのですが、なぜか、今もって民衆は文在寅になつかしさを覚えているや、に見えます。つまり、日本という国に対する朝鮮民族の怨念は千年は続くかもしれません。韓国の国定教科書を見ると、あること無いことが、これ見よがしに載っています。その一部は、確かに歴史的事実ではあっても、全部が全部そうであったわけもありません。幼児期の刷り込教育が変わらない限り、韓国の日本に対する怨念の火が消えることは無いでしょう。北朝鮮といい、韓国といい、日本国の隣人は厄介な人たちばかりです。

2022年10月3日         Nコンとマスク

 待ちに待ったNコンが始まりました。恒例の全国小、中、高校の合唱コンクールです。今日は二時間、テレビの前に釘付けになりました。出場者全員がマスクを付けての出演です。観客は一人も入れていません。この日は関東甲信越ブロックの決勝大会でした。出場校の意気込みは伝わってきましたが、残念なのはマスクのお陰で声がくぐもっていることでした。声の持つ艶がマスクに吸収されます。マスク越しでは声の本来の味が伝わってきません。味わいのある独特の声が、ありきたりの「声」そのものだけになります。マスクという繊維がそれをするのです。何故、主催者は、歌うときだけはマスクを外す自由を与えなかったのでしょうか? そうすれば、出場校の訓練された持ち前の声そのものが会場中に響き渡ったでありましょう。マスクのずり落ちを戻すための生徒らの余計な所作を見ることも無かったでしょう。感染を怖れるなら、出場校が壇上から降りるごとに、アルコール散布をして壇上を清めれば良かったのです。

 世論を気にする余りのマスク着用での、くぐもったままの声による演奏!マスクという繊維に吸収されて出てくる声は、味も素っ気も無くなることを主催者は気がつかなかったのでしょうか? マスクを外しての演奏の場合、どうすれば壇上の全体消毒が出来るか?それについて主催者のNHKは試行錯誤を重ねたのでしょうか?

 重ねて言わせて貰います。マスクを付けての合唱は、声そのものがくぐもってしまい、声の持つ自然な魅力がマスクという繊維に吸収されてしまうことに、主催者は何故気がつかなかったのでしょうか? 当然、気がついていたはずなのに、何故、世間並みなことをしたのでしょう? NHKの不作為にもの申し上げます。

2022年10月2日            さかなクン

 日曜日の夕方6時頃から、NHKの総合テレビに「さかなクン」が登場するようになりました。例の奇妙な「ふぐの帽子」を被り、独特の口調で「さかなの蘊蓄」を語ったり、即興でさかなの絵を描いたりします。お相手の女性も従順で、息はぴったりです。番組の内容は魚類の専門的な話ばかりですから、教育番組にふさわしいとも言えるのですが、さかなクンの奇妙奇天烈話しぶり、つい、引き込まれて「なるほど、なるほど」と、思ってしまいます。日曜日の夕方の番組ですから、子供達は楽しみにしていることでしょう。何しろ、大人にとっても面白いのですから、、、、四方を海に囲まれている日本、さかなクンのお陰で海洋への関心が高まって行くのは、望ましいことでありましょう。

 ところで、さかなクンの父親はプロ囲碁棋士の宮沢吾朗さん。殺し屋と言われるほどの異色棋士です。日本棋院が「週間碁」を発刊するに及んで、その取り扱いを巡って読売と朝日で争奪戦があった折、同僚の宮沢恭人君と、当時、週間碁の担当者であった宮沢吾朗当時5段に二面打ちして貰ったことがあります。四子置いたのに二人とも綺麗に負かされました。この殺しやの息子が希代の変人さかなクンなのです。彼は発達障害児として生まれます。学校の勉強はすべて散々です。母親は水槽に蛸を一匹買い入れて彼に与えます。そこから彼の海洋生物への異常な関心が芽生えます。盲目のピアニストが世界に通じるピアニストになったように、母親の愛の力が現在のさかなクンを生んだのでしょう。

 ところで「童顔さかなクン」も既に47歳。千葉の房総半島先端の館山に住み、海洋大学の教授になっていますが、顔つきや態度は以前のままです。結婚もしていないようです。父親の囲碁棋士吾朗さんの噂もとんとありません。気がかりなのはこの一家のこれからです。それとテレビ番組の今後です。

 ※このホームページのプロバイダーが替ったために、8月下旬から約一ヶ月間、新しいやり方を習得するため、悪戦苦闘を重ねて来ました。でも、漸く、新しいやり方にも慣れて参りました。気がついたら「最近のエッセイ88」が延々と続いています。このまま、「88」で押し通してもいいのですが、それでは余りに冗長すぎるので、一ヶ月ごとに区切りを付けることにしました。10月1日から「最近のエッセイ89」となります。引き続きお読みいただけたら、これに過ぎる喜びはありません。 

 2022年10月1日             天声人語

 毎朝、新聞を手にすると、見出しは別として真っ先に読み始めるのが、下段の天声人語です。今朝、読み始めてビックリしました。女性執筆者の就任ご挨拶だったからです。朝日新聞始まって以来の出来事ではないでしょう。とうとう、ここまで来たか、と感慨無量となりました。朝日新聞創刊以来、天声人語の執筆者は男性で継続されてきました。過去を遡れば、嘉治隆一、荒垣秀雄、入江徳郎、疋田桂一郎、深代淳郎、辰野和男、白井健作、栗田亘、小池民男、高橋郁男、福島申二、富永格、、、、

 特に私が好きだったのは荒垣秀雄と入江徳郎の文章でした。白井健作さんはバイク乗りが好きで、あるとき筑波の販売店の前で転倒し、たまたまそこに居合わせた私と所長がお世話したこともありました。

 年四回発行される社内報の春号には、その年の新入社員全員の写真が載りますが、年々女性の数が増え、今では半数が女性です。私が入社した1961年は、女性はたった一人、松井やよりでした。山手教会の牧師の娘であった彼女は、日本人男性の海外への買春旅行を問題視します。傘下の販売店のそれが文春に載り、物議を醸しました。更に彼女は戦時中の日本軍の慰安婦問題を取り上げます。燃え上がった炎は今もってくすぶり続けています。既に彼女は天国に召されていますが、天声人語の執筆者に女性が加わったことを喜んでいるはずです。

 思えば、女性の躍進は世界的傾向になりつつあります。イギリスのジョンソン首相の後任も女性のリズ・トラスです。更にあげれば、ニュージーランドのアダーン、フランスのボルヌ、フィンランドのサンナ・マリン、デンマークのアンデション、、、リトアニア、エストニア、サモア、ウガンダ、、、、そして台湾。

 女性は争いを好みません。戦争などもってのほかです。もし、ロシアとウクライナの指導者が女性であったなら、小競り合いはあったでしょうが殺し合いまでにはならなかったでしょう。一方、日本はどうか? 政治の世界は相変わらずの男性社会です。これは、という女性を見つけることが出来ません。世界の趨勢から遅れているといっていいでしょう。朝日新聞が天声人語の筆者に女性記者を入れたこと、女性にとって「大きな夜明け」と言えるように思います。

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