306)コンクラベ

    「勝負事は なんでもコンクラベだね」

    「そうとも。ローマのバチカン法王選挙もコンクラベといわれている」

    「へー、日本語が使われているんだ。誰が伝えたんだろう?」

    「12世紀にローマに渡った三浦按針だそうだ」

 

                     305)上司

 スチュワーデスが神父に「何かお飲みになりますか?」と聞いた。

    「上等のスカッチを。ところで、この飛行機はどの位の高さを飛んでいるのかね?」

    「約、1万1000メートルです」

    「まずい。私の上司に近づきすぎている。オレンジジュースにしておこう」

 

                   304)喋る献金箱

 教会堂の修理に金が集まらない牧師は、物言う献金箱を作った。

    1000円入れると「何よ、それだけ?」

     500円入れると「もっと、もっと」

     100円入れると「「ケチ!」

    試に一万円入れてみた。「天国はあなたのものです」

 

                   303)安全祈願

    「新車を買ったので、成田山新勝寺でお祓いをしたもらったんだ」

    「それで?」

    「貰ったお札に書いてあったんだ。100キロ以上出すと無効になります」

 

                    302)休料

    「聞いて、驚くなよ」

    「何が?」

    「大阪市役所の給料袋は、橋下市長になる前は〈休料袋〉と書いてあったんだって!」

 

                     301)バカンス

 大阪市役所での職員同士の会話。

    「バカンス、どうだった?」

    「結局、職場と同じだったよ。座っているだろ。何にもしないだろ。昼飯を待っているだろ」

 

                     300)超速い

 大阪市役所職員の子供同士の会話。

    「パイロットと、F1レーサーと、家のお父さんと誰が一番速いかなあ?」

    「お父さんに決まっているジャン。音速を飛び越えちゃうんだ。役所の仕事は5時に終わるだろう。 でも、お父さんは4時には家にいる」

 

                     299)予報士

    「毎日テレビに出てくる気象予報士というのは、かなり図太い神経の持ち主ばかりだね」

    「どうして?」

    「当たらなかった予報の原因を、科学的に説明するっていうのを、毎日やっているもの」

 

                     298)人による

    「文法の時間です。〈私は美人だ〉の文法時制は何でしょう?ハイ、萌さん」

    「人によります」

    「なぜ?」

    「先生の場合は過去完了ですが、私の場合は現在進行形です」

 

                      297)正解 

    「このクラスで、みんなが一番使う言葉は何でしょう?ハイ、匠君」

    「わかりません」

    「ハイ、正解です」                   

 

                      296)重大事件 

    「音楽史上、1756年に重大事件が起こりました。それは何でしょう?ハイ、匠君」

    「ウオルフガング・アマデウス・モーツアルトが生まれました」

    「よくできました。それでは、1761年は?」

    「モーツアルトが5歳になった年です」                    

 

                      295)魚類は?

    「世界が大洪水に見舞われた時、神さまはノアに命じて大きな方舟を作らせ、生きとし生きるものを乗せて、生き延びさせたのでありました」

    「先生、質問です」

    「ハイ、匠君」

    「その時、魚類はどうしたのですか?」

    「……?」

 

                      294)三回分

    「そのコート、お幾ら?」

    「00万円です」

    「キャー、で、そちらの黒いのは?」

    「キャー三回分ほどです」  

 

                      293)儲かる

    「何か、儲かる商売ないかなあー」

    「ある、ある。しかも、時代を先取りした商売だ」

    「教えてくれよ」

    「結婚指輪のリース会社だ」

 

                      292)ダイエット

    「あなた、どうして、そんなに痩せることができたの?」

    「簡単なことよ。毎日、スプーンを使わず、二本の箸でスープを食べるの」

 

                      291)凍らない

    「ガソリン以外に、凍らない液体ありますか?ハイ、匠君」

    「熱湯です」                     

 

                      290)年金

    「大きくなったら何になりたい?」

    「普通の女の人でいいの。そして、おじいちゃんと結婚するの。年金で暮らせるじゃない?」

 

                      289)疲れる

    「今日、学校で英会話3時間やったの。疲れちゃった」

    「何よ、そのくらい。アメリカじゃ24時間やってるのよ」

 

                     288)半分 

    「8の半分はいくつですか?はい、匠君」

    「水平ですか?垂直ですか?」

    「どうして?」

    「水平なら0と0です。垂直なら3と3です」

 

                      287)オスとメス

    「ボク、ハエのオストメスを見分けられるんだ」

    「どうやって?」

    「ワインと鏡を用意します。ワインに集まるのがオス。鏡の前で舞うのがメス}

 

                      286)知らない

    「ママ、ボクびっくりしちゃった」

    「どうしたの?」

    「ボクの先生、馬を知らないんだ。馬の絵を描いたのに、これは何ですか?と聞いたんだ」

 

                      285)座って

 75歳になってパソコンを始めたA氏、パソコン教室に電話で応援を求めた。

    「それで、いま、立ち上がっていますか?」

    「いいえ、座ってやっています」

 

                     284)シュウ末

 古代文明のマヤ歴では今年の12月21日金曜日が、世界終末の日となっている。

    「世界中が大騒ぎしているね」

    「全くだ。中には本当に終末になって欲しい、と願う人もいたかもしれない」

    「結局、何もなかった」

    「いつも通りの週末だった」

 

                      283)二度目

 プーチンが返り咲いた。安倍晋三も返り咲いた。サルコジが牙を研ぎだした。ジョージ・ブッシュがマラソンを始めた。ドゴールが、墓場からむっくり起き上がった。

 

                    282)ポンポン

 「ボクちゃん、ポンポンが痛いの」と言って、所信表明の日に政権を投げ出した安倍晋三が、再び、総理に返り咲いた。日本は世界の笑いものになった。再び、巡ってきた所信表明の日、議場でヤジが飛んだ。

    「ぼくチャン、ポンポンはいかがですか?」

 

                     281)それまで

 101歳になった聖路加病院長の日野原英明に、単独インタヴューをおこなった。

    「今日はありがとうございました。今度は105歳のときにお会いしたいものです」

    「私は大丈夫だか、君の方がそれまで持つかなあ。見たところ顔色が悪いぞ。診察していきたまえ」

 

                     280)どっち

 幼稚園の入園試験。

    「モエちゃん、小母さんに何かお話してくれる?」  後ろの席に向かって

    「お母さん、この小母ちゃん〈何かお話して〉って言ってるけど、当たり障りのない世間話でいいのか、筋道立てたお話がいいのか、教えてちょうだい」

 

                      279)あり

 日本人は〈国破れて山河あり〉

 ブラジル人は〈国破たんしてサンバあり」

 

                       278)そのためには 

 聖書にはこうある。

    〈汝の隣人を愛せよ〉

 解説書にはこうある。

    〈そのためには、まず、配偶者を遠ざけよ〉                

 

                       277)存分に

 慈善団体から寄付金があると、その教会の牧師は、次の祈りを捧げる。

    「神さま、お金をいただきました。いつものように、神さまに向かってお金を投げますので、どうか、必要なだけ存分にお取りください。落ちてきたお金は私へのお恵みと思って、生活のため使わせていただきます」  牧師は空に向かってお金を投げた。

 

                      276)ゴルフ場

 プロゴルファーの石川遼は、天国にもゴルフ場があるか、思い悩んでいた。バチカンのローマ法王にメールを送って聞いてみた。

    〈天国にもゴルフ場は無数にあって、それぞれ楽しむことができます。オーガスタゴルフ場そっくりの名門コースもあって、年一回、往年の名選手が出場して覇を競います。お喜びください。来年の出場選手の名前がすでに発表されていて、目出度くも、貴君がエントリーされています〉

 

                      275)白髪

 5歳のモエちゃんはお母さんの髪に白髪を見つけた。

    「どうして白髪になるの?」

    「それは、あなたがお母さんに苦労をかけるからよ」

    「そーなの。すると、お母さんはモエちゃんより悪い子だったのね、だって、お婆ちゃん真っ白!」

 

                      274)最後の文字

    「いろはにほへと、の最後の文字は何ですか?ハイ、匠くん」

    「と、です」

 

                      273)心配

    「ボク、大きくなったら船乗りになるんだ」

    「いいけど、君、泳げないんだろ。船が難破したときどうするの?」

    「……」

    「ボクはパイロットになるんだ」

    「いいけど、飛行機が故障したときどうするの?君、空を飛べたっけ?

    「……」

 

                       272)お持ち帰り

 髪の薄くなった老人が、理髪店へ行って髪を切ってもらった。床に散らばった髪の毛を見ながら言った。

    「あゝ、痛ましい。惜しいなあ」

 理容師が言った。

    「あの、お持ち帰りなさいます?」

 

                       271)行かない

 バンコック行きのファーストクラスに、金髪のお姉ちゃんが座ってしまって動かない。

    「お客さまはエコノミーですから、後ろの席にお移りください」

 とCAが頼み込んでも、チーフが説得しても頑として席を立とうともしない。とうとう、機長が来て何やら小声で話した途端、お姉ちゃんはスッと立って後ろへ行った。驚いたCAとチーフが、

    「機長、何と言ったんですか?」

    「なに、このファーストクラスの第六列までは、途中で切り離されてバンコックへは行きません、と言っただけだよ」

 

                       270)賢い

    「野田総理、あなたが、いま言ったことは、以前言ったこととまったく違うではありませんか!」

    「あるいはそうかもしれません。しかし、私自身、日々賢くなっていく事実は何人も否定できません」                

 

                                            269)這って

 泥酔して帰宅した夫が、居間でながながと伸びてしまった。妻一人では寝室まで運べない。

    「ねえ、風邪引くわよ。這って行ってよ」

    「ハッ」

    「ハ・ッ・テ・イ・ッ・テ!」

    「ハ・ッ!」

 

                   268)濁点

 生産工場内に、紙が張り出された。    〈オレがやらなきゃ、誰がやる!〉

 翌日、がの濁点が削り取られていた。   〈オレがやらなきゃ、誰かやる!〉

 

                   267)ボケ

 ジイちゃんは〈この本を読めばボケない!〉という本を買ってきた。翌日、また、同じ本を買ってきた。また翌日、同じ本を……

 

                   266)けんきょ

 日本の歴代首相は、おおむね、謙虚であった。

 韓国の歴代大統領は、おおむね、検挙された。 

 

                   265)簡単

 学会が終わって、物理学者たちが会食している。テーブルの、胡椒と書かれた蓋の中身が塩で、塩の中身が胡椒なのに気がついた。一人が言った。

    「皆さん、紙やテーブルなど、第三のものは使わず、物理学的に胡椒と塩を入れ替えることができるでしょうか?」 学者たちは食べるのを止めて考えた。どうしても、できないという結論が導かれた。すると、ボーイが来て「失礼しました」と言って、蓋を取り換えた。

 

                   264)スウー・ガク

    「君は数学が苦手のようだね?」

    「そうなんだ。スウーっと血の気が引いて、ガクっと気を失っちゃうんだ」

 

                   263)紙と鉛筆(1)

 少子化の影響で大学経営が危機となった。研究費の削減が行われた。そして、数学科と哲学科だけが残った。予算計上は、紙と鉛筆とゴミ箱だった。

 

                   262)紙と鉛筆(2)

    「世界的な数学者は貧困層出身が多いって、君、知ってた?」

    「分かる、分かる。子供の時から、紙と鉛筆しか与えられなかったからだろう?」

 

                   261)救う

 医学部の授業に、数学の講義があった。

    「何で、こんなに難しい数学をやらねばならないのですか?」

    「人の命を救うためだ」

    「人の命と数学は関係ないでしょう?」

    「出来の悪い学生を医学部から追い出すためだ」                  

 

                   260)ご一緒に

    「どうか、僅かなお金を恵んでください」

    「お金はありません」

    「ほんの少しの食べ物を恵んでください」

    「食べ物もありません」

    「それなら、お水を一杯だけ」

    「水もありません」

    「そりやあ、お困りでしょう。私と一緒に物乞いに出たらどうですか?」

 

                   259)サンドイッチ

 猫を抱いて映画館に入ろうとした男が、入り口で拒否された。今度は猫の両脇に食パンを括り付けて入ろうとした。

    「困りますなあ、さっきもお断りしたではありませんか」

    「君は何の権利があって、ボクの昼飯のサンドイッチにケチをつけるのかね?」

 

                   258)何でしょう

    女の先生「牛には四つあって、先生には二つしかないものは、何でしょう?」

       園児「オッパイ!」

    女の先生「残念でした。足でした」 

 

                   257)100万ドル

    「見たまえ、これが100万ドルの夜景だ!」

    「薄暗い壁が見えるだけだよ」

    「隣のビルは、この壁だけで100万ドルかけたんだぜ」

 

                   256)喜ぶ

    「このところ結婚式が多くなって、式場は大喜びだそうよ」

    「もっと、喜んでいる人たちがいるわよ」

    「あら、どういう人たち?」

    「弁護士に決まってるじゃない。離婚が多くなるから」

 

                   255)シャク

    「そんなにご主人が嫌なら、離婚すればいいじゃない?」

    「すると、主人が喜ぶじゃない。それがシャクだからできないの」

 

                   254)悩み

    「あなた、何を悩んでいるの?」

    「毎日、毎日、着て行くものがなくて悩んでいるの」

    「新しいもの、買えばいいじゃない」

    「クローゼットが満杯で、もう、入らないの」

 

                   253)クレーター

    「美人と月は、同じだなあ」

    「どうして?」

    「近くで見てごらん、クレーターだらけだ」

 

                   252)いらない

    販売員 「坊や、お母さんいる?」

         「いらない、一人いればいいよ」

 

                   251)皿洗い

    「お皿洗いの、一番楽なやり方は何かしら?」

    「主人にやらせることよ」

 

                   250)試験

 歴史の試験の問題 〈好きな時代を選んで、他国との通商貿易について書きなさい〉

       彼の回答 〈石器時代、残念ながら貿易はなかった〉

 

                   249)古代人

    「これは、古代人が獲物を捕るときに使った矢じりです」

 時は流れた。

    「これは、古代人が携帯電話に付けて弄んだ、ストラップです」 

 

                   248)できる

    「おばちゃん、ワ・タ・チ・かず・イ・エ・ル」

    「2歳なのにエライわねえ。お母さんに教わったの?」

    「イチ・ニ・チャン・チ・ロチュ・ごはどうしたの? ゴー ・ロチュ・ハチ・しちがぬけたわよ・チチ・

キュー・ジュー・じょうず、じょうず、パチ、パチ」

 

                   247)精密写真 

 慶応大学の卒業生全員にメールが送られた。

    〈福沢諭吉先生の、精密にして精緻な肖像画を、3万円で頒布いたす。早いもの勝ち〉

 金を振り込むと、折り返し、1万円のピン札が送られてきた。

 

                   246)お葬式

    「モシモシ、お仕事中恐れ入りますが、中沢雄大をお願いしたいのですが…福島の祖母です」

    「彼は今日、福島でお葬式があるから、と欠勤しております」

    「まあ、福島のどちらの?」

    「確か、お婆さんと言ってました」 

 

                   245)鈍いと

    判断力が鈍いと、だれでも構わず結婚する。

    忍耐力が鈍いと、喧嘩しただけで離婚する。

    記憶力が鈍いと、同じことをまた繰り返す。

 

                   244)帰りたい 

 札幌千歳空港は、降りしきる雪の除雪作業のため、乗客は機内に閉じ込められている。

    「機長の雪山です。私の雪山という名前のせいで雪が降り続いています。申し訳ありません。皆さんも早くお帰りになりたいでしょうが、私も家が東京なので、早く帰りたいです。いったん飛び立てば空は快晴です。歌を歌います。 ♪ 雪やコンコン あられやコンコン 降っても降ってもまだ降りやまず 犬は喜び機長はこまる 乗ってるお客は なお困る ♪ 」 (機内大爆笑)

 

                   243)ドラえもん 

 ドラえもんの漫画が機体に描かれたLCC機が就航した。

    「ちびっこの皆さん、こんにちは、機長のドラえもんです。副操縦士はノビタ君です。キャビンのお姉さんたちの名前は、全員シズカちゃんです。これから〈何でもドア〉を開けて離陸いたします」

 機内は大歓声に包まれた。 

 

                   242)もう一つ

    「機内食、もう一つもらえませんか?」

    「3000円いただきます」

    「高いなあ、1000円になりませんか?」

    「1000円分お持ちいたします」  機内食をもう一つ運んできたCA,

    「いまのは冗談でした。さあ、たっぷりと召し上がれ」   この乗客はJAL以外乗らなくなった。 

 

                    241)拍手

 登場ゲイトと機内はイライラしている。そこへ、最後の乗客が飛び込んで来た。

    「皆さま、お待たせいたしました。いま、最後の困ったお客さまが到着しました。当機はこれから離陸いたします。皆さま、盛大な拍手で迎えてあげてください」

    「パラパラの拍手、ありがとうございました」

 

                   240)シートベルト

    「私、中国国際航空、気に入っちゃった!」

    「どうして?」

    「北京からの帰り、ガラガラだったから、となりの席にパンダの縫いぐるみ座らせたの」

    「そうしたら?」

    「CAが来てニラんだの。料金請求されるかなあ、と思ったら、ニコっと笑ってパンダにシートベルトしてくれたの」

 

                   239)彼女

 ミュージシャン松本英彦が天国へ着いた。

    「よく来たなあ。早速だけど、今晩コンサートがあるから、すぐ入ってやってくれないか? サッチモはいるし、アーム・ストロングもいる。ドラムはジョージ・川口だ」

    「それで、ボーカルは?」

    「それが問題でなあ。音は外すし、滑るし……  神さまの若い彼女なんだ」

 

                   238)空

 沢尻エリカが男と公園を歩いていた。

    「あっ、カラスが死んでる!」 男が言った。

    「どこ?どこ?」 沢尻エリカは空を見上げた。

 

                   237)特上

    「メニューの上懐石と特上懐石料理と、どこが違うのかね?」

    「お料理はどちらも同じでございます」

    「なら、違いは何なの?」

    「上懐石は、漆塗りのお箸、特上の方は金の塗箸、でお召し上がりいただけます」 

 

                  236)い・ま・ま・で

    「うちの子、もう三歳になるのに、何で言葉をしゃべらないのかしら?」

    「困ったものだ。どの医者に診せても、異常はないというし……」

 ある朝、味噌汁に口をつけた坊や、

    「こ・の・おつゆ・しょっぱい!」

    「まあ、嬉しい!しゃべった!何で、どうしてしゃべらなかったの?」

    「い・ま・ま・で・何も文句がなかった・か・ら・だ・よ」

 

                   235)戯言(ざれごと)

 江戸時代の武家社会では、ユーモアが欠落していた。

    「貴殿のただいまの言葉は、拙者を愚弄するものと心得た」

    「な、何もそのような、ただ、モノに例えて、戯言に言い換えたまでのこと。笑い飛ばしてくだされい」

    「戯言とは何ごとか、笑い飛ばせとは不埒千万、いざ、尋常に勝負いたせ!」 

 

                   234)江戸火消のユーモア

 イナセな火消の長いハシゴのテッペンに、何やら紙切れがぶらさがっている。スルスルと登って行ってはその紙を見て、なるほどという顔をして降りてくる。

    「やい、何て書いてあったんだ?」

    「自分で行って、見てきたらよかろう」 それなら、と登って行った者は、降りてきてニヤニヤしている。30人ほどになったところで、町奉行の耳に入った。

    「紙切れに何て書いてあったか申してみよ。隠すとタメにならぬぞ!」

    「へえ、それが言えねえんで、どうかご自分で…」

 大岡越前守が登って行って確かめると、紙切れにはこう書いてあった。

    〈ここがハシゴの終点にて候。奉行が来るまで誰にも言ってはならぬ〉

 

                   233)やってない

  先生「お宅のお子さんに、地下鉄サリン事件を起こしたのは誰か?と聞いたら、ボクは絶対にやってない、って言うんですよ」

  父兄「 でも、先生、それは正しいことではありません?」

 

                   232)標識

 村の川に赤い〈危険標識〉が立っていて、文句が書いてある。

     〈この標識が見えなくなったら、川は危険です〉

 

                    231)連鎖

    「君は、本当の嘘つき人間になってしまったね」

    「そうなんだ。始め、一つだけ嘘をついた。その嘘を貫くために、30以上の嘘が重なった」

    「偉い、君はやっと本当のことを言ったね」

 

                    230)見れば

    「私、政治家が嘘をつくとき、顔を見ただけで分かるようになったの」

    「ほほう、そりゃまた凄い。で、どんなとき?」

    「口が動いたとき、なの」

 

                    229)座薬

    「痛み止めで、座薬というのを処方されたんだけど、全然、効かないんだ」

    「普通は、すぐ効くのよ」

    「座薬っていうから、座って飲んだんだ。他に飲み方あった?」

 

                    228)水平線

    「人類は、永遠の平和を達成出来るでしょうか?」

    「それは、水平線と同じです」

    「ということは?」

    「近づいても、近づいても、遠ざかります」

 

                    227)住宅難 

 ヤドカリがナメクジに遭った。

    「そうか… 陸がそんなに住宅難だったら、君、海へ来たら?」

 

                    226)ジャガイモ

 ドイツではジャガイモが主食である。軍隊に服役している彼のところへ、妻から手紙が届いた。

    〈あなたがいないので、畑を耕してジャガイモを植えることができません。どうしたらいいでしょう〉

    〈愛する妻よ、実は、畑にはたくさんの武器弾薬を埋めてある。今年は諦めよ〉

 しばらくして、また、手紙が届いた。

    〈愛するあなた、大勢の人が来て、畑を隈なく掘り起こしていきました。どうしたらいいでしょう〉

    〈愛する妻よ、ジャガイモの植え付けをしなさい〉    

 

                     225)ゴット・セーブ

 イギリスのオックスフォード大学医学部の掲示板に、ある日、大きな告知がなされた。

    〈この度、当学のA教授が、畏れ多くも、エリザベス女王の主治医に就任された〉

 翌日、その告知に落書きがあった。

    〈ゴッド・セーブ・ザ・クイーン〉

 

                     224)案ずる

 東京の下町のお婆ちゃんたちは、皇居においでの方を〈お濠の大旦那〉、東宮の方を〈赤坂の若旦那〉と親しみを込めて呼ぶ。〈関東は放射能だから、京都へお帰りになったらいいのに〉とその身を案じている。京都のお婆ちゃんたちも、〈天皇はん、ちょこっと、東へ行ってはるけど、放射能は怖いさかい、直に、御所へ戻らはるのんと、ちゃいますやろか〉とその身を案じている。

 

                     223)招待

 新婚生活を始めた2人のところへ、次の日曜日のデイズニ―ランドの招待券が2枚届いた。送り主の名前が書いてなかったが、きっと、お祝いに違いないと、2人はその日を楽しみにして出かけて行った。帰ってきて2人は悲鳴を上げた。家財道具もお祝いの品も全部無くなっていた。紙切れが残されていた。

    〈人生、浮かれているとロクなことはありません。以後、お気をつけなさい〉

 

                      222)持てない

    「君は大金持ちだから、ボクの持っているもので持てないものは何もない」

    「まあね」

    「と思うのは、金持ちの浅ましさ。君が絶対に持てないものが一つある」

    「ない、と思うよ。5万円賭けよう」

    「では、5万円寄こしたまえ。君は僕の持っている生活保護証明書を持てるかい?」

 

                      221)どっち

    「お母さん、弟がほしいよぉ」

    「妹じゃいけないの?」

    「どっちの方が、早く出来る?」

 

                      220)両手

 授業参観日、父兄が教室の後ろで見守っている。先生が質問する度に全員が手を挙げる。当てられた生徒は見事に回答する。すべての質問に全員が手を挙げるのに父兄は満足して帰っていった。

    「凄かったわね。すべての質問に全員が答えられるなんて!」

    「わけないさ。できる子は右手を、できない子は左手を挙げたんだ。先生は右手を選んで回答させた、っていうこと」

 

                      219)質問

   先生「これから問題を二つ出します。一つ目を答えた人は二つ目は答えなくていいです。では、第一の質問。宇宙の星の数はどの位でしょう? はい、匠君」

    「1亰2345億6789万1234個です」

    「ほほう、どうしてそれが分かる?」

    「……」

    「匠君、答えなさい」

    「だって、先生はいま、二つ目の質問は答えなくていいって、言ったではありませんか」

 

                      218)鳴きまね

 舞台で、鳴きまね名人が胸を張って言った。

    「どんな生き物の鳴きまねでもやって見せます。リクエストありませんか?」

    「缶詰のサバの水煮をやってくれ」(場内爆笑)

    「簡単ですよ。サバはこうやって鳴いています。キュークツ、キュークツ」(場内爆笑)  

 

                      217)長生き 

 98歳の老婆が81歳の娘を亡くした。

    「この子が生まれたとき、お産婆さんに、この子は長生きできませんよ、と言われたけど、やっぱり本当だったわね」

 

                      216)煮ている

 生化学実験室で、A教授がアルコールランプの上で、何かを煮ている。

     「先生、連鎖状球菌の培養ですか?」

     「いいや」

     「分かった、螺旋状球菌の煮沸でしょう?」

     「いいや」

     「では、葡萄状球菌の加熱処理ですね? そうだ、それに違いない」

 先生は蓋をとって見せた。

     「昼飯のウインナーソーセージだよ」

 

                      215)いつごろ

 皇太子妃雅子さまが、パリの精神病院を突然訪問された。留学時代に仲の良かった友達を見舞うためである。お付の者が紹介した。

    「突然の訪問で恐れ入ります。雅子さまにございます」

    「ようこそお出でくださいました。ところで、あなたはご自分が雅子さまだと思うようになったのは、いつごろからですか?」

 

                      214)お礼

 95歳まで長生きした婦人から、彼女の主治医であった医者に大きな箱が届いた。手紙が添えられていた。〈お蔭さまで長生きすることができました。ありがとうございました〉 主治医がその箱を開けてみると、なんと、30年分の彼が処方した薬が、封も切られずに入っていた。

 

                      213)証拠

 患者の脈をとりながら医者が言った。

    「いけませんね。あなたはまたパンにジャムを塗って食べましたね。甘いものはダメだと、あれほど言ってあったではありませんか!」

 どうして、脈を診るだけで分かったんだろう、と不思議そうな顔をして患者は帰っていった。看護婦も不思議だった。

    「先生、脈を診るだけで分かるんですか?」

    「なに、どうということもない。袖口にジャムが付いていたんだ」

 

                      212)先に

    「もし、この薬が効かなかったら言ってください。もっといい薬をあげます」

    「それなら先生、もっといい薬の方を先に下さい」

 

                      211)黄色

    「いいですか、お酒が飲みたいと思ったら、ミカンを一つ食べてください。そうしないと命の保証はしませんぞ」   次の診察日、彼は黄色くなって現れた。  

 

                      210)誓って 

 交通事故を起こした自動車の運転手が、裁判所へ出頭した。

    「君は今までに、どのくらいの人を君の車に乗せたかね?」

    「恐らく、数千人でしょう」

    「ならば、私を乗せたことがあったかもしれないなあ」

    「いえ、絶対にありません。誓って」

    「なぜ、断定できる?」

    「霊柩車の運転手でした」

 

                      219)セリフ

 後期高齢者が若い女性に求婚するときのセリフ。

    「君は、ボクの未亡人になる気はないかね」

 

                      218)よいもの

 石原慎太郎は持ち込まれた作品に目を通して、作者に言った。

    「君ねえ、こういう作品は君が有名になってから書くものです。名前が出るまでは、もっと、よいものを書かねばなりませんねえ」

 

                      217)後世へ 

 〈後世へ〉という作文コンクールがあった。審査委員をつとめた石原慎太郎が言った。

    「残念ながら、この中の一つとして、後世という宛名のところへ届く作品はありません」

 

                      216)満員電車 

 大きなチエロを抱えた音楽家が、電車に乗ろうとホームで待っている。生憎、来る電車、来る電車、超満員で乗ることができない。乗客の一人が音楽家に囁いた。

    「君は楽器の選択を間違えた。フルートにしておけば良かったのに」

 

                      215)どっちも(A) 

 皇居で演奏したバイオリンニストに、事務方がたずねた。

    「出演料は勲章になさいますか?それとも10万円になさいますか?」

    「勲章はどのくらいの値打ちがあるものですか?」

    「3万円ほどでしょうか」

    「では、勲章と7万円、どっちも下さい」

 

                     214)どっちも(B)

 浅利慶太と坂本竜一が二時間会った。

    「どうでした?」

    「坂本竜一は素晴らしい男だ。惜しむらくは一つ。彼はほとんど黙りこくっていた」

    「どうでした?」

    「浅利慶太は素晴らしい男だ。惜しむらくは一つ。彼は一人で喋り続けていた」

 

                     213)原作

 歌劇「オペラ座の怪人」は未曽有の成功を収めた。原作者にお世辞を言うと、

    「音楽の分からない浅利慶太が、細切れにし、滅茶苦茶にしてしまいやがった。原作通りだったら、もっと喝采を浴びただろうに!」

 

                     212)案山子(かかし)

    「父ちゃん、案山子ってなに?」

    「田舎の田んぼの見張り番だ」

    「見たいなあ」

 父ちゃんと坊やは車に乗って田舎へ行った。だが、当節、案山子にはお目にかからない。父ちゃんは棒切れと藁を使って案山子を組み立て、持ってきた母ちゃんの古着を着せ、田んぼに立てた。

    「見ろ、これが案山子というものだ」

    「ふーん、分かった」    家に帰ってきて、坊やが言った。

    「父ちゃん、家にも案山子がいるね。父ちゃんの見張り番だ」

 

                      211)機械化

 農繁期になっても人手がないため、農家はやむなく、高い金を月賦で払って田植え機やコンバインを買う。日本中のどの農家も機械だらけになった。やがて、その機械を動かす人もいなくなった。機械が集まって相談会を開いた。

    「おれたち、どうすっぺ」

    「やっぱし、都会さ出て行くほか、ねえんでねえの」

    「んだ、んだ」

 高速道路は渋滞した。農林水産省と農協中央会の周りは、機械で埋まった。

 

                      210)義兄

    「奥さま、これは亡くなられたご主人のお写真でしょ?」

    「そうですけど、私、あの人の弟と再婚したので、義兄の写真ということになるわねえ」

 

                      209)頼む

    「この前、音楽会で初めて奥さんにお会いしたね」

    「……頼むから、そのこと、今度の家族会で話題にしないでくれないか」

 

                      208)意志

 1か月足らずで、田中直樹防衛大臣は辞めさせられた。

    「大きな図体の割には、彼には自分の意志がなかったなあ」

    「あるにはあったさ。でも、重すぎて撥ねj返せなかった」

    「どんなイシ?」

    「田中真紀子」

 

                      207)馬の名前

    「あなた昨夜、エリザベス、エリザベスって何回も寝言を言ってたわ。誰よ、エリザベスって?」

    「言わないで悪かったな。競馬の馬の名前でね。大穴を当てたんだ」

    「いくら当てたの?」

    「10万円」

    「半分寄こしなさい」

 半分上げたのに、出張から帰ると、奥さんの機嫌がすこぶる悪い。

    「競馬の馬から手紙が来てるわよ」

 

                      206)記憶力

 岡本真夜が、晴れて正式の結婚をすることになった。

    「私、彼に、今までのこと洗いざらいすべて話したの」

   A「そう、それは勇気のいることだったわね」

   B[それに、記憶力もね」

 

                      205)球

 「19歳の女性はサッカーの球だ。22人の男が彼女を夢中になって追いかける」

 「なるほど。すると、29歳の女性はバレーボルの球だ。12人が追いかける」

 「39歳の女性はビーチバレーのボールだね。四人が追いかける」

 「なるほど。49歳の女性はテニスのボールだね。追いかけるのは二人になった」

 「59歳の女性になるとゴルフのボールだね。追いかけるのは一人」

 「女性がピンポン球になるのは何時からだろう。オレはいらないよ、と互いに押し付けあう」

 「19歳の男性は女子野球のボールだ。18人が夢中で追いかける」

 「なるほど。29歳の男性はバスケットのボールだな。技を駆使して穴に入れたがる」

 「39歳の男子はホッケーの球だろう。世間から強烈なパンチばかり受ける」

 「すると、49歳の男性は風船玉だな。女の子の手から手へと渡り歩く」

 「59歳の男性はビー玉だ。世間からはじかれる」

 「男性が小学校の球ころがしの張りぼてになるのは、いつからだろう。孫に囲まれて嬉しがる」 

 

                      204)手配写真

 交番の掲示板に指名手配中の犯罪者の写真が張られている。幼稚園児の匠君が質問した。

    「お巡りさん、この写真、本当に犯人の写真なの?」

    「そうだとも。坊や、心当たりがあるの?」

    「ボク不思議でならないんだ。何でこの写真撮るとき、捕まえておかなかったのか、って」

 

                      203)改革

 原住民が住んでいた頃の大陸は、

    税金はなかった。借金もなかった。医療費は無料だった。森には鳥や獣がたくさんいて、男は狩りや魚釣りをして1日が暮れた。家事や育児は女性がやった。

 白人が現れて改革を宣言した。

    高額の税金をとられる。借金が膨らむ。とてつもなく高い医療費。森はなくなり、狩りも魚釣りもできなくなった。家事や育児が男の仕事になった。女性は酒を飲み、ファッションに明け暮れている。

 

                      202)不良品

 日本の部品メーカーは世界で最も優秀である。アメリカから注文書が届いた。

    〈10000個を発注する。不良品は3個までとする〉 製品が送られた。

    〈9997個を送ります。3個は貴国の業者に依頼して下さい〉

 

                      201)希望

 看守も手を焼く、手の付けられない死刑囚がいた。神父が呼ばれた。神父は聖書を読みながら死刑囚に紙切れを渡した。

   〈ボスがお前を救い出そうとしている。声を出すな。作戦は進行している〉死刑囚に笑顔が戻った。看守たちはその変化に目を見張った。最後の祈りの時がやってきた。神父は、また、紙切れを渡した。

   〈作戦の決行は最後の瞬間だ。首の綱はきれて、下で救いが待つ。笑顔で臨め〉

 彼は笑顔で逝った。看守たちは驚いて、聖書のどの箇所が彼を変化させたのか、神父に聞いた。

    「ナニ、神は、人には希望を与えよ、とおっしゃいます」  

 

                      200)ひょうずんご

 山形の小学校では、教室に入ったら標準語を使うことになっている。だが、守る者はいないらしい。

    先生「みんなぁよー、がっこさきたら、ひょうずんご使わねば、だめでねか」 

 

                     199)自慢

 世界医学会が開催され、各国が技術力の高さを誇示した。

    アメリカ「生まれつき両足のない者に義足をつけました。サッカーの選手で活躍中です」

    ドイツ「それはご立派です。でも、大したことではありません。ドイツでは両手両足のない者に義手義足をつけました。水泳選手として今度のオリンピックに出場します」

    日本「それはご立派です。でも、大したことではありません。日本では、生まれつき脳みそが少なかった少年に人工の脳みそを装着しました。その少年こそ、今の野田首相です」

 

                     198)嘘つき

    「今日の講義は教科書の第17章からです。予習は必ずしてくるように言ってあったはずだ。17章を読んできてくれたかな?読んできた人は手を挙げて」 ほぼ全員が手を挙げた。

    「君たちは嘘つきだ。教科書は16章でお仕舞で17章はない。今日の講義は〈人はなぜ嘘をつくか〉に切り替える」

 

                      197)声

 2050年のある日、宇宙の彼方から、地球上のあらゆる生きとし生けるものの脳内に、声が響いた。人間、哺乳動物、魚類、鳥類、植物とて例外ではなかった。

    「お前たちの願いごとを叶えてやることにした。一番の希望を頭の中で念じてみよ」

 人間たちの議論は白熱した。永遠の平和が多数のように見えた。再び脳内に声が響いた。

    「人間以外の生物の圧倒的多数の望は、地球から人間がいなくなって欲しいというものだった。人間の望む永遠の平和もそれによって達成されるであろう。この結論は尊重され、直ちに実行される」

 

                      196)栓

    「ワインとご婦人の共通点は?」

    「寝かせて、熟成させると、味わいが深まる」

    「じゃあ、相違点は?」

    「栓だ」  

 

                      195)禅

 禅の修行が世界的に流行っている。山で熊に出会った男が、とっさに座禅を組んだ。

    「お前もまた禅か。食えない奴だ」 熊は立ち去った。

 

                      194)この次

 日本では短期間に首相が九人も替った。世論調査が行われた。

     質問   最悪の首相はだれでしょう?

     70%の回答  次に出てくる首相

 

                     193)似る

 野田首相は絵を描くのが趣味である。静物や風景ばかり描いている。

    「総理、何で人物画を描かないんですか?」

    「似ていない、と文句を言われるからだよ。文句は国会だけでたくさん」

 

                      192)皆さん笑って

 特に、アメリカ人の演説にはジョークが付き物である。野田首相も凝ったジョークを考えて、演説の冒頭それを日本語で言った。

    通訳「野田首相は、いま、ジョークらしきものを言いましたが、どこが面白いのかさっぱり分かりません。したがって、訳しようがありません。でも、皆さん、笑ってあげてください」

 場内は大爆笑。目的は達した。

 

                      191)神童

 野田首相は千葉県の神童だった。何しろ、10歳にして現在の知性と理解力を備えてしまった。問題は一つ。そこから先へ進んでいないことだ。

 

                      190)世界一

 こんな男に娘をとられて、おれは世界一不幸だと嘆いた。

 でも、世界一の孫の父親が「こんな男」なのはどうしてだろう?

 

                     189)老いぼれ(1)

 老いぼれたから遊ばなくなるのではない。遊ばないから、老いぼれるのだ。 

 

                     188)老いぼれ(2)

 老いぼれたら、老いぼれたことが分からなくなる。

 老いぼれたら、老いぼれたことが分かる、老いぼれになりたい。

                     187)もっと嫌 

 沢尻エリカが泣いている。

    「私、ゴシップを流され、雑誌に書かれ、本当に嫌だったわ」

    「なるほど、なるほど」

    「でも、今はもっと嫌なの。雑誌には書かれないし、誰も何とも言ってくれないの」

                     186)福来たる 

 不幸な時代を生きている。短期間に首相が9人も替った。もっと不幸な時代を生きることになる。首相の器のある政治家がいない。

    「よっしゃ、オレが首相をやったる!」

 お笑い芸人の爆笑問題の太田が立候補した。当選した。国会は笑いの渦になり、苦虫を噛み潰した官僚たちにさえ、笑が出始めた。日本は苦境を脱した。格言に曰く「笑う門には福来る」

                      185)六倍

 女子医大の授業で、教授が学生に質問した。

    「人間の器官の中で、その時になると六倍の大きさになるものは何だね?はい、M子さん答えて」

 当てられたM子は真っ赤になって言った。

    「何で…私が…それを…答えなければ…」

    「それは人の瞳孔だ。マナコだ。言っておくが、結婚して失望しないように」

 

                     184)寝室で朝食

 イギリスの貴族は、目覚めると、執事が運んでくる朝食を寝室で摂る。

    「何を隠そう、私も寝室で朝食を摂っているの」

    「そりゃまた、豪勢な」

    「三畳一間なの」

                     183)ゴキブリ

    「ここはペットショップですね。ゴキブリを千匹下さい」

    「何でまた、ゴキブリなんですか?」

  「明日引っ越しをするのですが、家主から言われたんです。元の状態に戻してから出て行ってくれ」と。

 

                     182)アパルトヘイト 

 アパルトヘイト(黒人差別)がなくならない南アフリカで、満員の機内で女性が騒いだ。

    「私、黒人の隣の席だなんて我慢できないわ。席を取り換えてちょうだい」

 困惑したCAは機長に相談しに行った。

    「分かりました。では、ファーストクラスに空席が一つあるのでお移りください。あなたもこんな人のお隣はお嫌でしょう」 と言ってCAは黒人をファーストクラスに案内した。

 

                     181)迷ってる

    「あなたは明日、裁判所の法廷で証言台に立つんでしょ」

    「そうなの、それで迷ってるの」

    「どっちの味方しようか、なんて考えない方がいいわよ」

    「違うわよ。どの服着て行こうか、迷っているのよ」

 

                      180)フィットネス

 フィットネスクラブへの入会手続きは完了した。

    「明日から始めますが、少し大きめの動きやすい服装でお出でください」

    「あら、そんな服があるんだったら、申込みしないことよ」

 

                     179)髪型

 昔、流行に合わせて髪型を決めた。

 今、残っている髪の量に合わせて髪型を決める。

 

                     178)ローン

 高額のローンを組んで家を買うことにした。

    客「他はいいんだけど、キッチンがちょと狭いなあ」

   業者「高額のローンを払い出すと、これでよかった、と思うようになりますよ」 

 

                     177)モカ

 ローマの宮殿でジュリアス・シーザーを囲んでコーヒーを飲んでいる。

    「アントニウス、君が飲んでいるのはブルーマウンテンだろ?」

    「クレオパトラ、あなたのはキリマンジェロ?」

    「ブルータス、お前モカ」

 

                      176)そんな

 パーテイでダンスをしながら、加山雄三は美人の耳元で囁いた。

    「あなたはお美しい。愛してしまいそうです」

    「まあ、お目にかかって間もないのに、あなたは私のハートをお求めになるのね?」

    「とんでもない。そんな高いところまでは望んでいません」

 

                      175)望み

 加山雄三が、あろうことか雑貨店に買い物に来た。美人の店員が応対した。

    「加山雄三さま、何をお望みでしょうか?」

    「望みですか。望みはあなたを抱きしめてキスすることだが、カップラーメン一つ下さい」

 

                      174)昨今の政党事情

    分裂騒ぎのー民主党

    過去完了のー自民党

    池田のロボットー公明党

    何でも反対ー社民党

    にっぽんにゃ向かないー共産党

    有るのか無いのかー国民新党

    坊ちゃん一人のーみんなの党

    またぞろ迷惑ー小沢新党                      

 

                      173)日本のムダ

 ほとんど役にたたない一円硬貨を作るのに、二円かけています。

 民間なら一か月で出来る仕事に、官公庁では三か月分の給料を払っています。

 半年あれば成立可能な法案は、国会議員に三年分の報酬をはらっても成立しません。              

 

                      172)ナイスコック

 野田首相がイギリスのオリンピック委員会に出席することになった。イギリス料理は世界一不味いと教えられていたので、日本から腕利きのコックを連れていった。晩餐会のあと、イギリス料理はどうだったか、とテレビからインタヴューされた。日本からコックを連れて来たが、その必要がないほど美味いかったと言おうとした。

    「アイ、ハブ ア ナイスコック バット…」  インタヴューは放送されなかった。

 

                      171)似ている 

 野田首相の英語の演説が全米のテレビで放映された。反響があった。

      1、日本語は英語によく似ている

      2、字幕スーパーをなぜつけなかったのか

 

                      170)日本語

 野田首相が国際会議に出席し、演説することになった。疲れていたし、どうでもよい会議だったので通訳に頼んだ。

    「二言、三言喋るから、あとは適当にやってくれないか」

    「承知しました。何とかしましょう」

 野田首相は一分喋った。通訳はそれを五分に拡大して喋った。それを聴いていたアフリカのガボンの代表は感に堪えぬように言った。

    「日本語とは何て便利な言葉なんだ。あれだけ長い話を、ほんの一言で言ってしまえるなんて」

 

                     169)年号

 畏れ多くも、平成天皇が危篤状態になられた。密かに、記者が野田首相(早稲田出身)にお伺いをたてた。

    「総理、次の元号はどのようなものとお考えですか?」

    「そうさな。歴史を振り返ると、江戸の〈慶応〉はとても良かった。〈明治〉は更に良かった。してみると、今度は〈早稲田〉だな。うん、〈早稲田〉に限る」    

 

                     168)ジョークの才能

日本人のほとんどは、外国人との席でジョークを言えないばかりか、外国人のジョークにクスリともしない。

  天国の大天使「神さま、日本人はなぜジョークに疎いのでしょうか?」

       神さま「それはわしが日本人にジョークの才能を与えなかったからじゃよ」

  天国の大天使「日本は四季に恵まれ、風光明媚なよいところです」

       神さま「左様、与えすぎは不公平になると思ってな」

  天国の大天使「日本人から、われにジョークの才能を与えたまえ、と祈りがきております」

       神さま「前向きに善処すると答えておけ」

 

                  167)五十六

    「日本人の名前の典型は、長男が一郎、二男が二郎、三男が三郎」

    「そうそう、非常に分かりやすい」

    「第二次世界大戦で戦死した軍人に山本五十六(いそろく)がいた」

    「そうか、彼は五十六番目の子だったのか。親父の顔が見たいものだ」

 

                   166)骨

奈良の遺跡から黄金の棺桶が発見された。中には三つの女性の頭蓋骨が入っていた。一番小さなものを学者たちは、女帝卑弥呼の少女時代のもの、と断じた。二番目のものを、女帝卑弥呼の全盛時代のもの、と断じた。三番目の歯が欠けたものは、女帝卑弥呼が老婆になったときのもの、と断じた。

 

                   165)近頃の 

 奈良の遺跡から、最も古い時代の木簡が発見された。何やら文字が書かれていた。学者たちが集まって、一か月かけて文字の解読に取り組みついに成功した。それにはこう書かれていた。

      〈まったく、近頃の若いものは〉

 

                   164)笑顔

 20年前の中国のデパート「当店では笑顔以外のあらゆる商品を取りそろえています」

 今の中国のデパート「笑顔のバーゲン開始。商品のほとんどが外国のコピーなのをご容赦」

 

                    163)老人讃歌

 腰曲がる 背筋は縮む 皺は寄る 髪白くなる 頭テカテカ

 目はかすむ 耳は聞こえず 歯は抜ける 足はよろける 口はフガフガ

 聞きたがる、シャシャリ出たがる、淋しがる でしゃばりたがる 世話焼きたがる

 朝クスリ 昼もクスリで、夜クスリ 病院通いが この世での仕事

 身の周り 湯たんぽ 膏薬 老眼鏡 尿瓶 襟巻、入れ歯のケース

 またして 同じ話の 繰り返し 孫の自慢を 止めるすべなし 

 

                     162)思う

    「ねえ、長生きしたい、と思わない?」

    「思う、思う」

    「でも、歳はとりたくない、と思わない?」

    「思う、思う」
 

                    161)スピーク

 ニューヨークで道に迷った団体客のかたわれが、運よく、お巡りさんを見つけた。一人が言った。

   「ドウーユー スピーク イングリッシュ?」

   「ノー アイキャンノット バットスピークジャパニーズ」

 お巡りさんは片目をつぶってみせた。

 

                    160)リンガル

    「ねえ、二か国語を話せる人を何て呼ぶの」

    「バイリンガル」

    「三か国語を話せる人は?」

    「トリリンガル」

    「四か国語は?」

    「マルチリンガル」

    「じゃあ、一か国語しか話せない人は?」

    「日本人」

 

                   159)確率

    「豪華客船に、一人の人間がダイナマイトを持って乗り込む確率は、どのくらいだろう?」

    「恐らく、一億分の一だ」

    「では、二人の人間が同時にダイナマイトを持って乗り込む確率は?」

    「恐らく、十兆分の一だ」

    「では、今度乗るときは、私はダイナマイトを持って乗るとしよう。安全度が高まるわけだ」

 

                    158)可愛い

    「なんて、可愛い赤ちゃんなの!」

    「ありがとう。でも、この写真見て。こっちの方が可愛いでしょ」                    

 

                     157)三段論法

 立派な画家は古典の模写から始める。

 贋作専門の画家も古典の模写に取り組む。

 故に、贋作作りは立派な画家である。             

 

                     156)缶詰

 海の中で潜水艦と出会ったイワシの親子

    「ママ、あれ、怖い」

    「怖いことなんてないのよ、坊や、あれは人間の缶詰なのだから」

 

                      155)道の駅

 道の駅は、新鮮な農産物が買えるので人気がある。宣伝文句が面白い。

    朝堀りのタケノコ      ……    三時間前は土の中でした

    生みたてタマゴ       ……    三時間前はトウモロコシでした

    搾りたて牛乳        ……    三時間前は草でした

                          (夕方になっても、この文句は変わらない!)

 

                      154)20分前

    「このタマゴ生みたて、って書いてあるけど本当なの?」

    「本当でさあ。20分前に書いたばっかりだもの」

 

                      153)顔つき

    「この魚、顔つきがイカツくて気に入らないわ。形もグロだし…」

    「奥さん、魚を顔つきや姿で選ぶのは、金魚か鯉だけにしてください」

 

                      152)同じもの

 町内の肉屋から牛のタンを一本買って タンシチュウを作った。美味しかった。

    「いいかい坊や、お肉屋さんへ行って、この前と同じ牛のタンを一本下さい、と言うんだよ。他の牛ではダメですと言うんだよ」

 

                      151)言わせる

    「君に黒と言わせてみせよう」

    「よしきた、やってみな、絶対に言わないから」

    「日本の国旗の色は?」

    「赤と白だ」

    「フランスの国旗の色は?」

    「えーと、赤と白と青だ」

    「そーら言った。黒と言った」

    「絶対に言ってないよ、黒だなんて」 

 

                      150)墓碑銘

 この頃、日本でも見かけるようになったが、墓に詩文を書くのが外国の習慣だ。墓碑銘である。

 〈わが妻安らかに眠る。その恵みにより、われいま安らかな時を過ごす〉

 〈彼は生涯を郵便配達夫に徹した。この度、差出人に無料返送せり〉

 〈彼は無神論者であったが、いま、正装して天国からの迎えを待っている〉

 〈死んだ言語の研究者であった彼は、その言語を使っていた人々の熱烈な歓迎を受け、ここに眠る〉

 〈この墓の前でお喋りをしてはならぬ。彼女が目を覚まして加わるから〉 

 

                      146)スリム

    「身体をスリムにするには、泳ぎが一番です」

    「そうかしら?信じられないわ」

    「どうしてです?」

    「だって、クジラを見てごらんなさいな」 

 

                      145)ダイエット

 フルコースの食事の最後はデザートであった。

    「奥さま、デザートのデラックスパフェに、飾りのチエリーはお付けいたしますか?」

    「とんでもない。チエリーは外してください。私、ダイエット中なの」 

 

                      144)ランチ

 当店のスペシャルメニューとして

    魚のランチ       200円

    鶏のランチ       200円

    ウサギのランチ    200円

 とあった。全部を注文した。出てきたのは、魚のランチはゴカイの佃煮、鶏のランチは茹でたトウモロコシ、ウサギのランチは生人参であった。

 

                      143)偽りなし

 〈インド直輸入のシルク、5メートルたった2000円!〉の通販広告を見て、これは廉いと代金を送った。折り返し、品物が届いた。何と、5メートルの絹糸が三本!

 

                      142)ハンガー

    「ハンガーを下さい」

    「これはいかがですか?500円です」

    「もっと、安いのは?」

    「これでしたら100円です」

    「もっと、安いのは?」

    「このクギでしたら…」

 

                      141)ダイヤ

    「君にダイヤの一杯詰まったプレゼントを用意したよ」

    「まあ、嬉しい!」

 開けてみたら、一組のトランプだった。確かにダイヤは詰まっていた。

 

                      140)クリスマス

 クリスマスプレゼントを用意できなかったパパ、家の前で爆竹を鳴らした。何ごとか、と家から出てきた子供たちに向かって

    「大変だ!サンタクロースが撃たれて死んだ!」

 

                      139)ご苦労

    「パパの髪の毛、この頃薄くなって、頭が光って来たね」

    「いろいろご苦労が多いからよ」

    「よかったね、ママはたくさんあって。つまり、ママにはご苦労が無いってことなんだね」

 

                      138)明るい

    「子供がいると、家の中が明るくなるって本当だね」

    「そうとも、何度いって聞かせても、電気を消さないもん」

 

                     137)無用

 現代の金持ち孫正義が、金屏風に満開の桜の絵を描かせた。賛になる一句が欲しい。現代俳句の権威金子兜太と書家の日比野光凰にそれを頼んだ。お披露目の席上、金子兜太が朗々と上の句を詠んだ。

    「この所 小便無用…」 何を言いだすのか、気でも違ったのか、訝りながら書家はそれを達筆で書いた。見守る人は固唾を呑んだ。兜太は続けた。「花の山!」

    「この所 小便無用 花の山」

 満座からドヨメキと拍手が起こった。

 

                     136)原因と結果

 世の中は何事も原因があって結果がある。原因が先で結果は後だ。だが、結果が先で原因が後から付いていく場合がある。その珍しいものを私は見た。

 葬儀の行列で、お棺の後から医者が歩いていた。

 

                     135)アドバイス

 誰もが、時には必要とし、誰もが、時には与えたがるのがアドバイス。だが、誰もがほんの少ししか受け取らないのもアドバイス。だから、君にアドバイスしておく。アドバイスするな。

 

                     134)どっちが

    「ねえ、禿げるのと、ボケるのと、どっちが悪いかしら?」

    「禿げる方が悪い、に決まってるじゃん」

    「どうして?}

    「目立つのはどっちだい?」

 

                     133)簡単

 手術室から男が血相を変えて飛び出してきた。

    「どうしたんですか?簡単な手術だから心配ないですよ。きっと、上手くいきますよ」

    「同じことを、手術室の看護師が言ったんだ」

    「それなら、いいじゃありませんか」

    「よくないよ。看護師は私にじゃなく、執刀する医者に言ったんだ」

 

                     132)学校

 母親が息子の部屋へ行った。

    「さあ、早く起きなさい。学校に遅れるわよ」

    「いやだ、行きたくない」

    「行きたくない理由を言いなさい」

    「生徒はボクを嫌っているし、先生たちまでボクを白い目で見るんだ」

    「そんなの、理由にならないでしょ」

    「なら、学校へ行かなきゃならない理由を言ってよ」

    「あなたは40歳、それに教頭先生でしょ」    

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